正月中の法要・忌明け・お寺への相談ポイント

「年末年始に“もしも”が起きたら 〜家族が慌てないための準備ガイド〜」

お正月は、親族らが集まって年の初めを祝うおめでたい行事ですが、故人を偲ぶ法要や忌明けをこの時期に行うことはできるのでしょうか。

今回は、年末年始やお正月に忌明け（四十九日）や、喪明け（一周忌）を迎える場合に「法要を行なってもよいのか」について、注意点も交えて解説します。法要がお正月に重なってしまう場合の日程の決め方についてもお伝えしますので、ぜひ参考にしてください。

法要とは

法要とは、故人を供養するために行う仏教の儀式のことで、僧侶にお経を読んでもらい、家族や親族が故人を偲ぶ大切な節目となります。

仏教では、亡くなってから四十九日までを「忌中」とし、四十九日の法要を終えると「忌明け」となります。

また、一般的な慣習としては、亡くなってから一周忌までの約一年間を「喪中」とし、一周忌をもって日常生活に戻る「喪明け」とする家庭が多くみられます。

年末年始に「忌明け」「喪明け」を迎える場合の対応

結論から申し上げると、お正月や年末に法要を行なうことは、仏教的には問題ありません。

そもそも法要は、命日から数えて何日目、あるいは何年目という節目に営まれるものです。仏教では、命日を起点としたタイミングで法要を営むことがベストであると考えられているため、お正月であろうと年末であろうと、決められた日に法要を行うことを重んじています。

一方で、「新年のお祝いムードにふさわしくない」「年末年始はみんなが忙しい時期なので声をかけにくい」といった理由から、年末年始の法事は避けるというご家庭も少なくありません。

つまり、年末年始の法要は、仏教的には問題はないものの、どうするかは各ご家庭の判断に委ねられているということになります。

年末年始の法要を“避ける”場合に注意するポイント

年末年始を避けて日程をずらす場合は、以下の点に注意しましょう。

日程調整の仕方に注意

仏教では、命日や忌日はとても大切な日として扱われているため、本来であれば命日あるいは忌日当日に法要を行うことがベストとされています。しかし、関係者の集まりやすい土日に日程をずらして法要を行うことはよくあることです。その際、命日あるいは忌日よりも前倒しの日程に設定することが原則とされています。

具体的には、「四十九日法要が年末年始に重なる場合は三十五日に繰り上げる」、「一周忌以降の年忌法要が年末年始に重なる場合は、11月初旬〜12月末に繰り上げる」という方法が一般的です。

ただし、地域や宗派によって考え方が異なることもあるため、後ろ倒しでないと都合が合わないという場合は、僧侶に相談してみましょう。お正月期間は寺院側も予定が詰まりやすく、実際は、柔軟な日程調整をしている宗派・寺院も多くあります。

香典返しを送る時期に注意

香典返しは、四十九日法要後1ヶ月以内に送るのがマナーですが、お正月は新年を祝う慶事でもあるため、不祝儀にあたる香典返しは送る時期に配慮することも大切です。

基本的には、松の内（1月7日※地域によっては1月15日）を過ぎてから法要後1ヶ月以内に届くように手配するのがマナーです。

年明けに延期する場合のマナー

忌明け・喪明け当日に法要が行えない場合は、スケジュールの前倒しが基本ですが、やむを得ない事情がある場合などは、僧侶に相談の上、日程を後ろ倒しにする場合もあります。四十九日や一周忌などの法要を年明けに延期する場合は、以下の点に注意しましょう。

お寺の了承を得る

まずは、延期が可能かどうかお寺に相談してみましょう。僧侶の都合もあるので、なるべく早めに相談することが大切です。その際は延期を希望する理由を丁寧に伝え、年明けの希望日を複数伝えられるとよいでしょう。

家族・親族の了承を得る

日程を後ろ倒しにすることを気にする方もいるため、日程が確定する前に家族や親族にも相談し、了承を得ておきましょう。

案内状で早めに延期の旨を伝える

年末年始の法要を延期する際は、参列者が予定を調整しやすいように、案内状で延期の旨を早めに伝えることが大切です。「お寺の年末年始の都合」「親族の事情」など、納得しやすく角が立たない理由を丁寧に伝えましょう。

香典返しは「法要が済んでから」でよい

四十九日法要を年明けに延期する場合も、香典返しを送るタイミングは、延期後の法要が終わってから1ヶ月以内で問題ありません。松の内（1月7日※地域によっては1月15日）を過ぎてから法要後1ヶ月以内に届くように手配しましょう。

