お葬式のマナー
2024.05.24
【シーン別】香典の包み方と渡し方|宗教ごとのお悔やみの言葉も解説
葬儀や法事の際に持参する香典は、いざ参列する段になってはじめて「包み方や渡し方はどうすればいいの?」となってしまいがちですよね。
今回は、香典の表書きの書き方やお札の向きはどうすればよいのか、香典を渡すタイミングや正しい渡し方など、つい忘れてしまいがちな「香典マナー」について詳しく解説します。
宗教によって変わるお悔やみの言葉や伝える際の注意点なども解説しますので、これから葬儀・法要に参列するご予定のある方は、ぜひ参考にしてください。
また、香典額の相場が気になる方は、こちらの記事もあわせてチェックしてください。
香典の包み方
まず最初に、不祝儀袋(香典袋)の選び方や書き方、包み方のマナーを解説します。
不祝儀袋(香典袋)の選び方のマナー
不祝儀袋(香典袋)は、故人様の宗旨宗派にあったものを選びます。
各宗旨宗派別の不祝儀袋と水引の種類は、以下の表を参考にしてください。
宗教 | 表書き | 香典袋の柄 | 水引 |
仏教 | 【浄土真宗以外】 御霊前 御香典 御香料 【浄土真宗】 御仏前 御佛前 | 白無地 または 蓮の絵柄 | 黒白 または 双眼の結び切り |
神道 | 御玉串料 御神前 御榊料 | 白無地 | 黒白 または 双眼の結び切り |
キリスト教 (カトリック) | 御花料 献花料 御ミサ料 御霊前 | 無地 または 十字架が描かれたもの | なし |
キリスト教 (プロテスタント) | 御花料 献花料 忌慰料 | 無地 または 十字架が描かれたもの | なし |
無宗教 または 不明 | 御霊前 御香料 御香典 | 白無地 | 黒白 |
|ポイント|
- 表書きの「御仏前」は本来、故人様が仏になられた後、すなわち四十九日法要後に用いられるものですが、浄土真宗の場合はお亡くなりになられてすぐに仏になられる(=往生即成仏)という考え方のため、葬儀の香典の表書きにも「御仏前」または「御佛前」を用いるのがマナーです。
- 故人様の宗教がわからない場合は、「御霊前」を用いるのが無難ですが、浄土真宗やプロテスタントでは御霊前を用いないため万能ではありません。仏教であることは明らかでも、浄土真宗であるかは不明という場合には「御香典」「御香料」を用いてもよいでしょう。
- 不祝儀袋は、中にお包みする金額に応じてふさわしいものを選びます。たとえば5千円程度の金額であれば水引がプリントされたものを選び、1万円以上であれば印刷ではなく実際に水引がついているものを選びます。双銀の水引はさらに格式が高く、3〜5万円もしくは5万円以上をお包みする場合に用います。
不祝儀袋(香典袋)の書き方のマナー
不祝儀袋は外袋と中袋の2つがセットになっているのが一般的です。外袋には、「御霊前」などの表書きと氏名、中袋には金額と住所・氏名を記載します。
不祝儀袋を記入する際の注意点ですが、葬儀〜四十九日法要までは、必ず「薄墨」を用いることです。コンビニなどで弔事用の薄墨の筆ペンが購入できるので、手元にない場合はそちらを購入しましょう。この薄墨には「悲しみの涙で墨がにじんでしまった」という意味が込められています。ただし金額などを記入する中袋は、わかりやすさを重視するためサインペンやボールペンを用いても問題ありません。
【外袋の書き方】
外袋の上部中央に、故人様の宗旨宗派に合わせた表書きを書き、その下にご自身の氏名をフルネームで書きます。
連名でお包みする場合は3名まで記載できます。その場合、目上の人が一番右に来るように記載するのがマナーです。ただし特に立場の差がない場合は50音順で記載します。また4名以上の連名の場合は、代表者の名前を記載し「外一同」とするか、「〇〇一同」「〇〇会社有志」のような表記にし、中袋に全員の名前・住所・金額を記載した紙を入れておきます。
ちなみに夫婦連名の場合は右側に夫のフルネーム、左側に妻の名前のみを書く慣習となっています。
【中袋の書き方】
基本的には中袋の裏面に金額・住所・氏名を記載します。数字は「壱・弐・参」のような大字(だいじ)を用いるのがマナーです。また金額を書く際は「金」という文字を頭に添えます。
例)金 壱萬圓
記載する位置ですが、金額を右側の上下いずれかに記載し、左下に住所・氏名を記載します。
ただ最近は、ご遺族にわかりやすいよう表側に金額を書く方もいらっしゃいます。その場合は表面の中央に大きく「金 壱萬圓 」と記載します。また、市販の中袋はすでに金額記載欄が設けられていることもあります。その場合はその枠内に書くようにしましょう。
|ポイント|
- 旧姓でお名前を記載しないと相手にわからない場合は、氏名の後に小さく(旧姓〇〇)とします。
