家族葬
2023.09.13
エンバーミングはなぜ必要?費用や手順、効果を解説します。
ご遺体を安全かつ衛生的に保存するための技術をエンバーミングといいます。
日本では「名前は聴いたことはあってもよくわからない」、「費用が高そう」、「自分には関係なさそう」のように思われる方も多いと思いますが、アメリカでは半数以上の方が行うほど葬儀には欠かせないご遺体保存技術として普及しています。
今回は、エンバーミングがなぜ必要なのか、費用はどのくらいか、また具体的にどのような手順で行われるのか、などをメリットや注意点も交えてお伝えします。
エンバーミングとは
ご遺体の腐敗を防ぎ、衛生的かつ見栄えよく保つために殺菌・消毒、防腐、修復等の処置を行う技術をエンバーミングといいます。エンバーミングを施すことで、ご遺体の腐敗を防ぐことができるだけでなく、ご遺体からの危険なウィルス感染を防いだり、より生前に近いお姿に近づけることができるなど、多くの効果が期待できます。
日本でエンバーミングが利用されているケース
アメリカでは大半の人が利用しているエンバーミングですが、日本ではご遺体の状態を保つためにドライアイスを用いる方法が一般的で、まだアメリカのように一般的に普及しているとはいえません。現状日本では、必要に迫られてエンバーミングが利用されることが多いですが、エンバーミングが採用されるケースとは、どのようなケースなのでしょうか。
①葬儀(火葬)までに期間を要する場合
「火葬場の予約が取れない」「ご遺族様のスケジュールの都合がつかない」などの理由から、ご逝去から火葬までの日数が大幅にあいてしまうことがあります。通常であれば腐敗を少しでも遅らせるためにドライアイスや保冷庫を用いますが、それでも少しずつ腐敗は進んでいってしまいます。そのような場合にエンバーミングを施すことで、ドライアイスなしで安全かつ衛生的にご遺体の状態を保つことができます。
②海外などでお亡くなりになり、空輸の必要がある場合
海外から航空機等でご遺体を搬送する場合、安全上の都合からドライアイスの使用が禁じられています。そのため空輸の必要がある場合は、必ずエンバーミング処置を施すことになります。
③生前のお姿とかけ離れてしまっている場合
長い闘病生活による全身のむくみや事故などの損傷が原因で、ご遺体が生前のお姿とかけ離れてしまうことは珍しいことではありません。「元気だった頃の姿でお別れがしたい」というご遺族様のご希望にお応えし、エンバーミングを施すことがあります。
④感染症でお亡くなりになった場合
新型コロナウィルスなどの感染症で亡くなった場合、死後も病原菌は体内に残るため、故人様との対面ができないままお別れを余儀なくされることも少なくありません。そのような場合でも、エンバーミングを施すことで感染リスクを抑えて対面やお体に触れてのお別れが可能になります。
エンバーミングの費用
エンバーミングにかかる費用は、15万〜25万円程度です。それ以外に棺代、ご遺体の搬送代などが必要なります。棺は葬儀社のセットプランに入っていることも多いですが、エンバーミング施設への搬送は含まれていないので注意が必要です。
エンバーミングのメリット・デメリット
実際にエンバーミングを行なう際には、メリットとデメリットの両方を知っておくことが大切です。
エンバーミングのメリット
・安らかなお姿でお見送りができる
「元気だった頃の姿で見送りたい」という想いは、すべてのご遺族様に共通する願いかもしれません。エンバーミングは、防腐処置や消毒だけでなく、ご遺体の修復もしてくれるので、闘病による後遺症や事故などによる損傷の有無に関わらず、表情や顔色を整え、まるで眠っているかのような安らかなお姿でお見送りすることができます。
・ドライアイス/保冷庫が不要
エンバーミングは体内に防腐剤を注入して腐敗を防ぐため、ご遺体を安置する際に冷やす必要がありません。エンバーミングをしない場合、ドライアイスや保冷庫を用いてご遺体を保存することになりますが、どちらもあくまで腐敗を遅らせるための処置に過ぎず、腐敗を止めることはできません。またドライアイスは長時間使用すると皮膚が黒ずんでしまうなどのリスクも考えられます。
・保存期間が長期にわたる場合はドライアイスより安いことも
実はご遺体の保存期間が長期にわたる場合は、ドライアイスや保冷庫の使用料の方が高くついてしまう場合もあります。ちなみにドライアイスの料金は一日当たり8,000円〜10,000円程度ですので、火葬までに2週間以上空いてしまう場合はドライアイスでも14万円以上の費用がかかってしまうことになります。エンバーミングの費用が15万円〜ですので、場合によっては同程度の費用で安全かつ衛生的な処置が可能になります。
・安心して故人様に触れることができる
前述の通りエンバーミングは感染症対策としても有効です。感染症などでお亡くなりになられた場合も、エンバーミングを施すことで、感染症リスクを抑え、安心して最後のお別れをすることができます。
・ご遺体を長期間衛生的に保つことができる
