葬儀・家族葬コラム

法事・法要

更新日:2026.09.18

後飾り祭壇とは?宗教別に飾り方や処分方法を解説

後飾り祭壇とは?宗教別の飾り方や処分方法を解説

後飾り祭壇とは、葬儀後に故人様のご遺骨を一時的に安置する祭壇のことです。

葬儀後、ご自宅に戻ってきた故人様のご遺骨や位牌を忌明けまでの間、ご自宅にお祀りする仮の祭壇のことを「後飾り祭壇」といいますが、「飾り方を知らない」「何を飾ればよいかわからない」という方も多いのではないでしょうか。

今回は、後飾り祭壇の準備の仕方から処分方法について解説します。後飾り祭壇の種類宗教・宗派による違いにも触れますので、ぜひご参考ください。

後飾り祭壇とは?

葬儀後、火葬を終えたご遺骨(骨壷)や白木位牌、遺影などをご自宅に祀り、故人の冥福を祈るために設置する仮の祭壇のことを「後飾り祭壇(あとかざりさいだん)」といいます。

後飾り祭壇は、「自宅飾り」や「中陰壇(ちゅういんだん)」とも呼ばれています。

後飾り祭壇は、忌明け(仏教なら四十九日法要・神道なら50日祭)を迎えるまでの間、故人を偲ぶためにご自宅に飾られ、弔問客が弔問する場所としても使われます。

後飾り祭壇はどこに飾る?

後飾り祭壇は、仏壇の前や横に設置することが一般的です。

仏壇がない場合は、部屋の西側または北側に設置することが推奨されていますが、方角よりもご遺族や弔問客が弔問しやすい場所であること、そして生活空間に調和する場所であることを優先して選ぶことが大切です。

後飾り祭壇を設置してはいけない場所

後飾り祭壇を設置する際、以下の場所は避けましょう。

  • 直射日光のあたる場所
  • トイレや流しなど水回りの近く
  • 神棚の下
  • 仏壇に背を向ける配置
  • 仏壇と向かい合わせの配置

特に高温多湿な環境ではご遺骨にカビが繁殖してしまう恐れがあるため、管理には注意が必要です。

【宗教別】後飾り祭壇の種類と飾り方

後飾り祭壇には、位牌や骨壷以外に、仏具や決められたお供え物を供えますが、飾るものや飾り方は、宗教や宗派によって違いがあります。

仏式の後飾り祭壇

日本では、多くの葬儀が仏教に基づいて執り行われます。

仏式の後飾り祭壇には、白木の2段祭壇または3段祭壇に白布がかけられたものを用いることが一般的です。ただし最近では、段ボールや紙製の祭壇に白布をかけたものを用いる場合もあります。

2段にするか3段にするかは、設置スペースの広さやご遺族の意向を考慮して決められます。いずれの場合も、お供え物は中段か下段の空いているスペースに飾ります。祭壇に乗り切らない場合は、後飾り祭壇の前に小さな机を設置し、そこに香炉などの仏具をおいても構いません。また、お供え物は床においても差し支えありません。

【2段の場合】

最上段:(左に)遺影・(中央に)白木位牌・(右に)骨壷
下段:(左に)花立て・(中央に)香炉・(右に)ロウソク立てやおりん

【3段の場合】

最上段:(左に)遺影・(右に)骨壷
中段:(中央に)白木位牌
下段:(左に)花立て・(中央に)香炉(右に)ロウソク立てやおりん

【仏式の後飾り祭壇のお供え物】

仏式の後飾り祭壇のお供え物は、炊き立てのご飯・水・お茶・焼き菓子・果物・生花などです。それ以外に、故人の好きだったものをお供えしてもよいでしょう。また、ご飯や水、お茶は毎日取り替え、腐敗しないよう気をつけましょう。

浄土真宗の後飾り祭壇

浄土真宗では、一段型の祭壇に、遺影・位牌・骨壷のみを飾ることが一般的です。仏壇に祀られている御本尊を重視するため、花立て、香炉、ロウソク立てなどの仏具や、ご飯・水・お茶などは後飾り祭壇ではなく仏壇に供えます。

