葬儀・家族葬コラム
更新日:2026.08.17
直葬とは?葬儀の流れや費用、注意点を解説
最近では、葬儀費用をできるだけ抑えたい場合や、葬儀をできるだけシンプルにしたいという考えから、「直葬」を選ぶ方が増えています。しかし、直葬には注意点も多く、安易に直葬を選ぶと後悔につながる場合があります。
直葬を検討する際は、メリットだけでなく、デメリットや注意点を理解しておくことが大切です。本記事では、「直葬の流れや費用、よくある後悔や注意点」について紹介します。

直葬とは?
直葬とは、通夜や告別式などの宗教儀式を省き、火葬のみを行う葬儀のことをいいます。直葬は、火葬式とも呼ばれます。
基本的に、直葬は読経供養や戒名授与などの宗教儀式を省略くため、所要時間が短くなります。また、参列者は遺族や親族のみの少人数になることが多く、費用を抑えやすいのが特徴です。
直葬が選ばれる理由
葬儀の小規模化・簡素化が進んでいる
新型コロナウィルスによるパンデミックを経て、身近な人だけでお見送りをすることへの抵抗がなくなり、むしろ落ち着いてお別れができるというよい側面が見直されるようになりました。
現代のライフスタイルに合っている
直葬は、宗教儀式を省略しているため、葬儀全体の時間を大幅に削減することができます。そのため、忙しく働く世代のライフスタイルにもマッチしています。
儀式・形式にこだわらない人が増えている
お寺離れという言葉も耳にする昨今、無宗教葬のように宗教儀式にこだわらない葬儀も浸透しつつあります。このようなことから、葬儀において儀式や形式にこだわる人は昔に比べて減少傾向にあります。
核家族化と都市部への人口集中
核家族化や地方から都市部への人口流入が進む中、祖父母や親族とともに生まれ育った地で生活している人は少なくなっています。そのような状況下では、遠く離れた場所で行われる血縁以外の葬儀への参列のハードルはどうしても上がってしまうため、火葬式や家族葬のような身内中心の葬儀の需要拡大につながっています。
少子高齢化による葬儀の担い手不足
少子高齢化が進み死亡年齢が高齢化することで、葬儀の担い手である子供や兄弟も高齢となるため、経済的・体力的な理由から簡素なご葬儀を選ぶ方が増えています。
直葬に向いているケースと向いていないケース
向いているケース
・参列者の数が少ない
・菩提寺がない
・経済的な余裕がない
・宗教はあまり気にしない
向いていないケース
・参列者の数が多い
・菩提寺があり、了承を得るのが難しい
・宗教心が強い
直葬の流れ

病院などでご逝去された後、故人をご自宅や安置施設へ搬送し、ご安置を行います。その後、火葬の日程に合わせて出棺を行います。ご家族や近親者が集まり、最後のお別れをした後、火葬場へ向かいます。
火葬終了後は、ご遺族により骨上げ(収骨)を行います。収骨後は、ご自宅へご遺骨を持ち帰り、解散となるのが一般的です。
直葬のメリット
ご遺族の時間的な負担を軽減しやすい
葬儀の準備や参列者対応が少なくなるため、ご遺族の手間や時間的な負担を軽減しやすい点もメリットです。短期間で執り行えることから、ご高齢のご家族や、仕事や家庭の事情で長期間の準備が難しい方にとっても負担を抑えやすくなります。
ご遺族の経済的な負担を軽減しやすい
直葬は、お通夜や告別式を行わずに火葬を中心として故人様をお見送りするため、一般的な葬儀と比べて費用を抑えやすい点がメリットです。祭壇や式場使用料、飲食接待費、返礼品費などを抑えられることから、経済的な負担を軽減しやすくなります。
ご遺族の心身の負担が軽減できる
通常ご葬儀では、2日間にわたるハードスケジュールをこなさなくてはなりませんが、直葬では、火葬場への立ち会いのみですむため、参列者対応に追われることもなく、ご遺族の心身の負担は少なくてすみます。
遠方からの親族も日帰りで参列できる
お通夜や葬儀・告別式を省略しているため、火葬式自体は半日程度ですべてを執り行うことができます。そのため、もし遠方から親戚が参列される場合でも、日帰りでの参列が充分可能になります。
葬儀後の弔問対応や香典返しが最小限になる
参列者を限定しやすいため、葬儀後の弔問対応や香典返しなどが最小限になりやすい点も特徴です。ご家族や身近な方だけで静かに見送りたい場合にも、落ち着いた環境でお別れの時間を過ごしやすくなります。
直葬のデメリット
お別れの時間が限られる
直葬は、通夜や告別式を行わないため、故人様とお別れできる時間が限られます。火葬炉の前で短時間のお別れとなることも多く、ゆっくりと故人様を見送りたい方にとっては、物足りなさを感じる場合があります。
葬儀後の対応が増える
