家族葬
更新日:2026.09.28
家族葬とはどんな葬儀?参列者の範囲や費用、流れを解説

家族葬とは
遺族や親族、親しかった人など、限られた参列者で故人をお見送りする小規模な葬儀を「家族葬」といいます。
葬式の内容や流れは一般葬と大きく変わりませんが、一般葬が生前故人と関わりのあった知人や友人、会社の方々など大勢が集まるのに対し、家族葬は参列者を親しい方々に限定して行うのが特徴です。
家族葬の参列者の範囲
家族葬の参列者の範囲は、明確に決まっているわけではなく、どこまで声をかけるかは、ご遺族の考えや故人の交友関係を踏まえて決めることができます。一般的には、配偶者や子ども、両親、兄弟姉妹など近しい親族を中心に行うケースが多いです。
ただし、参列者を家族や親族だけに限定する必要はありません。故人と親しかった友人や知人、仕事関係の方などに声をかけることもできます。
家族葬の参列者の人数
家族葬の人数は、10名〜30名程度が多いです。
しかし、なかには同居のご家族のみが参列する5名程度の家族葬もあれば、親しいご友人などもお呼びした40名を超える家族葬もあります。大人数になると追加料金がかかったりすることもあるので、事前に葬儀社へ確認しておくと安心です。
家族葬が選ばれている理由
近年、親族や近所付き合い、職場との関係が薄くなり、葬儀に多くの人を呼ぶ必要性を感じる人が少なくなっています。また、高齢化により、遠方からの参列が難しいケースも増えています。こうした背景から、「家族や親しい人だけで落ち着いて故人を見送りたい」、「弔問客への対応よりも故人との時間を大切にしたい」と考える人が増え、家族葬が選ばれています。
2026年3月に実施した「第7回お葬式に関する全国調査(2026年)」によると、2,000件の回答のうち、約半数(47.0%)が家族葬を選んでいるという結果になっています。
家族葬の特徴
参列者を限定し、少人数で行う
家族葬は参列者が限られるため、比較的小規模な葬儀になります。誰に声をかけるかを遺族が決められるため、落ち着いて見送りやすいのが特徴です。
自由な形式
家族葬は、宗教儀式を行う場合もあれば、無宗教で献花や黙とうを中心に行う場合もあります。故人や遺族の希望に合わせて、柔軟に内容を決めやすいのが特徴です。
家族葬のメリット
故人様を落ち着いて見送れる
参列者を限定することで、弔問客への対応に追われにくくなります。遺族が故人との最後の時間をゆっくり過ごしやすくなります。
遺族の負担が少ない
参列者が少ないため、受付やあいさつ、接待などの対応が少なくなり、遺族の体力的な負担を軽減しやすいです。
葬儀費用を抑えやすい
参列者の人数が少ないため、料理や返礼品、式場の規模にかかる費用を抑えやすい傾向があります。ただし、祭壇や式の内容によっては費用が変わるので注意が必要です。
家族葬のデメリット
自己負担が増える可能性がある
家族葬は参列者が少ないため、香典も少なくなります。そのため、葬儀費用に対する遺族の自己負担が増える場合があります。
呼ばれなかった人とのトラブル
家族葬は参列者を限定するため、葬儀後に訃報を知った人から「参列したかった」と言われることがあります。親族や知人との関係性によっては、事前・事後の伝え方に配慮が必要です。
費用が安いとは限らない
家族葬は費用を抑えやすい一方で、祭壇や会場、料理、返礼品など内容によっては費用が変わります。希望する内容によっては、一般葬と大きく変わらない場合もあるので注意が必要です。
家族葬の注意点
参列者の範囲を慎重に決める
家族葬では、親族や故人と親しかった人をどこまで呼ぶかを曖昧にすると、後にトラブルになる可能性があります。誰に参列してもらうかを事前に決めておくことが大切です。
信頼できる葬儀社に依頼する
家族葬の準備や手続き、式の進行には専門的な対応が必要です。事前に相談した際に、費用やプラン内容を丁寧に説明してくれる葬儀社を選ぶことで、安心して葬儀を進めやすくなります。
家族葬の費用相場と内訳
家族葬の費用は、105万円程度が目安です。
家族葬の費用内訳は、葬儀の基本料金(葬儀一式費用)約70万円、飲食接待費(返礼品や香典返し)約25万円、宗教者への謝礼(お布施)約10万円です。地域や参列者の人数、宗教の有無などによって大幅に前後します。
2026年3月に実施した「第7回お葬式に関する全国調査(2026年)」によると、2,000件の回答のうち、家族葬の費用は平均96.39万円となっています。
費用に含まれる項目は葬儀社やプランによって異なるため、見積もりの際に確認することが大切です。また、葬祭費等の補助金を活用することで、5万円程度を抑えることも可能です。
家族葬の基本料金(葬儀一式費用)
家族葬の基本料金は、「葬儀用具費用」と「サービス費用」に分けられます。
葬儀用具費用には、祭壇、搬送(霊柩車)、遺影、棺、ドライアイス、供物、供花などが含まれます。サービス費用には、式場利用料、会場設営、葬式の進行などが含まれます。
