葬儀・家族葬コラム

家族葬

2024.12.19

【終活を始めるシリーズ】終活の財産管理はこうする!リスト化の方法や注意点を解説

「いざ終活をはじめようと思っても、何からはじめればいいのかわからない。」

そう思っている方は少なくありません。

このコラムでは、これから終活をはじめたいと考えている方に向けて、終活でやること行う手順気をつけたいことなどを全10回にわたってお伝えしていきます。

第3回となる今回は、終活で行うべき財産・資産管理についてお伝えします。そもそも承継財産や資産にはどのようなものがあるのか具体的な財産管理の仕方生前にしておくべき財産管理のポイントなどを解説しますので、ぜひ参考にしてください。

相続財産・資産を把握しておこう

自分が亡くなった後に、相続される財産や資産がどのくらいあるかを把握しておくことは、終活において大切なことです。

まずは、ご自身の死後、相続人に相続される財産や資産にはどのようなものがあるかを知っておきましょう。相続の対象にならない(相続税がかからない)財産・資産についてもあわせてお伝えします。

【相続財産・資産の種類】

ープラスの財産ー

  • 現金
  • 預貯金
  • 被相続人が受取人になっている生命保険
  • 年金
  • 有価証券(株式・債券・手形・小切手)
  • 不動産(土地や家屋)
  • 不動産上の権利(借地権、借家権、抵当権など)
  • 一般動産(貴金属、車、美術品や骨董品など)
  • 損害賠償請求権
  • 知的財産権(著作権など)

ーマイナスの財産ー

  • 借金
  • 買掛金(商品などの対価として将来的に支払う予定の債務)
  • 保証債務(保証人になったときに負う債務)
  • 地代や家賃などの支払い債務

【相続の対象とならない財産・資産】

  • 祭祀財産(墓地、仏壇、仏具、神棚、位牌など)
  • 香典や弔慰金などの贈与品
  • 被相続人の写真や手紙などの経済的価値のないもの
  • 権利義務(年金請求権、生活保護請求権、扶養請求権、扶養義務など)
  • その他(使用貸借権、代理権、国家資格、身元保証人の地位、労働者の地位、親権など)

ちなみに財産を承継する方法としては、生前であれば「贈与」、死後であれば「相続」となります。贈与も相続も承継する財産が一定の限度額を超えた場合には、贈与税/相続税がかかります。このことについては相続及び相続税の章で詳しくお伝えします。

終活の財産管理は何をすればいいの?

次に、終活でしておくべき財産・資産の管理方法についてお伝えします。

1. まずは今ある財産・資産のリストを作ろう

ご自身の資産をプラスもマイナスも含めて、まずはリストアップしてみましょう。

そうすることで、どのような資産が、どれくらいあるかが見えてきます。

2. 財産は、用途別に分けておくとわかりやすい

「生きているうちに使うお金」「旅立ちに必要なお金」「家族に遺すためのお金」のように預金口座を分けておくと資産管理がしやすくなります。

1. 生きているうちに使うお金:残りの人生のための資金 

2. 旅立ちに必要なお金:入院や介護施設への入居などに使うための資金 

3. 家族に遺すためのお金:相続財産になる資金 

3. 預金整理をして、不要な口座は解約しておこう

リストアップしてみると、「銀行口座がいくつもあってわかりにくい」などの問題点が見えてくるかもしれません。

今の時代、通帳が手元に残らないネットバンクを利用している人も多いと思いますが、ネット上の預貯金はデジタル遺品となり、自分の死後発見されにくいという問題があります。そのためログインIDやパスワードをエンディングノートに共有しておくことも大切ですが、利用頻度が少ない口座等はネットバンクに限らず、解約することも検討し、なるべく手元に残す預貯金口座を少なくしましょう

また、定期預金をお持ちの場合は、いざ入院などで大きなお金が必要になった時に、本人が窓口に行かないと引き出せない可能性も考えられます。もし不都合がなければこちらも解約して普通預金に移しておいてもよいかもしれません。

口座の解約は本人が行うのが最もスムーズです。亡くなった後にご家族が行おうとすると、書類の準備にかなりの手間と時間がかかってしまうため、ご家族の負担軽減のためにも、ご自身で生前に整理しておくことをおすすめします。

