家族葬
更新日:2026.09.18
エンバーミングとは?費用相場やメリット・デメリットを解説

ご遺体を衛生的に保存するための技術を「エンバーミング」といいます。
日本では「名前は聞いたことはあってもよくわからない」、「自分には関係なさそう」と思われる方も多いですが、アメリカでは半数以上の方が行うほど葬儀には欠かせないご遺体保存技術として普及しています。
今回は、エンバーミングがなぜ必要なのか、費用はどのくらいか、どのような流れで行われるのかについて、メリットや注意点も交えてお伝えします。
エンバーミングとは?
ご遺体の腐敗を防ぎ、衛生的かつ見栄えよく保つために、殺菌・消毒、防腐、修復等の処置を行う技術をエンバーミングといいます。
エンバーミングを施すことで、ご遺体の腐敗を防ぐだけでなく、ご遺体からのウィルス感染を防いだり、より生前に近いお姿に近づけたりすることができます。
エンバーミングが利用されるケース
アメリカでは多くの人が利用しているエンバーミングですが、日本ではご遺体の状態を保つために「ドライアイス」を用いる方法が一般的なので、まだアメリカのように一般的に普及しているとはいえません。
しかし、日本でも必要になった場合にエンバーミングが利用されています。
葬儀(火葬)までに期間を要する場合
「火葬場の予約が取れない」「スケジュールの都合がつかない」などの理由から、ご逝去から火葬までの日数が大幅に空いてしまうことがあります。
通常だと、腐敗を少しでも遅らせるためにドライアイスや保冷庫を用いますが、それでも腐敗は少しずつ進みます。そのような場合に、エンバーミングを施すことで、ドライアイスなしで安全かつ衛生的にご遺体の状態を保つことができます。
海外で亡くなり、空輸が必要な場合
海外から航空機等でご遺体を搬送する場合、安全上の都合からドライアイスの使用が禁じられています。そのため、空輸の必要がある場合は、必ずエンバーミング処置を施すことになります。
生前のお姿とかけ離れてしまっている場合
長い闘病生活による全身のむくみや事故などの損傷が原因で、ご遺体が生前のお姿とかけ離れてしまうことは珍しいことではありません。「元気だった頃の姿でお別れがしたい」というご遺族様のご希望にお応えし、エンバーミングを施すことがあります。
感染症でお亡くなりになった場合
新型コロナウィルスなどの感染症で亡くなった場合、死後も病原菌は体内に残るため、故人様との対面ができないままお別れを余儀なくされることも少なくありません。そのような場合でも、エンバーミングを施すことで感染リスクを抑えて対面やお体に触れてのお別れが可能になります。
エンバーミングの費用
エンバーミングにかかる費用は、一般的に15万〜25万円程度です。それ以外に、棺代やご遺体の搬送代などが必要になります。
棺は葬儀社のセットプランに入っていることも多いですが、エンバーミング施設への搬送は含まれていないことも多いので注意が必要です。
エンバーミングのメリット
安らかな姿でお見送りができる
「元気だった頃の姿で見送りたい」という想いは、すべてのご遺族様に共通する願いかもしれません。エンバーミングは、防腐処置や消毒だけでなく、ご遺体の修復もしてくれるので、闘病による後遺症や事故などによる損傷の有無に関わらず、表情や顔色を整え、まるで眠っているかのような安らかなお姿でお見送りすることができます。
ドライアイスや保冷庫が不要
エンバーミングでは、ご遺体に防腐処置を施して腐敗の進行を抑えるため、ドライアイスや保冷庫に頼らず、ご遺体を一定期間衛生的に保全しやすくなります。 薬剤による処置によって、ご遺体の状態を保ちながら安置できることが特徴です。
エンバーミングを行わない場合は、ドライアイスや保冷設備を用いてご遺体を保全しますが、これらは低温によって腐敗の進行を遅らせるための方法です。また、ドライアイスを長時間使用すると、接触した部分に変色などが生じる場合もあります。
ご遺体の状態をできる限り保ちながら、ゆっくりとお別れの時間を確保しやすいことも、エンバーミングの特徴の1つです。
ドライアイスよりも安いことがある
ご遺体の保存期間が長期にわたる場合は、ドライアイスや保冷庫の使用料の方が高くついてしまう場合があります。ドライアイスの料金は、一日当たり8,000円〜10,000円程度なので、火葬までに2週間以上空いてしまう場合は14万円以上の費用がかかります。
安心して故人様に触れることができる
エンバーミングは感染症対策としても有効です。感染症などでお亡くなりになられた場合も、エンバーミングを施すことで、感染症リスクを抑え、安心して最後のお別れをすることができます。