仏式の中でも浄土真宗は、他の仏教の宗派と異なる飾り方をするため注意が必要です。

【浄土真宗の後飾り祭壇のお供え物】

浄土真宗では、ご飯・水・お茶は仏壇に供えるため、後飾り祭壇は、故人の好物をお供えする場合や、弔問客から頂いたお供え物がある場合に用いられることが多いです。

神式の後飾り祭壇

神道では八足の台(八脚台)に白布をかけたものを後飾り祭壇として使用します。最上段に遺影と骨壷、中段に故人の魂の依り代となる霊璽(れいじ)や榊の葉、下段に玉串やロウソク立てなどが配置されます。

【神式の後飾り祭壇のお供え物】

神式の後飾り祭壇のお供え物は、お供え物を載せる台(三方)に、塩、水、お酒、洗った米などを並べて配置します。そのため、塩や米を入れるお皿、水を入れる水玉、お酒を入れる徳利などの神具も必要になります。

キリスト教式の後飾り祭壇

キリスト教では、後飾り祭壇に特に決まったルールはなく、白布をかけた小さめのテーブルに、遺影・十字架・ロウソク立て・聖書・生花・お供え物などが置かれます。

キリスト教では、お供え物にも特に決まりはないため、好きなものを自由にお供えすることができます。

後飾り祭壇を飾っている間にすること

後飾り祭壇は、忌明けまでの間、故人を偲ぶために設置される一時的な祭壇です。

後飾り祭壇が祀られている間、ご遺族は、線香やロウソクを灯し、お供え物を供え、毎日手を合わせて供養することが理想とされています。特にお参りのルールはないため、日々の出来事を報告したり、ちょっとしたことを話したりするだけでもよいでしょう。

線香やロウソクには毎日火を灯し、ご飯や水も毎日お供えすることが理想です。お花はなるべく長持ちする花を選んでお供えしたり、焼き菓子など日持ちする食べ物をお供えしてもよいでしょう。

また、後飾り祭壇は、弔問客の弔問時にも使用されます。弔問客が訪れた場合はお礼を述べて迎え入れ、お菓子やお茶などを出してもてなしましょう。弔問客から頂いたお供え物は、後飾り祭壇にお供えします。

後飾り祭壇の処分方法

後飾り祭壇は、忌明け(仏教なら四十九日法要)を迎えた後に処分します。

葬儀社に回収してもらう

葬儀社が後飾り祭壇を準備した場合は、葬儀社が回収することがほとんどです。後飾り祭壇の設置や回収が葬儀プランに含まれているかを事前に確認しておきましょう。

仏具店に引き取ってもらう

仏具店によっては、後飾り祭壇の回収を行なっている場合があります。お近くに仏具店があれば、引き取ってもらえるかどうか確認してみましょう。

ゴミとして処分する

後飾り祭壇は、自治体の廃棄物として処分することもできます。祭壇をゴミに出すことに抵抗をじるかもしれませんが、祭壇に仏様や故人様の魂が宿っているわけではないため、宗教上はまったく問題ありません。ゴミとして出す場合は、地域の廃棄物のルールに従って処分しましょう。

お焚き上げをしてもらう

寺院や神社によっては、後飾り祭壇のお焚き上げを行なっている場合があります。ゴミとして処分することに抵抗がある場合は、近隣の寺院や神社でお焚き上げをしてもらえるところがないか探してみてもよいでしょう。

後飾り祭壇に関するよくある質問

白木位牌(仮位牌)はどうする?

後飾り祭壇に祀っていた白木位牌は、葬儀から忌明けを迎えるまでの間に使用する仮の位牌になります。そのため、四十九日法要までに本位牌を用意し、四十九日法要の際に仮の白木位牌から本位牌に魂を移す儀式を行います。

魂が本位牌に移った後の白木位牌は処分することになりますが、処分方法としては、寺院等でお焚き上げをしてもらうことが一般的です。ただし、寺院によっても対応が異なる場合があるため、事前に確認しておくと安心です。

後飾り祭壇の準備は誰がする?

後飾り祭壇の設置や回収は、葬儀社のプランに含まれていることが多いので事前に確認しておくと安心です。なお、祭壇は葬儀社が用意してくれますが、祭壇に飾る飾りはご家族様が用意する必要があります。

後飾り祭壇をご自身で設置する場合は、場所や配置に注意することが大切です。後飾り祭壇は、宗教や宗派によって飾り方やお供え物が異なります。

後飾り祭壇についてわからないことがある場合は葬儀社にご相談ください。

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薄井 充枝

1級葬祭ディレクター

薄井 充枝 (ウスイ ミツエ)

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