また、香典返しに添える挨拶状に「法要延期のため香典返しが遅れたことのお詫び」も付け加えておくと丁寧です。

年末年始に法要を行う場合に注意するポイント

もし、年末やお正月に法要を行う場合は、いくつか注意すべきポイントがあります。

関係者の予定は早めに押さえておく

年末年始に、旅行などの予定を入れている人も多いため、家族や親族の予定は早めに押さえておく必要があります。できればみなさんが帰省するタイミングに合わせて行えるとスムーズです。

また、年末年始はお寺が行事などで多忙な時期でもあるため、宗教者にも早めの連絡が安心です。

追加費用に注意する

年末年始に法要を行う場合、お忙しい中予定を合わせてくれた僧侶に感謝の気持ちを込めて、多めにお布施を包むことが慣例となっている場合があります。もちろんこれは義務ではなくお心付けとしてお渡しする人が一定数いるという意味です。

また、自宅や斎場など、お寺以外の場所で法要を行う場合は、交通費の代わりに僧侶にお車代をお渡ししますが、年末年始は交通費が高騰する時期でもあるため、実費に合わせて普段より多めにお包みすることがあります。

ほかにも、会食（お斎）の仕出し料理や遠方の親族の交通費・宿泊代などが、年末年始の特別料金になる可能性があることも考えられます。

会食は同日にこだわらない

年末年始は仕出しのお店が休業していたり、割増料金が設定されていたりすることも少なくないため、「法要のみを行い会食を省略する」あるいは、「年明けに親族のみであらためて会食の場を設ける」などの対応をするご家庭も多いです。

納骨は同日にこだわらない

通常であれば、四十九日法要と同日にお墓への納骨を行うことが一般的ですが、年末年始に四十九日法要を行う場合、「納骨だけ年明けに行う」というご家庭も少なくありません。年末年始は霊園や墓地が休業している可能性もあるため、もし、法要と同日に納骨式を行う場合は、前もって確認が必要です。

お寺への相談ポイント

年末年始に限らず、法要を行う際は、お寺に「希望する日程」や「法要の形式」、「参加予定人数」を伝える必要があります。

一周忌以降の年忌法要であれば、法要の1〜2ヶ月前に、四十九日法要については葬儀当日もしくは葬儀後三日以内にはお寺に依頼するようにしましょう。

また、四十九日法要の場合、お墓への納骨も同日に行うことが一般的ですが、希望される場合は納骨式の相談も合わせてしておきましょう。

お寺に相談すること チェックリスト

• 故人の情報‥氏名や戒名、命日などを伝える。
• 法要の形式‥何の法要なのか（四十九日法要など）を伝える。
• 日程候補‥前倒しや延期の希望があれば相談する。
• 場所‥お寺、自宅、斎場など希望する場所を伝える
• 参加予定人数‥おおよその出席者数を伝える。
• 会食の有無‥法要後に会食の席を設けるかを伝える。
• 納骨式の希望‥必要に応じて伝える。
• 予算・お布施‥金額で迷った場合は相談する。
• 特別な配慮‥高齢者・小さな子どもがいる等があれば事前に伝える。

年末年始の法要は、マナーを守って家族が安心できる日程調整を

お正月や年末に忌明け・喪明けを迎える場合、法要の日程をどうするべきかで迷われる方は位でしょう。仏教的には、年末年始に法要を行っても問題はありませんが、ご家庭の考え方や親族の都合によっては、時期をずらすケースも見られます。

いずれにしても法要は、故人の冥福を祈り、ご縁を深く感じるための重要な儀式です。大切なのは、ご家族が無理なく集まり、心を込めて供養することで、日程調整やお寺への連絡は、マナーを守って丁寧に進めれば失礼にあたることはありません。

年末年始という慌ただしい時期だからこそ、故人を思う気持ちを大切にしながら、最適な選択をすることが大切です。

栃木・茨城県西エリアのご葬儀は、栃木で葬儀実績No.1 のさがみ典礼にお任せください。

さがみ典礼では、一般葬、家族葬、一日葬、火葬式・直葬など多様なプランを幅広い料金プランでご用意し、お客様のご葬儀をサポートさせていただいております。無料の事前相談も承っておりますので、お気軽にご相談ください。

さがみ典礼の事前相談（無料・24時間／365日受付中）はこちらから

ご葬儀のご依頼はこちらから