参列できなかった方から不満の声が出る可能性もあります。後日、ご自宅へ弔問に訪れる方が増える場合もあるため、葬儀後の対応についても考えておく必要があります。
直葬の注意点
菩提寺に納骨できない可能性がある
菩提寺がある場合は注意が必要です。宗教儀式を行わない直葬では、菩提寺の考え方によっては納骨を受け入れてもらえない可能性があります。後々のトラブルを避けるためにも、事前に菩提寺へ確認しておくと安心です。
親族の理解を得にくい場合がある
従来の葬儀形式を大切に考えるご親族から理解を得にくい場合があります。特に、お通夜や告別式を行わないことに抵抗を感じる方もいるため、事前にご家族やご親族へ相談しておくことが大切です。
ご遺体の安置場所を確保する必要がある
直葬は、安置は必要ないと思われる方が多いですが、日本では「死後24時間は火葬してはいけない」と法律で定められているため、直葬でも、ご逝去から火葬まで最低でも1日はご遺体を安置しておく場所を確保する必要があります。事前に安置場所を決めておくとスムーズです。
直葬の安置場所

安置場所には、ご自宅または葬儀社の安置施設があります。
集合住宅の場合は、規約等で禁止されている場合もあるので注意が必要です。また、棺が通り、安置できるかスペースがあることや、冷房設備が整っているかも事前に確認する必要があります。
葬儀社の安置施設を利用する場合は、利用料だけでなく、面会の可否や面会時間についても確認しておくと安心です。
直葬の費用相場と内訳
直葬の費用相場は、20万円から40万円程度です。安置日数の延長料金や、火葬場の利用料金、僧侶へ読経を依頼する場合のお布施などは、別途必要になる場合があります。
直葬の費用内訳
直葬の費用には、葬儀社へ支払う料金に加え、ご遺体の搬送(霊柩車)や安置施設、棺・骨壺などの物品一式、火葬場への搬送など、火葬までに必要となる基本的な内容が含まれます。
・火葬料金:無料〜10万円(自治体によって異なる)
・搬送 霊柩車:2万〜5万円(病院から安置所、安置所から火葬場)
・安置施設:5,000〜2万円/日
・棺・骨壺・花束など:2万〜10万円
・葬儀社へ支払う料金:10万円前後
・ドライアイス:2万〜4万円
直葬で僧侶をお呼びする場合のお布施の目安
僧侶に読経や戒名授与をお願いする場合はお布施が必要です。お布施は、宗派や寺院との関係性によっても異なりますが、短い読経の場合は3~5万円程度、長い読経の場合は10万円程度、戒名も授けてもらう場合は10〜50万円程度が相場となります。
直葬の服装マナー
直葬は、喪服や落ち着いた服装で参列するのがマナーです。
華美な服装や派手な装飾は避け、故人を弔う場にふさわしい装いを心がけます。形式は簡素であっても、故人様やご遺族への配慮を忘れず、落ち着いた態度で参列することが大切です。
直葬の香典
通夜や葬儀を行わない直葬では、香典返しの負担を軽減する意味でも遺族が香典を辞退することがほとんどです。訃報を受けた時や葬儀当日に香典辞退の申し出があった場合は、香典を渡すことを控えましょう。
直葬でよくある後悔
十分な供養ができなかったと感じる
直葬では、安置場所から直接火葬場へ向かい、参列者は現地集合になることが一般的です。また、火葬場で十分なお別れの時間を取ることが難しく、従来の葬儀を想像していると思っていた以上に、慌ただしい中であっという間に火葬されてしまったと感じる場合があります。
菩提寺とトラブルになった
寺院では、読経や戒名の授与など、一定の宗教儀式を行うことを納骨の条件としている場合があります。そのため、菩提寺があるにもかかわらず、事前に相談せず直葬を行うと、先祖代々のお墓への納骨を断られるなど、トラブルにつながることがあります。
菩提寺がある場合は、宗教儀式を省略した火葬式を行っても問題がないか、あらかじめ確認しておくことが大切です。相談した際に僧侶から「読経だけでも行ってほしい」と提案された場合は、その意向を踏まえて読経を依頼するなど、菩提寺と話し合いながら葬儀の形を決めると安心です。
菩提寺はないものの、ご遺族様の意向で読経だけはお願いしたいという場合は、僧侶を紹介してもらえるサービスもあります。
親族とトラブルになった
直葬は簡素な葬儀形式であり、伝統的な葬儀とはいえません。そのため、親族から理解を得られず、関係が悪化し、後悔するおそれがあります。
後日、弔問客の対応に追われることになった
直葬は一部の近親者だけの参列となることが一般的です。そのため、参列が叶わなかった多くの人が後日自宅などに弔問に訪れ、対応に追われる可能性があります。
直葬に関するよくある質問
直葬と一般葬の違いは?
