葬儀・家族葬コラム

家族葬

2025.04.30

お墓の継承者や供養方法をめぐる親族トラブルの事例と対策

最近は、墓石のない樹木葬や、海などへ遺骨を撒く散骨など、葬儀後の供養方法やお墓のあり方も多様化しています。その分、お墓に対する価値観の違いなどから、親族トラブルに発展してしまうケースも少なくありません。それだけでなく、「お墓の継承者を誰が担うか」「お墓の維持管理や改葬にかかる費用を誰が払うか」など、お墓や供養方法をめぐるトラブルはどのご家庭にも起こり得ることです。

そこで今回は、お墓や供養方法をめぐるトラブル事例その対策をご紹介したいと思います。葬儀が無事終わり、納骨を控えているご遺族や、墓じまいを検討しているご遺族などは、ぜひ参考にしてください。

「誰がお墓を継承するか」をめぐるトラブル

誰がお墓を継承するかで揉めてしまうことは、よくある親族トラブルの一つです。具体的には、以下のようなケースが考えられます。

長男が何らかの事情でお墓を継承できない

お墓を誰が継承するのかについては、特に決まりはありませんが、遺言や生前に祭忌責任者が決められている場合は、その方が継承することになります。もし、決められていない場合は、慣例として長男が継承することが多いですが、長男が遠方に住んでいるなどの理由から継承が難しい場合には、誰が継承するかでトラブルになってしまうことがあります。

対応策

お墓の維持管理を複数名で分担することを検討しましょう。たとえば、遠方に住んでいる長男が費用負担を担って、近場に住んでいる次男や長女が定期的なお墓参りをするなど、そのご家庭ごとにベストな役割分担を話し合って決めることが大切です。 

お墓の継承者が未成年の場合

長男が未成年で、まだお墓を継承できる状態ではない場合、誰が継承するかで親族間の揉め事に発展してしまう可能性があります。

対応策

継承者が未成年の場合は、そのほかの親族から代理の継承者をひとまず選出することになります。その場合、代理継承者だけに負担がいってしまわないように、親族間で費用分担についてもよく話し合っておきましょう。また、代理継承者から本来の継承者である長男にお墓の継承を引き継ぐタイミングについてもあわせて決めておくと、後々のトラブル防止につながります。 

「継承してほしい/したくない」をめぐる対立

お墓を継いでほしい親や親族と、継承したくない子どもとで、考え方の違いから揉め事に発展してしまうケースもあります。

対応策

まずは、ご家族・ご親族でよく話し合うことです。たとえば継承を拒む理由として、費用面が懸案となっているのであれば、お墓の維持管理費用として、先々の分まで一括で準備しておくなどの対応策を取ることで納得を得られるかもしれません。

また、お墓が遠方にあり、将来実家に戻る予定がないためお墓参りができないという理由で継承を拒んでいるのであれば永代供養を検討するなど、最適な対応策を家族や親族全員で考えていくことが大切です。  

費用面の負担に関するトラブル

お墓には維持管理費やメンテナンス費用がかかります。そのような費用は長年にわたって発生するため、長い目で見れば負担も大きくなってしまいます。

特にトラブルに発展しやすいケースとして、具体的には、以下のようなことが考えられます。

維持費の負担を一人の親族が担っている

お墓を維持していくには、年間の維持管理費やメンテナンス費用に加え、寺院墓地の場合は、お布施や寄付金などが必要になります。そうした費用を一人の親族が支払っている場合、不満が溜まってトラブルに発展してしまうケースがあります。

対応策

お墓の維持管理費は、基本的には墓地の名義人である祭忌承継者が行いますが、経済的な事情などから、負担を分担することも可能です。分担する場合は、将来そのお墓に入る人同士で出し合うようにしましょう。 

単純に費用を折半するだけでなく、維持管理費は遠方の親族が支払い、定期的なお参りは近場の親族が担うというように、状況に併せて役割分担をすることが大切です。 

費用の負担割合に対する不平不満

すでに複数の親族でお墓の維持管理費を出し合っている場合、負担割合やお金の使い道の透明性について不満が出ることがあります。

対応策

複数人で分担してお墓を管理している場合は、定期的な報告をすることで不信感を抱かれずにすみます。実際に時間を作るのが難しければ、最近は、インターネット上でファイルを共有できるサービスもたくさんあるので、毎月「何に」「いくら」支払ったかをクラウド上で共有しておくなどして、ネットにアクセスさえすれば、誰でも使途がわかるようにしておくとよいでしょう。 

墓じまいの費用負担で揉める

墓じまいの費用相場は、30万円〜300万円ともいわれています。費用に幅があるのは、お墓の大きさや立地、改葬先によって解体などにかかる費用に差があることや、場合によっては檀家をやめる際に支払う離壇料が必要になるなど、個別の状況によって違いがあるためです。

そのため、ひとことで墓じまいといっても、解体・撤去・併願供養に加えて、新しい納骨先にかかる費用などで意外とお金がかかってしまうのが現状です。

墓じまいの費用を親族で折半することを決めていたとしても、思いのほか高額な費用に、親族から「こんな額は支払えない」と揉め事に発展してしまうことがあります。

対応策

このようなことを予防するためにも、概算でもいいので墓じまいにかかる費用を算出して事前に親族に相談しておきましょう。その際は、たとえば墓石の解体にいくら、併願供養にいくら、というような内訳も含めて提示することが重要です。 

供養方法をめぐるトラブル

昨今は、樹木葬や散骨など供養方法も多様化してきています。お墓の継承者不足などで、墓じまいを検討するケースも増える中、供養方法をめぐるトラブルも増えています。

勝手に「墓じまい」をしてしまった

供養方法をめぐる親族トラブルの中でも最も多いのが、墓じまいをめぐるトラブルです。お墓の管理をしている人が、親族に相談せずに墓じまいをしてしまい、ある日、親族が墓参りに行った時にはじめてお墓がないことに気がつき、「お墓をどこにやった?」などと、揉め事に発展してしまうケースがあります。

対応策

墓じまいは独断で決めずに家族や親族ともよく話し合って決めるようにしましょう。墓じまいに同意を得られたら、新たな納骨先をどこにするかも合わせて話し合っておくとよいでしょう。 

お墓に対する価値観の違いによるトラブル

墓じまいをして永代供養墓に改葬する場合、「墓石がないお墓なんてお墓じゃない」などと、永代供養を認めない親族が出てくることがあります。

予防策

事前に永代供養についてきちんと説明をすることで納得してもらうことが第一です。永代供養とは、霊園や寺院がご遺族に代わって遺骨の管理・供養を行なってくれるもので、決して先祖に対して失礼に当たるものではありません。  

お墓や供養をめぐるトラブルを知って、対策をしておこう

葬儀やその後の納骨は、親族が一丸となって進めていく大切な儀式の一つです。だからこそ、価値観や考え方の違いなどから揉め事がうまれやすくもあります。お墓の維持管理のこと、永代供養のことなど、起こり得る問題を事前に把握しておくことは、トラブルを未然に防ぐことにもつながります。これから納骨を控えているご遺族や、墓じまいを検討しているご遺族にとって、このコラムが少しでも参考になればうれしいです。

青木 満

1級葬祭ディレクター

青木 満 (アオキ ミツル)

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