ドライアイスなどでご遺体を冷やすことによって腐敗を遅らせることはできますが、それには限界があります。ドライアイスで適切に保管ができるとされている期間は3~4日程度とされていますが、エンバーミングは最大で50日間、安全かつ衛生的な状態で保つことができます。
エンバーミングのデメリットと注意点
・まとまった費用が必要
エンバーミングの費用は前述の通り15万円〜25万円程度です。それ以外にエンバーミング施設へご遺体を搬送する費用が別途かかります。エンバーミング施設が遠方の場合は、搬送料が高くついてしまうので注意が必要です。
・時間を要する
エンバーミングにかかる時間は3〜4時間ほどで、その間は故人様に付き添うことはできません。また近くにエンバーミング施設がない場合は、搬送にも時間を要するためその分の時間もみておく必要があります。
エンバーミングの手順
次は、実際にエンバーミングを施す際の手順(流れ)についてです。
①ご遺体の搬送
まずは、ご遺体をエンバーミング施設へとお運びします。
②ご遺体の洗浄・消毒・殺菌
次にご遺体を診断し、洗浄・消毒し、病原菌やウィルスの殺菌処理を行います。
③ご遺体を整える
髪やお顔を洗い、希望があれば髭剃りや産毛剃りをします。コットンを用いて鼻腔や口腔、体膣内なども洗浄し、最終的には、目や口をとじ、必要に応じて口の中に含み綿をつめるなどして安らかな寝顔に整えていきます。
④防腐剤を注入する
まず静脈と動脈を1.5cm程度切開し、動脈から防腐剤を注入すると同時に、静脈から体内に残った血液や食べ物などを排出していきます。この時、防腐剤に色素を配合し赤みを帯びた健康的な肌色にすることも可能です。
⑤修復をする
ご遺体に損傷などがある場合は修復し、死後硬直を緩和するマッサージなどを行います。
⑥着付け・化粧
故人様の宗教に見合った死装束を着せ、ご希望に応じて死化粧を施します。死装束は、ご遺族様のご希望で、生前愛用していた服などを着せる場合もあります。
⑦納棺・搬送
ご遺体を棺に納めて、ご自宅または斎場へとお運びします。
エンバーミングが発展した背景
エンバーミングの歴史を紐解いていくと、キリスト教との関わりがみてとれます。エンバーミングは、特にアメリカの南北戦争をきっかけに急速に発展した技術と言われています。というのもインフラが今ほど整っていない当時、 戦死者のご遺体を搬送するには、ある程度の日数を要しました。日本のような火葬中心の国であれば、現地で火葬した後、ご遺骨を搬送すれば問題ないようにも思えますが、キリスト教国であるアメリカは土葬中心であるため、ご遺体のまま衛生的に搬送する技術が必要とされたのです。
アメリカをはじめ欧米諸国でのエンバーミング普及率が高いのは、このような埋葬方法の違いが一因となっています。
日本におけるエンバーミングの可能性
日本におけるエンバーミングの需要は、主にご遺族様の心のケアという観点がメインとなっています。火葬中心の日本では、アメリカほどエンバーミングの必要性は高くないのかもしれません。しかし近年の新型コロナウィルスによるパンデミックや、高齢化に伴う死者数の増加で火葬場の予約が取れず、長期間火葬することができない「火葬待ち」が社会問題化する中、感染リスクを抑え、火葬までの間にご遺体を安全かつ衛生的に保つことができるエンバーミングは、今後ますます必要とされる技術なのではないでしょうか。
まとめ エンバーミングはご遺族の心を支えるもの
ここまで、エンバーミングの手順や費用、効果、そして歴史的背景についてお伝えしてきました。
エンバーミングの費用は一見高額に見えますが、従来のドライアイスや保冷庫にかかる日数分の費用や、納棺にかかる費用などを考えれば決して高くはありません。また最期の時に、お元気だった頃の表情で安らかに眠る故人様を囲めば、懐かしい思い出が蘇り、一度きりの葬儀の時間が心安らかなお見送りの時間になることでしょう。
このようにエンバーミングは、故人様のご遺体を安心して保存するための技術であると同時に、ご遺族様や会葬者のみなさまの心を支えるためのものでもあります。
エンバーミングに少しでも興味をお持ちの方は、費用や効果について、まずは葬儀社に相談してみてください。
さがみ典礼のエンバーミング
実は、さがみ典礼でご葬儀をされる方の半数がエンバーミングをご利用しています。
さがみ典礼では自社内にエンバーミング施設を有し、IFSA(日本遺体衛生保全協会)の認定するエンバーマーが多数在籍しております。
ご葬儀のことはもちろん、エンバーミングについてのご不安や疑問など、些細なことでもお気軽にご相談ください。
業界最安水準で最上級のおもてなし
さがみ典礼の
安心ご葬儀プラン
お求めやすさにこだわったご葬儀・家族葬プランから、お客様にぴったりのプランをお選びください。
ご葬儀のご依頼・
ご相談はお電話で
さがみ典礼イメージキャラクター 加藤茶さん
ご葬儀の準備も
さがみ典礼で
-
その日からすぐに葬儀費用が
最大20%割引になる -
いざという時慌てないために。
葬儀場見学も可能
さがみ典礼イメージキャラクター
加藤茶さん