法事・法要
2025.09.11
秋のお彼岸とは?由来・供養の意味・お墓参りのマナーを解説

「秋分の日」の前後3日間は、ご先祖様を想い、日々の暮らしを振り返る日本の伝統行事「秋のお彼岸」の期間です。
しかし、「お彼岸」という言葉は聞いたことがあっても、具体的に何をする日なのかはよくわからないという人も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、これから迎える秋のお彼岸にするべきことや、注意点を解説します。
お彼岸の仏教的な意味や由来もご紹介しますので、「そもそもお彼岸って何?』「何をする日なの?」と疑問に思っている方は、ぜひ参考にしてください。
秋のお彼岸とは?いつからいつまで?
秋分の日の前後3日間を含めた7日間が秋のお彼岸の期間です。秋のお彼岸とは、ご先祖様に感謝を捧げ供養をするための、日本独特の仏教行事になります。
実は、秋分の日は毎年前後しているので、お彼岸の期間は毎年変わります。たとえば、2025年の秋のお彼岸は、9月23日(秋分の日)の前後3日間である9月20日〜9月26日ということになります。
2025年のお彼岸
彼岸の入り:2025年9月20日(土)
秋分の日(中日):2025年9月23日(火・祝)
彼岸明け:2025年9月26日(金)
お彼岸の意味と由来
仏教では、私たちが生きている現世を「此岸(しがん)」、悟りを得た境地のことを「彼岸(ひがん)」といいます。日本では、亡くなった方が旅立つ極楽浄土のことを悟りの境地である彼岸と重ね合わせる考えが定着し、お彼岸が「あの世にいるご先祖様を供養する期間」として受けとめられるようになりました。
なぜ、秋分の日なの?
秋分の日は、天文学的にいうと、太陽が真東からのぼり真西に沈み、昼夜の長さがほぼ等しくなる日です。仏教では西の方角に極楽浄土があると考えられているため、この日は、私たちが暮らす此岸と、ご先祖様がいる彼岸が1年のうちで最も通じやすい日と捉えられてきました。
その時期に先祖供養を行うことで、ご先祖様とのつながりをより身近に感じることができると考えられているのです。
ちなみに、お彼岸は春と秋の2回あり、春のお彼岸は、春分の日を中心にした前後3日間の期間を指します。
お彼岸の歴史
お彼岸の起源は、平安時代にさかのぼります。『日本後紀』には、806年に桓武天皇の弟である早良親王の御霊を慰めるため、国分寺の僧に読経をさせたことが記録されていますが、これが日本での「彼岸会(ひがんえ)」の最古の例とされています。
その後は、寺院での法要として営まれるようになり、やがて日本独自の文化や風習と結びついていきました。その流れの中で、江戸時代に幕府が春分・秋分の日を「彼岸の中日」と定めたことから、先祖供養やお墓参りの習慣として庶民にも広まり、現在の形へと受け継がれています。
お彼岸は何をする日?
お彼岸は、ご先祖様の供養をするとともに、自分自身の心を整える期間でもあります。
ここでは、実際に私たちがお彼岸にするべきことについて解説します。
お墓参りをする
墓石やお墓周辺の掃除をし、生花やお供え物をして手を合わせましょう。
仏壇の掃除とお供え
仏壇やその周辺をきれいに整え、果物やお菓子、おはぎなどをお供えしましょう。
法要を執り行う
場合によっては、お寺やご自宅で僧侶に読経を行ってもらうこともあります。
仏教の教え(六波羅蜜)を心がける
六波羅蜜とは、仏教の修行の一つで、この世に生きたまま悟りの境地に達するために行う6つの実践のことをいいます。お彼岸の期間は、ご先祖様の供養をするとともに、自分の心を見つめ直す期間でもあるため、この6つの実践を特に意識して行うことがよいとされています。
六波羅蜜
布施(他社に施し、思いやりを持つ)
持戒(決まりを守る)
忍辱(苦しみや怒りを耐え忍ぶ)
精進(惜しまずに努力を続ける)
禅定(心を落ち着け、集中する)
般若(物事を正しく見極める智慧を持つ)
感謝の気持ちを伝え、自己を振り返る
お彼岸は、ご先祖様が命をつないでくれたことへの感謝の気持ちを伝え、自分自身の生き方を見つめ直すためのよい機会でもあります。この機会に、ふと立ち止まって自分の人生を見つめ直してみるのもよいかもしれません。
お彼岸のお墓参りの流れやマナー
お彼岸といえばお墓参りですが、ここでは、実際にどのような流れで行うかなど、お墓参りの流れやマナーをお伝えします。
お墓参りの流れ
お墓参りは以下のような流れで行いましょう。
1. 墓石の前で合掌しご挨拶をする
お墓に到着したら、まずは合掌してご先祖様にご挨拶をします。
2. 墓石と周囲の掃除をする
次に、周囲にゴミや落ち葉がなどがあれば拾い、雑草が気になる場合はきれいに整えましょう。そして、墓石に水をかけて洗います。墓石を水洗いすることは、埃などを洗い流す目的もありますが、清らかな水でご先祖様の喉の渇きを癒し、魂を沈めるという宗教的な意味合いもあります。