【中袋がない場合の不祝儀袋の書き方】
市販の不祝儀袋の中には、封筒タイプになっていて中袋のないものもあります。その場合は、表側に表書き、裏側に金額・住所・氏名を記載しましょう。
お札の種類・向き・入れ方のマナー
✔︎新札は用いない
香典袋に入れるお札は古札を用いるのがマナーです。人に差し上げるものだからといって新札をわざわざ用意する必要はありません。香典に新札を用いることで、まるで亡くなるのを待っていたかのように受け取られてしまう可能性があるためです。
✔︎お札はそろえて入れる
お札が複数ある場合は、お札の向きをそろえて入れるのがマナーです。
✔︎肖像画を下向きに入れる
お札をそろえたら、肖像画が描かれている面を封筒の面に対して下向きに入れます。これには「故人の死を悼んで顔を伏せる」という意味が込められています。
不祝儀袋(香典袋)の折り方のマナー
不祝儀袋には、封筒タイプのものと、折りたたんで水引をかけるタイプのものがあります。折りたたみタイプの場合は、外袋の中央に中袋を置いたら、右・左・下・上の順に間隔が均等になるように折ります。
ふくさの包み方のマナー
香典袋を持ち歩く際には、ふくさ(袱紗)に入れるのがマナーです。
【ふくさの色】
ふくさの色は、弔事では寒色系(紫・緑・藍・灰・紺)を用いるのがマナーです。紫色のふくさは弔事/慶事問わず使えるため一つ持っていると重宝します。また、ふくさがない場合はグレーなどの地味な色のハンカチで代用もできます。
【ふくさの包み方】
ふくさには正方形の一枚布になっていて包んで使用するタイプ(台付ふくさ/爪付きふくさ)と香典袋を入れるポケットが設けられているタイプ(金封袱紗)があります。
●包むタイプのふくさ
一枚の布を包むタイプのふくさは、右→下→上→左の順に折って、左開きの状態で使います。(ハンカチの場合も同様です。)
留め具用の爪が付いたふくさの場合は、爪が左側に来るように広げて上記の順に折っていくと左開きになります。
●ポケットがあるタイプのふくさ
不祝儀袋がすっぽり入るポケットが設けられているふくさの場合は、左開きになる向きで不祝儀袋を入れます。
香典の渡し方
ここでは香典を渡すタイミングや渡し方、宗教やシーンに合わせたお悔やみの言葉についてお伝えします。
【シーン別】香典の渡し方
【葬儀会場で香典を渡す場合のマナー】
●渡すタイミング
葬儀場で葬儀が執り行われる場合は、受付があれば受付で香典をお渡しします。必ず受付を済ませた後にお渡しするようにしましょう。
●渡し方
自分の順番が来て芳名帳に名前を記帳したら、ふくさから香典を取り出し、ふくさを香典の下にしいて、相手から見て正面になるように両手でお渡しします。その際に、ただ渡すのではなく「このたびはご愁傷様です」など、故人様の宗旨宗派に合わせたお悔やみの言葉を添えるようにしましょう。
|ポイント|
- ご家族・ご親族が香典をお渡しする際のマナー
ご家族やご親族が香典をお渡しする場合は、お通夜や葬儀の前にお渡しするのがベストです。ご家族やご親族はご遺族側の立場となるため、早めに葬儀会場でお手伝いをすることもあるかと思います。慌ただしく準備をしている最中ですと、渡すタイミングを逃してしまいますので、できれば約束より少し早い時間に赴き、香典をお渡しするのがスムーズです。
また、その際のお悔やみの言葉は「ご苦労様です」になります。
【自宅葬で香典を渡す場合のマナー】
●渡すタイミング
葬儀場ではなく、ご自宅で葬儀が執り行われる自宅葬の場合は、受付が設けられていないことも多いため、ご遺族の手があいている隙を見計らって直接お渡しするか、御霊前にお供えするかどちらかになります。
●渡し方
直接お渡しする場合は、葬儀の時と同様に相手から見て正面になるようにし、お悔やみの言葉を添えてお渡ししましょう。お供えする場合は、香典が自分から見て正面になるようにお供えします。
【弔問時に香典を渡す場合のマナー】
●渡すタイミング
葬儀に参列できず、後日ご自宅へ弔問へ伺う場合は、玄関先で挨拶を交わし家に上がらせてもらい、仏壇の前で線香をあげた後にご遺族に直接お渡しするか、仏壇にお供えします。
●渡し方
直接お渡しする場合は、相手からみて正面になる向きで、お悔やみの言葉を添えてお渡ししましょう。また、仏壇にお供えする場合は、自分から見て正面になる向きでお供えします。
【法要で香典を渡す場合のマナー】
●渡すタイミング
法要の際も、葬儀の時と同様に受付でお渡しするのが一般的です。ただ、受付が設けられていないことも多いため、その場合は、法要がはじまる前のタイミングで施主にご挨拶をしてお渡しするか、法要前に御仏前にお供えするのがマナーです。
