葬儀・家族葬コラム
更新日:2026.06.10
社葬とは?社葬の流れや合同葬との違い
会社に大きな功績を残した経営者や役員、従業員が亡くなったとき、個人の葬儀とは別に、企業として故人を追悼する場を設けることがあります。

社葬とは?
社葬とは、会社が主体となって執り行う葬儀や追悼式のことです。故人が会社に対して大きな貢献をした場合に、企業として故人を弔い、その功績をたたえるために行われます。主に創業者、会長、社長、役員などが中心ですが、業務上の事故で亡くなった従業員や、会社に特別な功績を残した社員が対象になる場合もあります。
社葬では、喪主は遺族が務めることが多く、葬儀の主催者である施主を会社が担う形が一般的です。宗教的な儀式としての葬儀だけではなく、会社関係者が参列しやすいように、「お別れの会」や「偲ぶ会」として行われる場合もあります。宗教色を抑えた形式を選ぶ企業もあり、故人の意思、遺族の意向、会社の方針をすり合わせながら内容を決めていきます。
社葬の特徴と目的
社葬は、会社が組織として故人を見送るのが特徴です。一般的な葬儀では、遺族や親族、友人など私的なつながりを中心に参列者が集まります。一方で社葬では、会社関係者、取引先、業界団体、金融機関、地域関係者など、故人と会社に関わる多くの人が参列する場合があります。そのため、案内状、受付、席次、弔辞、供花、警備、対応など、企業行事に近い準備が必要です。
社葬の目的は、故人を悼むことだけに限らず、故人の功績を広く伝え、会社として感謝を表すことに加え、後継体制や今後の事業継続を社内外に示す意味もあります。特に経営者が亡くなった場合、取引先や従業員は会社の今後に不安を抱きやすくなります。社葬を通じて会社の姿勢を丁寧に伝えることで、信頼関係の維持や企業イメージの安定につながります。
社葬と一般葬の違い
社葬と一般葬の違いは、葬儀の主体と目的にあります。
一般葬は遺族が中心となり、故人の家族や親族、友人が参列する葬儀です。費用も基本的には遺族が負担し、故人の宗旨宗派や家族の希望に沿って進められます。
社葬は会社が主体となり、企業として故人を顕彰する意味を持ちます。参列者の範囲も広く、会社の信用や対外的な印象に関わるため、運営には慎重な配慮が必要です。式次第、弔辞の依頼先、来賓対応、社内動員、案内の範囲などを会社が主導して決める点も一般葬と異なります。遺族の気持ちに寄り添いながら、会社としてふさわしい形式を整えることが大切です。
社葬と合同葬の違い
社葬と似た言葉に「合同葬」があります。合同葬は、遺族と会社が共同で行う葬儀です。密葬を先に行わず、遺族の葬儀と会社としての葬儀を一体化して実施する形式といえます。故人の宗教儀礼を重視しながら、会社関係者も参列できる場を同時に設けるため、日程や費用面で効率的に進めやすい特徴があります。
社葬は、遺族による密葬や家族葬を先に行い、後日あらためて会社主催の式を開く形が多く見られます。合同葬は、遺族と会社が役割を分担しながら1つの葬儀を行うため、喪主、施主、費用負担、香典の扱いなどを事前に明確にしておく必要があります。どちらが適しているかは、遺族の希望、故人の立場、参列者数、会社の方針によって変わります。
社葬の種類とタイミング
社葬には、「社葬」「合同葬」「お別れの会・偲ぶ会」「団体葬」などがあります。会社が主体となるのが「社葬」、遺族と会社が共同で行うのが「合同葬」、宗教色を抑えて後日行うことが多いのが「お別れの会・偲ぶ会」、会社以外の組織も含めて団体が行うのが「団体葬」です。
社葬のタイミングは、逝去後すぐに行う場合と、密葬や家族葬の後に日を改めて行う場合があります。多くの関係者に案内する必要がある社葬では、準備期間を確保するために、逝去から数週間後から数か月後に実施されることもあります。急ぎすぎると案内漏れや運営上の不備が生じやすくなるため、遺族の心身の負担、会場の空き状況、会社の業務日程、関係先の参列しやすさを踏まえて日程を決めることが重要です。
社葬の費用負担と経費
社葬の費用は、会社が負担する部分と遺族が負担する部分に分けて考える必要があります。
会社が負担しやすい費用としては、式場使用料、祭壇、献花、案内状、会葬礼状、受付や警備、式典運営や記録映像などが挙げられます。会社が主催する式典として必要と認められる範囲であれば、法人の経費として扱える場合があります。
ただし、すべての費用を会社が負担できるわけではありません。火葬、埋葬、納骨、墓地、墓石、仏壇、法要、香典返しなど、遺族側の私的な性格が強い費用は、会社負担に適さない場合があります。社葬費用を経費として扱うには、社葬を行う理由が社会通念上相当であること、費用の内容が通常必要と認められる範囲であることが大切です。
社葬の段取りや流れ
社葬を行う場合、会場や葬儀社を手配し、式次第を作成します。案内状を送付し、取引先や関係団体への連絡を進め、弔辞を依頼する相手や供花の並び順、席次、受付動線を決めます。
当日は、受付、記帳、香典対応、来賓案内、開式、黙とう、弔辞、献花、遺族挨拶、閉式という流れで進むことが多いです。終了後は、会葬御礼、弔電や供花へのお礼、費用精算、社内記録の整理まで行います。社葬は当日だけで完結せず、事前準備と事後対応を含めて丁寧に進める必要があります。
社葬の注意点
社葬で注意したいのは、遺族の意向を置き去りにしないことです。会社として故人を大切に見送りたい気持ちがあっても、遺族が静かな葬儀を望んでいる場合があります。社葬の規模や形式、宗教色、参列者の範囲、故人の写真や映像の使用などは、必ず遺族と相談しながら決めることが大切です。会社側の都合だけで進めると、遺族に負担をかけるだけでなく、参列者にも不自然な印象を与えてしまいます。
また、費用負担と役割分担を曖昧にしないことも重要です。会社が負担する費用、遺族が負担する費用、香典の受け取り先、供花や弔電の扱い、会葬礼状の名義などを事前に決めておくと、後のトラブルを防ぎやすくなります。社葬規程を整え、必要に応じて税理士や葬儀社に相談しながら準備することで、故人と遺族に敬意を示し、会社としても誠実な対応ができます。
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