3. 供花や供物をお供えする
季節の花や、故人の好物などをお供えします。お供え物は直接お墓に置かず、半紙やお盆などを敷いてからその上に置くのがマナーです。
4. お線香をあげる
お線香に火をつけ、線香立てにおいたら、手を合わせます。
黙祷をしながら故人の冥福を祈って感謝の気持ちを伝えたり、家族の近況を報告したりしましょう。
5. 片付ける
お祈りが終わったら、周辺を整え終了です。お供え物やゴミは必ず持ち帰りましょう。
お墓参りのマナー
お墓参りにはマナーや注意したいポイントがあります。以下の点に気をつけましょう。
・午前中または午後の早い時間に行く
何かのついでにお墓参りに行くことはよくないとされています。また、夕方以降は足元が暗くなり転倒などの危険もあるため、なるべく早い時間に行くことが推奨されています。
・露出の高い服や華美な服は避ける
お墓参りの服装には、喪服を着用する必要はなく、普段着で行って問題ありませんが、露出の高い服装や華美な服装は避け、なるべく清潔感のある服装を心がけましょう。
・歩きやすい靴でいく
お墓の周辺は、道が平坦ではないことも多いため、ハイヒールなどは避け、歩きやすい靴を選びましょう。
・気持ちを込めてお参りする
そして最も重要なのは、形式よりも先祖を想う気持ちです。心を込めて手を合わせることをなによりも大切にしましょう。
お彼岸に行う仏壇の掃除のやり方
お彼岸は、仏壇周りの整理を行うよい機会でもあります。ここでは仏壇の掃除のやり方をお伝えします。
1. 仏壇の埃や汚れを落とす
まずは、仏壇の外側・内側・引き出しの中などにたまっている埃や汚れを落としましょう。
2. ロウソク立てや線香立ての掃除
ロウソク立てにロウがついてしまっている場合は、お湯などでロウを溶かしてティッシュなどで拭き取りましょう。また、線香立てにたまった使用後の灰や線香くずも取り除きます。
3. お供え物やお花を下げる
古くなったお供え物やお花があれば下げましょう。
4. 新たにお花やお供え物を供える
季節のお花や故人が好きだった物などをお供えします。秋のお彼岸では「おはぎ」のお供えも定番です。
5. お線香をあげる
最後に、ロウソクに火を灯し、線香をあげ合掌しましょう。
合唱しながら、日頃の感謝をお伝えし、家族の健康や幸福を祈ります。
最後に、ロウソクの火の消し忘れに注意してください。口で吹き消すことはせず、専用の火消しを用いるか、手で仰いで消すのがマナーです。
秋のお彼岸のお供え物で選ばれているもの
秋のお彼岸でお墓や仏壇にお供えする食べ物やお花は、季節感を意識したものがよいでしょう。
定番は「おはぎ」
おはぎは、小豆の餡で餅を包んだ餅菓子です。小豆の赤には魔除けの意味もあるとされ、仏教ではよく用いられますが、お彼岸でも小豆を用いたおはぎがお供物の定番となっています。
ちなみに春のお彼岸では同じく小豆の餡で餅を包んだ「ぼたもち」をお供えします。
おはぎとぼたもちは似ていますが、おはぎは秋の七草である「萩」、ぼたもちは春の花である「牡丹」にちなんでおり、以下のような違いがあるといわれています。
おはぎ:つぶあん/細長いひし形や俵形が多い
ぼたもち:こしあん/丸形が多い
季節の果物
秋は、ぶどうや梨、柿、りんごなどがおいしい季節です。旬の果物をお供えすることで、季節感を演出することができます。
季節の花
秋のお彼岸では、秋の花である菊やリンドウ、コスモス、ダリアなどをお供えすることが多いです。また、まだまだ残暑の厳しい時期でもあるため、暑さに強いキキョウ、リンドウ、センニチコウなども人気があります。
そのほか、よくお供えされているもの
そのほかに、よくお供物に用いられるのが、焼き菓子や和菓子などの食べ物です。お供え物は最低でも1週間以上、できれば数週間は日持ちする個包装の焼き菓子や羊羹、おかきなどを選ぶとよいでしょう。また、お茶やお水などの飲み物もよくお供えされています。
ちなみに、お墓ではカラスなどが食べ散らかしてしまう恐れがあるためお供物は持ち帰るのがマナーです。仏壇やお墓から下げたお供物は、捨てずにみなさんでいただきましょう。
秋のお彼岸はご先祖様に感謝を捧げるよい期間
太陽が、仏教でご先祖様がいるとされる真西に沈む秋分の日の前後の秋のお彼岸は、先祖を敬い感謝を捧げる特別な期間です。これを機に、ご先祖様が命を繋いでくださったことへの感謝の気持ちを伝えてみてはいかがでしょうか。
また、お墓参りをしたり、仏壇に手を合わせたりして、家族みんなで偲ぶ時間を持つことも大切です。ぜひ、よいお彼岸をお迎えください。
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