家族葬の流れ
家族葬では、1日目に納棺と通夜を行い、2日目に葬儀・告別式(葬式)、出棺、火葬を行います。一日葬や直葬を選ばない限り、家族葬であっても基本的な流れは一般葬と大きく変わりません。
故人が亡くなったら、葬儀社に連絡し、ご遺体の安置場所を決めます。病院や施設では長時間遺体を安置できないことも多いため、自宅や葬儀社の安置室、民間の安置施設などへ搬送する必要があります。法律により死亡後24時間が経過するまでは火葬できないため、それまでの間は遺体を適切な場所に安置します。
安置後は葬儀社と打ち合わせを行い、葬儀の日程や式場、参列者の範囲、宗教者の有無、通夜や告別式の内容などを決めます。内容が決まったら、参列してもらう人に日時と場所を案内します。
家族葬と言われたら
知人がお亡くなりになり、家族葬を執り行うと聞いた場合、「葬儀に参列してもよいのだろうか」と迷う方もいるかもしれません。家族葬は、ご遺族が参列者の範囲を決め、参列してほしい方へ事前に連絡をします。ご遺族から参列の案内を受けていない場合は、原則として参列を控えるのがマナーです。
また、親族であっても必ず参列できるとは限りません。故人様との関係性だけで判断せず、ご遺族からの案内を確認することが大切です。
参列の判断基準
家族葬は、ご遺族から参列の案内があった場合に参列するのが基本です。訃報に葬儀の日時や会場などが記載されている場合は、参列を案内されていると考えられます。一方、「近親者のみで執り行います」といった記載がある場合は、ご遺族の意向を尊重して参列を控えましょう。
故人様との最後のお別れをしたいという気持ちがあっても、ご遺族は近しい方だけで静かに見送りたい、葬儀当日の対応をできるだけ少なくしたいといった考えから家族葬を選んでいる場合があります。そのため、案内を受けていない状態で参列を申し出ると、ご遺族に気を遣わせてしまう可能性があります。
家族葬の香典
家族葬で香典を持参すべきかはケースによって異なります。
「香典辞退」の申し出がある場合は持参しない
一般葬では香典は持参するのが当たり前とされていますが、家族葬の場合は香典を辞退されるご遺族も多いです。訃報に「香典辞退」などの記載がある場合は、ご遺族の意思を尊重し、持参しないのがマナーです。
香典辞退でよく使われる文言は下記のとおりです。
・弔問 香典 供物 弔電に関しましても故人の遺志により固く辞退申し上げます。
・内々での葬儀になりますので、ご厚志は辞退申し上げます。
明確に香典と書かれている場合もあれば、「ご厚志」とまとめて書かれている場合もあるので注意しましょう。
家族葬でご遺族が香典を辞退するのには、「ご遺族が香典返しの手間を省きたい」などの理由が考えられます。家族葬を選択されたご遺族のお気持ちを尊重し、辞退の申し出に従うのがマナーです。
香典辞退が明確ではない場合
香典辞退が明確ではない場合は、一応持参しておけば当日どちらになっても対応することができるので安心です。場合によっては、当日の会場受付に辞退の案内が貼りだされていることもあります。辞退のご意向が確認できたら香典はそっと鞄にしまって持ち帰りましょう。
親族は持参する場合もある
香典を辞退している家族葬であっても、親族からの香典は受け取る場合があります。その場合は、受付でお渡しするのではなく、喪主に直接お渡しするのがマナーです。
香典の金額相場
香典辞退のご意向がない場合は、香典を持参します。持参する香典額は、家族葬でも一般葬でも違いはありません。
| お亡くなりになった方 | 香典額の相場 |
| ご両親 | 5~10万円 |
| 兄弟姉妹 | 3~5万円 |
| 配偶者のご両親 | 3~5万円 |
| 祖父母 | 1~3万円 |
| 叔父 叔母 姪 甥 | 1~3万円 |
香典のマナー
・香典を包む際は新札を用いないのがマナーです。
・金額の表記は下記のように「大字(だいじ)」を用います。
・宗教や宗派に応じた表書きを記載しましょう。
仏教:御霊前・御仏前
キリスト教:御花料
神道:御神前・御玉串料
※わからない場合はどの宗教でも通用する「御霊前」とするのが無難です
・名前はフルネームまたは〇〇一同など、適宜外袋の水引の下部分に記載します。中袋の裏面左側にも住所と氏名を記載します。
弔意の伝え方
家族葬は香典以外にも供物や供花、弔電をお送りしたりと、さまざまな弔意の伝え方があります。ご遺族の希望を尊重し、負担にならない形で気持ちを伝えることが大切です。
ただし、供花や供物は香典同様に辞退されるご遺族も多く、「ご厚志を辞退する」と伝えられた場合は、香典・供花・供物・弔電のすべてを辞退することと同義なので注意が必要です。辞退のご意向がない場合は、事前にご遺族にお送りしてよいかを確認した上でお送りしましょう。
供花をお送りする
供花は宗教・宗派に見合ったものをお送りするのがマナーです。フラワーアレンジメントやフラワースタンドなど種類があるため、ご予算に合わせて選びましょう。