もし法要前にお渡しするタイミングを逃してしまった場合は、法要後の会食が終わった後にお渡ししてもよいでしょう。法要はスケジュールがよめず、渡すタイミングが難しいと思いますが、ご遺族が慌ただしくしている時間を避けてお渡しするよう心がけましょう。
●渡し方
受付でお渡しする場合は、葬儀会場でお渡しする時と同じようにお渡しします。添える言葉は「お招きいただきありがとうございます」「心ばかりですが仏前にお供えください」などを用いるとよいでしょう。「このたびはご愁傷様です」は、お亡くなりになってから月日が立っている法要の場では用いないので気をつけてください。
御仏前にお供えする場合は、自分から見て正面となる向きでお供えします。
【会社で香典を渡す場合のマナー】
同僚や上司の家族に不幸があった場合、会社で香典をお渡しすることもあると思います。その際は、個人的に行動するのは避け、社内で相談の上お渡しするようにしましょう。お渡しする際にはお悔やみの言葉を添えてお渡しします。
【郵送で香典をお送りする場合のマナー】
葬儀に参列できなかった場合、香典を郵送でお渡しすることもあるかと思います。その場合は現金書留で、お手紙を添えてお送りするのがマナーです。
【宗教別】お悔やみの言葉
葬儀の際にお伝えするお悔やみの言葉の中には、宗教によっては使うと失礼になってしまう言い回しがあります。そのため、葬儀に参列する際は、故人様の宗旨宗派を事前に確認しておくと安心です。
【よく使われるお悔やみの言葉】
このたびはご愁傷(しゅうしょう)さまです。
謹んでお悔やみ申し上げます。
一般的なお悔やみの言葉には、「ご愁傷様です」「お悔やみ申し上げます」などがあります。
また、「〇〇様のご冥福をお祈り申し上げます」というフレーズもよく耳にしますが、これはキリスト教や神道の葬儀では用いません。冥福の「冥」は仏教における死後の世界である「冥土」を表す仏教用語のため、仏教以外の宗教には相応しくないためです。同じように「成仏」「供養」「往生」なども仏教用語のため仏教以外の宗教では使用しないよう気をつけましょう。
また仏教の中でも浄土真宗は、死後すぐに成仏されると考えられているため、冥土での幸福を祈るという意味の言葉は適していません。そのため「ご冥福をお祈りします」は、浄土真宗の葬儀でも使わないよう気をつけましょう。
【キリスト教の葬儀で使える お悔やみの言葉】
「神さまの平安がありますように」
「天国で安らかにお眠りになられることをお祈りしています」
※キリスト教では、死は神に召されることを意味し、祝福すべきものと捉えられています。そのため、お亡くなりになって悲しいという気持ちはあるものの、「悔やまれる」という言い回しは適していません。
【神道の葬儀で使える お悔やみの言葉】
「御霊(みたま)のご平安をお祈り申し上げます」
「心より拝礼させていただきます」
※神道では、亡くなった方は守護神となりその家にとどまると考えられています。そのため、葬儀は亡くなった方の魂を祖先と共に祀る儀式でもあります。「お悔やみ申し上げます」などを用いてもよいですが、上記のようなフレーズの方がよりふさわしいとされています。
お悔やみの言葉で注意すること
お悔やみの言葉では、いくつか気をつけるべき注意点があります。
忌み言葉に気をつける
葬儀など弔事では避けた方がよい言葉があります。それを「忌み(いみ)言葉」といいます。代表的な忌み言葉は以下のような言葉です。
●繰り返す言葉
不幸が重なることを連想させるため避けられています。
ますます、たびたび、わざわざ、いろいろ、くれぐれも など
●死や別れを連想させる言葉
亡くなる、去る、消える、悲しむ、終える など
故人様の死因などを尋ねるのはマナー違反
葬儀の場でお悔やみの言葉をお伝えするときは、短い言葉で完結にお伝えしましょう。あまり長々とお話ししたり、故人様の死因について尋ねたりするのはマナー違反です。
故人を悼む気持ちが大切。マナーを守って気持ちをお伝えしましょう。
ここまで、葬儀や法要の際に持参する香典の包み方や渡し方のマナーについてお伝えしてきましたが、いかがでしたでしょうか。香典は、どのような場面でお渡しするかによって適切な渡し方があり、またその際に添えるお悔やみの言葉は、故人様の信仰していた宗教によっても異なります。
そして香典には、故人様を供養するお気持ちが込められていますので、そのお気持ちを気持ちよく受け取っていただくためにも、事前にマナーをチェックし、失礼のない立ち振る舞いができるよう心がけましょう。
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