【口座の解約方法】 

銀行などの口座の解約は直接窓口で行うことができます。本人確認書類と届印・キャッシュカード・通帳を持っていきましょう。 

またネットバンクの場合は、マイページにログインして解約手続きをする方法が一般的です。普通預金口座以外に定期預金や外貨預金、投資信託などがある場合は手続きが少し複雑になるので注意しましょう。詳しくはネットバンクの「よくある質問」などから解約手続きを確認し、それでもわからない場合はカスタマーセンターに問い合わせてみましょう。 

※持ち物等は、各金融機関によっても異なるため事前に確認してから行くことをおすすめします。

4. 有価証券は、家族が換金しやすいよう預貯金にしておくことも検討しよう

有価証券の解約は、原則として本人以外は認められていません。

もし、ご自身の資産の中で、有価証券の割合が多かった場合は、いざというときに家族が換金しやすいよう預貯金にかえておくのも一つの方法です。

有価証券の解約方法は、証券の種類や金融機関によっても異なるため、解約を検討される場合は、各金融機関に問い合わせてみましょう。

5. 保険の見直しをしておこう

自分が加入している保険の保障内容を確認し、現在の自分のライフスタイルに見合っているかを確認しましょう。その上で不要な保険は解約したり、反対に不足している部分を補える保険に加入することも検討するとよいでしょう。

6. 不動産の「売却」や「生前贈与」も検討しておこう

不動産は、お金のように分割することができない分、相続の際に争いの元になりやすい資産です。そのため複数の相続人がいる場合、事前に売却してお金に変えることによって分配しやすくなります。またそうすることで、維持管理や固定資産税の負担もなくなるというメリットがあります。

また、生きているうちに無償で贈与をする生前贈与という選択肢もあります。生前贈与の場合、相続税はかかりませんが贈与税がかかります。生前贈与をするかどうかは、贈与税と相続税の、どちらが安いかを事前に司法書士などに相談して、比較検討の上、決めることをおすすめします。

7. 車などの一般動産も、不要なものは処分を検討しよう

終活に際して、車の売却や自動車免許の返納を考える人も多いです。自分が亡くなったら遺されたご家族が、遺品の数々を整理することになるので、不要なものはなるべく処分をしておいた方がよいでしょう。特に車は、維持費が不要になる分、節約にもつながります。また免許を返納することで公共交通機関の割引や、老後に必要となる生活用品(メガネや補聴器など)の割引が受けられるなどのメリットもあります。

また、もし美術品や骨董品を処分しようとお考えの場合は、思わぬ価値があるかもしれないので、一度専門家に見てもらうことをおすすめします。

8. 整理した情報は、エンディングノートに記録しておこう

整理した預貯金口座などの資産情報は、エンディングノートにリスト化しておきましょう。また、この情報は変更があれば、随時更新していくことも大切です。

リスト化する上での項目は、下記を参考にしてください。

【リストに記載しておきたいこと】

資産・財産記載しておきたい項目備考
預貯金口座銀行名・口座番号・名義人・普通/当座・使用目的(公共料金引き落とし用/給与振込用/クレジットカード支払い用など)
有価証券金融機関・商品名/銘柄・口座番号・連絡先など
保険保険会社・保険の種類・契約者など
年金年金の種類・手続きの連絡先
所有している不動産所在地・地番/家屋番号・共有名義人及び持分・現在の状況など※登記簿証明書を見ながら記入しましょう
賃貸に出している不動産所在地・地番/家屋番号・契約期間・契約書の有無や保管場所・借主の名前/住所/連絡先など
借入金・ローン借入先・金額・返済方法
自動車や貴金属など内容・保管場所など

終活の財産管理は誰に相談する?

最後に、終活の財産管理で相談したいことが出てきた場合の相談先についてお伝えします。

終活をしていくにあたって、家計の見直しや資産運用の必要性が見えてきた場合は、ファイナンシャルプランナーに相談するのがよいでしょう。資産運用やローンの借り換えなどの相談なら、銀行の窓口でも行うことができます。また、保険の見直しをしたい場合は、保険会社や保険の窓口など、不動産の贈与についての相談は司法書士や行政書士に相談しましょう。

また、もし「終活をしたいけど、何から始めていいかわからない」、「誰かに相談しながら進めたい」といった場合には、葬儀社の事前相談を活用するのもおすすめです。葬儀のことはもちろん、お墓やエンディングノートの書き方など、終活に関する不安や疑問についても、専門の相談員が丁寧に教えてくれます。

廣瀬 里恵

1級葬祭ディレクター

廣瀬 里恵 (ヒロセ サトエ)

大切な方との最後の思い出にふさわしいサービスを提供いたします。

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