ただし、ご葬儀当日にお送りする場合は会場の広さや故人様の宗教・宗派、他のお花との兼ね合いなどがあるため、直接葬儀を取り仕切る葬儀社に相談の上お送りしましょう。特に家族葬の場合は会場が小さいケースが多く、大きめのスタンド花などはそぐわない場合もあります。供花をお送りする際の金額相場は、5,000円〜15,000円といわれています。
最近は、いつでも好きなタイミングで好きなお花と交換していただけるお花のギフト券をお送りする方も増えてきています。
供物をお送りする
供物をお送りする場合は、お菓子や果物、線香・蝋燭などの品物をお送りするのが一般的です。お菓子や線香・蝋燭であれば3,000円〜5,000円、果物であれば籠盛りで5,000円〜15,000円が相場といわれています。
お通夜・葬儀での供物には、水引が黒白で結び切りの掛け紙を選び、「御供物」「御霊前」など宗派に合わせた表書きを薄墨で記載します。
弔電をお送りする
供物や供花も辞退されている場合は、弔電を送るという方法があります。弔電はお返しも不要なので、ご遺族の負担になることも少ないです。ただし、「ご厚志辞退」と書かれている場合は弔電辞退も含まれるので、送るのを控えましょう。
弔電をお送りする際は喪主宛で、葬儀が執り行われる会場にお送りします。できれば葬儀社に弔電を送る旨を連絡し受け取ってもらえるか確認しておくと安心です。その上で余裕を持ってお送りするのがマナーです。一般的に弔電が読み上げられるのは告別式になるので、お通夜の日までに届いていれば安心ですが、遅くとも告別式の始まる3時間前には届くようにしましょう。
家族葬の参列者のマナー
家族葬の服装
家族葬の服装は、一般的な葬儀と同じように喪服を着用するのが基本です。男性は黒のスーツに白いシャツ、黒いネクタイ、黒い靴を合わせます。女性は黒のワンピースやスーツ、アンサンブルなどを選び、アクセサリーは控えめにします。
ただし、遺族から「平服でお越しください」と案内があった場合は、略喪服や落ち着いた色の服装でも問題ありません。その場合でも、派手な色や光沢のある素材、カジュアルすぎる服装は避けるのがマナーです。
家族葬の香典
家族葬でも、香典を持参するのが一般的です。ただし、遺族から「香典辞退」の案内があった場合は、無理に渡さず、その意向に従います。
香典の金額は、故人との関係性によって異なります。親族であれば1万円〜5万円程度、友人や知人であれば5,000円〜1万円程度が目安です。香典袋は宗教や宗派に合わせて選び、表書きや名前を記入して持参します。家族葬では参列者が限られているため、遺族の負担にならないよう、案内内容をよく確認することが大切です。
参考記事:香典の金額相場は?香典袋の書き方・包み方・渡し方のマナーを解説
家族葬はマナーを守って失礼のないように
家族葬には一般葬と異なるマナーもあり、知らずに良かれと思ってとった行動が、実はご家族を困らせてしまったなどということもあり得ます。家族葬に初めて参列される方は事前に基本を押さえておくと安心です。
家族葬に関するよくある質問
家族葬に呼ばなかった人にはどう伝える?
家族葬に呼ばなかった人には、葬儀後に訃報と葬儀を近親者のみで済ませたことを伝えるのが一般的です。伝える際は、故人や遺族の意向により家族葬で執り行ったこと、参列を遠慮してもらったことへのお詫び、これまでの厚情への感謝を添えると丁寧です。
家族葬で通夜は行う?
家族葬でも、通夜を行うことは一般的です。家族葬は参列者を限定する葬儀の形式であり、通夜、葬儀・告別式、火葬という基本的な流れは一般葬と大きく変わりません。ただし、通夜を行わず葬儀・告別式と火葬だけを行う「1日葬」や、通夜・告別式を行わず火葬のみで見送る「火葬式」を選ぶ場合もあります。家族葬で通夜を行うかどうかは、故人や遺族の希望、参列者の都合、費用などを踏まえて決めます。
家族葬の葬儀社を選ぶポイント
葬儀社を選ぶ際は、費用だけでなく、信頼できる葬儀社であるか、希望に合うプランや式場があるかを確認することが大切です。
まら、式場は参列人数に合った広さで、家族が落ち着いて過ごせる場所を選ぶと安心です。控室や安置室、火葬場までの距離、駐車場の有無も確認しておくと良いでしょう。さらに、追加費用が発生する可能性についても確認しておくと安心です。祭壇や棺、返礼品、飲食、搬送費などは、プランに含まれている場合と別料金になる場合があります。そのため、見積もりを受け取った際は、どこまでが基本料金に含まれているのか、追加で費用がかかる項目はないか、内訳をしっかり確認しておくことが重要です。
不明点がある場合はそのままにせず、担当者に質問し、丁寧に説明してくれるかどうかも判断材料になります。大切な人を落ち着いて見送るためにも、費用の安さだけで選ぶのではなく、対応の誠実さや希望への寄り添い方を含めて、安心して任せられる葬儀社を選ぶことが大切です。
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