家族葬
2024.01.12
直葬・火葬式の流れ(準備〜当日まで)。費用や注意点も解説します。
火葬式とは、宗教儀式を行わず火葬のみでお見送りをするご葬儀です。葬儀の小規模化・簡略化が進む昨今、新型コロナウィルスによるパンデミックの影響も相まって、感染予防の観点などから火葬式を希望されるご遺族様は増加傾向にあります。
今回は、火葬式とはどのような葬儀なのか、またご逝去から葬儀当日までの流れや費用、注意点などを詳しく解説します。
火葬式とは、どのような葬儀?
火葬式は、ご家族・ご親族のみの少人数で執り行われ、お通夜や告別式を行わず、直接火葬場にてお別れをする最もシンプルなご葬儀の形です。宗教儀式を省略している分、費用や時間を最小限に抑えることができるというメリットがあります。ただし菩提寺がある場合は、必ずお寺の許可が必要になるなど注意点すべき点も少なくありません。
ちなみに「直葬(ちょくそう)」は火葬式の別名で、意味は同じです。
火葬式の流れ
さっそくですが、火葬式の一般的な流れについて準備段階から当日まで順を追ってご説明します。
【ご逝去から収骨までの流れ】
①ご逝去
ー事前準備ー
②葬儀社を決める
③搬送・安置
④葬儀の打ち合わせ
⑤納棺の儀
ー葬儀ー
⑥火葬式
⑦収骨
①ご逝去
病院でお亡くなりになられた場合も、ご自宅でお亡くなりになられた場合も、かかりつけ医が診断の上、持病に起因する死亡と確認された場合「死亡診断書」を発行してくれます。
死亡診断書の左側は「死亡届」になっていますので、必要事項を記入の上、7日以内に市区町村役場に提出します。提出は葬儀社が代行してくれることが多いので、葬儀社が決まったら担当スタッフに確認してみましょう。また死亡届はこの後も様々な場面で必要になるため、複数枚コピーをとって保管しておきましょう。
②葬儀社を決める
病院でお亡くなりになられた場合、ご遺体は一時的に病院の霊安室に安置されますが、それも2〜3時間程度のことです。その後は、葬儀までの間安置しておける場所にご遺体をお運びする必要があります。ご遺体の搬送は葬儀社が行いますので、ご逝去後の数時間の間に葬儀社を決めなくてはなりません。短時間で難しいとは思いますが、できれば複数の葬儀社を比較検討することをお勧めします。
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③搬送・安置
葬儀社が決まったら、次に決めるのは安置場所です。日本では「お亡くなりになられてから24時間は火葬してはいけない」と法律で定められているため、たとえ火葬式であっても最低1日は故人様をどこかに安置しておく必要があります。
安置場所は、ご自宅や斎場や葬儀社の管理する安置施設、民間の安置専門施設などを利用することができます。ご自宅での安置は、費用がかからないというメリットがあるものの、充分なスペースがあるか、搬入出が可能かなどの条件も合わせて確認する必要があります。
④葬儀の打ち合わせ
無事にご遺体の安置が完了したら、葬儀社と葬儀の打ち合わせを行います。打ち合わせでは葬儀の日程や会場などの詳細を決めていきます。火葬式を希望している場合はこの際に伝えるとよいでしょう。
⑤納棺の儀
納棺とは、火葬の前に故人様を棺に納める儀式のことをいいます。お身体を清める湯灌や、死化粧や死装束など棺にご遺体を納めるまでの様々な儀式を含めて納棺の儀といいます。ちなみに納棺の儀はご逝去から24時間が経過した後に行います。
火葬式においては、この納棺の儀が故人様と向き合うことのできる最後の時間になります。ぜひ、心残りのないよう存分にお別れをしてください。
⑥火葬式
納棺の儀を終えたら火葬場へ出棺し火葬式となります。
火葬式は以下のような流れで進みます。
・集合
指定の時刻に火葬場に集合します。
・お別れ(5~10分程度)
棺が運び込まれたら蓋を開け、故人様との最後のお別れをします。
故人様に触れ、副葬品やお花を棺に入れた後、蓋が閉められます。
・火葬
棺が火葬炉へ運ばれていくのを見届けたら、火葬が終わるまで控室にて待機します。
火葬の所要時間は火葬炉にもよっても異なりますが、概ね1時間〜2時間程度が一般的です。その間ご参列の方々は、控室でお待ちいただくことになり、場合によってはここで精進落とし(会食)の席が設けられます。
⑦収骨
火葬が終わったら、場内アナウンスで呼び出しがありますので、収骨室へ向かいます。収骨室では、二人一組になって箸を用いてお骨を骨壷に収めていくお骨あげ(おこつあげ)を行います。足のお骨から頭のお骨へと順番に拾い、最後に喪主が喉仏の骨を収めます。
収骨まで終えると火葬場から「埋葬許可証」が発行されます。この埋葬許可証はお墓へ納骨する際に必要になるため、大切に保管しておきましょう。
火葬式でも、僧侶が読経をすることはある?