一般葬の場合、ご逝去の翌日に通夜、翌々日に葬儀・告別式・火葬が執り行われます。直葬の場合、ご逝去の翌々日に火葬が執り行われることになります。一般葬でも直葬でも、火葬が完了するまでの日数は変わりません。直葬の方が一般葬よりも安置期間が長くなります。
直葬と一日葬の違いは?
一日葬とは、通夜を行わず、葬儀・告別式と火葬だけを行う葬儀形式です。直葬と一日葬の違いは、葬儀と告別式を執り行うか否かにあります。葬儀費用や時間を抑えたいものの、直葬では少し寂しいという場合に、一日葬が選ばれています。
直葬でも安置は必要?
日本には死後24時間以内は火葬してはいけないと定められた法律があるため、直葬でも安置が必要です。
「埋葬又は火葬は、死亡又は死産後二十四時間を経過した後でなければ、これを行つてはならない」
墓地、埋葬等に関する法律(昭和23年5月31日法律第48号)
火葬式でも、僧侶が読経をすることはある?
火葬式でも、僧侶による読経が行われることがあります。短い時間にはなりますが、棺が火葬炉へと向かうタイミングで読経が行われ、参列者がお一人ずつ焼香を行い故人様を供養します。
【火葬式で読経をするケース】
・「読経だけでもお願いしたい」というご遺族様のご意向がある場合
・菩提寺があり、読経を条件として火葬式の許可を得た場合
読経をお願いした場合のお布施は?
読経をお願いした場合は、お布施をお包みするのがマナーです。
お布施の金額には決まりはなく、お寺との関係性によっても相場は変わるため、葬儀社や直接お寺に確認することをおすすめします。
直葬で香典や供物は辞退する?
直葬では、儀式を行わないため供物や供花を供える祭壇がありません。また、身内中心の葬儀になるため、香典を辞退するケースも多くなっています。ただし、香典を辞退するかは喪主やご遺族が自由に決めることができるため、受け取ってはいけないということではありません。香典を受け取る場合は、香典返しの手配が必要になることを念頭においておきましょう。
儀式を省略しても大丈夫?
葬儀といえば、僧侶による読経や儀式を伴うものという認識が一般的かもしれませんが、葬儀は法律的に義務付けられているものではなく、あくまで古くからの慣習にすぎません。法律で義務付けられているのは、「死亡届の提出」と「火葬」のみで、宗教儀式を執り行うか否かはご遺族の判断に委ねられています。
読経なしでは供養にならない?
直葬というと、僧侶による読経などの儀式を省略している分、きちんとした供養ができないのではないかとご不安に思われる方もいらっしゃると思います。現代において、お経はお葬式や法要の場で読まれることが多いため、先祖供養のためというイメージが強いですが、実はお経の本来の意味は、生きている人のために読まれるものであることをここでは強調しておきます。
また、直葬でもオプションとして僧侶に読経をお願いすることで、より心のこもったお葬式にすることもできます。
・読経の代わりにご遺族からの挨拶文を読み上げる
直葬では、読経をしない代わりに、ご遺族から故人様に向けての挨拶文を読み上げることがあります。今までの感謝の気持ちを最後のメッセージに託してお伝えすることできっと故人様も浮かばれることです。
・僧侶に読経だけしてもらうこともできる
「供養としてどうしても読経をお願いしたい」というご遺族の意向や、「せめて読経だけでもさせてほしい」という菩提寺の意向がある場合に、直葬でも僧侶に読経をしていただくことがあります。
僧侶を紹介してくれるサービスもあるので、菩提寺がない場合は葬儀社に相談してみましょう。
直葬でも心のこもったお葬式はできる
葬儀の簡素化や小規模化を希望する方が増える中で、シンプルな葬儀として注目を集める直葬は、注意点を事前に把握しておけば、心のこもったお葬式にすることができます。後悔しないためにも、事前に直葬の全体像を理解するとともに、菩提寺や親族に相談することが大切です。
直葬の葬儀社選びは慎重に
直葬は費用が安いため葬儀社にとっては利益が少なく、サービスの品質低下につながりやすいです。また、必要以上に追加料金を求めてくる悪質な業者もいるようです。そのような業者に依頼しないように、複数の葬儀社に見積もりを依頼し、内容を比較検討して葬儀社を決めることをおすすめします。
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