ご遺体を長期間衛生的に保つことができる
ドライアイスなどでご遺体を冷やすことによって腐敗を遅らせることはできますが、それには限界があります。ドライアイスで適切に保管ができるとされている期間は3~4日程度とされていますが、エンバーミングは最大で50日間、安全かつ衛生的な状態で保つことができます。
エンバーミングのデメリット
まとまった費用が必要
エンバーミングの費用は15万円〜25万円程度です。それ以外にも、エンバーミング施設へご遺体を搬送する費用が別途かかります。エンバーミング施設が遠方の場合は、搬送料が高くついてしまうので注意が必要です。
時間を要する
エンバーミングにかかる時間は3〜4時間ほどで、その間は故人様に付き添うことはできません。また、近くにエンバーミング施設がない場合は、搬送にも時間を要するためその分の時間もみておく必要があります。
エンバーミングの手順
エンバーミングを施す際の手順(流れ)についてご紹介します。
①ご遺体の搬送
まずは、ご遺体をエンバーミング施設へお運びします。
②ご遺体の洗浄・消毒・殺菌
次に、ご遺体を診断し、洗浄・消毒し、病原菌やウィルスの殺菌処理を行います。
③ご遺体を整える
髪やお顔を洗い、希望があれば髭剃りや産毛剃りをします。コットンを用いて鼻腔や口腔、体膣内なども洗浄し、最終的には、目や口をとじ、必要に応じて口の中に含み綿をつめるなどして安らかな寝顔に整えていきます。
④防腐剤の注入
静脈と動脈を1.5cm程度切開し、動脈から防腐剤を注入すると同時に、静脈から体内に残った血液や食べ物などを排出していきます。この時、防腐剤に色素を配合し赤みを帯びた健康的な肌色にすることも可能です。
⑤ご遺体の修復
ご遺体に損傷がある場合は修復し、死後硬直を緩和するマッサージを行います。
⑥着付け・化粧
故人様の宗教に見合った死装束を着せ、ご希望に応じて死化粧を施します。死装束は、ご遺族様のご希望で、生前愛用していた服などを着せる場合もあります。
⑦納棺・搬送
ご遺体を棺に納めて、ご自宅または斎場へとお運びします。
エンバーミングが発展した背景
エンバーミングの歴史を紐解いていくと、キリスト教との関わりがみてとれます。エンバーミングは、特にアメリカの南北戦争をきっかけに急速に発展した技術と言われています。インフラが今ほど整っていない当時、 戦死者のご遺体を搬送するには、ある程度の日数を要しました。
日本のような火葬中心の国であれば、現地で火葬した後、ご遺骨を搬送すれば問題ないようにも思えますが、キリスト教国であるアメリカは土葬中心であるため、ご遺体のまま衛生的に搬送する技術が必要とされたのです。
アメリカをはじめ欧米諸国でのエンバーミング普及率が高いのは、このような埋葬方法の違いが一因となっています。
エンバーミングの必要性
日本におけるエンバーミングは、ご遺族の心のケアや、ご遺体を衛生的に保つことを目的として行われています。
火葬が中心の日本では、土葬が一般的な国と比べると、エンバーミングが必要となる場面は限られています。しかし、感染症への対応や高齢化に伴う死者数の増加などを背景に、火葬場の予約が取りにくく、「火葬待ち」が社会問題となっています。
こうした中、エンバーミングは感染リスクを抑え、火葬までの間、ご遺体を衛生的に保つ方法として必要とされています。
エンバーミングはご遺族の心を支えるもの
エンバーミングは一見高額に見えますが、従来のドライアイスや保冷庫にかかる日数分の費用や、納棺にかかる費用などを考えれば決して高くはありません。また最期の時に、お元気だった頃の表情で安らかに眠る故人様を囲めば、懐かしい思い出が蘇り、一度きりの葬儀の時間が心安らかなお見送りの時間になることでしょう。
エンバーミングは、故人様のご遺体を安心して保存するための技術であると同時に、ご遺族や会葬者のの心を支えるためのものでもあります。
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さがみ典礼のエンバーミング
さがみ典礼でご葬儀をされる方の半数がエンバーミングをご利用しています。
さがみ典礼では自社内にエンバーミング施設を有し、IFSA(日本遺体衛生保全協会)の認定するエンバーマーが多数在籍しております。
ご葬儀のことはもちろん、エンバーミングについてのご不安や疑問など、些細なことでもお気軽にご相談ください。

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