ここまで、一般的な火葬式の流れをお伝えしてきましたが、火葬式でも以下のような場合、僧侶による読経が行われることがあります。その場合、短い時間にはなりますが、棺が火葬炉へと向かうタイミングで読経が行われ、参列者がお一人ずつ焼香を行い故人様を供養します。
【火葬式で読経をするケース】
・「せめて読経だけでもしてもらいたい」というご遺族様のご意向がある場合
・菩提寺があり、読経を条件として火葬式の許可を得た場合
特に菩提寺がある場合、宗教儀式を行わない火葬式では先祖代々のお墓に入ることができないなどのトラブルに発展してしまう可能性があるため、事前に菩提寺の許可を得る必要があります。その際に、お付き合いのある僧侶から「せめて読経だけでも」と言われることがあります。その場合は、僧侶のご意向を尊重し、読経を依頼するのがマナーです。
また菩提寺はないものの、ご遺族様の意向で読経だけはお願いしたいという場合には、僧侶を紹介してもらえるサービスがあるのでそちらを利用するとよいでしょう。ご希望される場合は葬儀社に相談してみましょう。
読経をお願いした場合のお布施について
どのような理由にせよ、読経をお願いした場合はお布施をお包みするのがマナーです。葬儀社などの紹介サービスを利用する場合は、事前に金額が明確に提示される場合も多いですが、そうでない場合、お布施としていくらお包みするのが適切なのかは迷われる方も多いと思います。実際お布施の金額には決まりはなく、お寺との関係性によっても相場は変わるため、直接お寺に確認することをお勧めします。
火葬式の費用
火葬式の費用相場は、10〜30万円といわれており、ご遺体の安置場所や安置期間、棺や骨壷等の葬送品のランク、会食を行うかどうかなどによっても変動します。また、火葬そのものにかかる費用も自治体によって様々ですが、住民票のある火葬場で火葬を執り行う場合には、比較的安く抑えることができます。
さらに前述した通り、火葬式でも僧侶に読経を依頼したり、戒名を授けてもらうことなども可能ですが、その場合は、僧侶にお渡しするお布施が必要になるため注意が必要です。
火葬式の注意点
最後に火葬式の注意点を3つお伝えしたいと思います。
心の準備ができない可能性も‥
火葬式は通常の葬儀に比べてお別れの時間が極端に短いため、「心の準備ができないまま火葬されてしまった」などの後悔につながってしまう可能性も考えられます。そうならないためにも事前に流れを把握し、納得の上で選択することをお勧めします。
葬儀後の弔問客が増える可能性も‥
また火葬式は身内のみで執り行われるため、一般葬に比べて、葬儀に参列できなかったご友人などが、葬儀後、ご自宅に弔問に訪れる機会が増える傾向にあります。葬儀後とはいえ納骨の準備や各種手続きなどで慌ただしい中での対応が必要になるため、あらかじめ心構えを持っておきましょう。
菩提寺とのトラブルに発展する可能性も‥
宗教儀式を省略した火葬式を取り行った場合、基本的にはお寺が管理するお墓には入ることができません。納骨先が無宗教のお墓であれば問題ありませんが、菩提寺があり先祖代々のお墓に納骨したいという場合は、事前に菩提寺の許可を得た上で行うようにしましょう。
火葬式はメリット・デメリットを把握した上で選択しましょう。
ここまで、火葬式の流れや費用、注意点についてお伝えしてきましたが、いかがでしたでしょうか。
火葬式は宗教儀式を省略している分、費用・時間・労力を最小限に抑えることができるというメリットがあります。しかしその反面、納骨の際にトラブルに発展する恐れもあります。そのようなトラブルを回避するために、最近は火葬式でも僧侶に読経だけはお願いするという折衷案も見受けられます。
火葬式のメリット・デメリットを踏まえた上でご自身に最適な葬儀のあり方を選択することが、後悔のないご葬儀につながります。葬儀に関するお悩みやご不安は、些細なことでもお気軽に私たち葬儀社にご相談ください。
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