家族葬
2023.09.19
海に散骨をするには?海洋散骨の費用や手順を注意点も踏まえて解説
日本では故人様の亡骸を供養する方法として、古くは土葬が行われてきました。
火葬による供養は、鎌倉時代頃からはじまり昭和に一般化されたといわれています。
そして今、新しい供養の仕方として、ご遺骨を海に撒く海洋散骨が注目を集めています。
海洋散骨は「死んだら自然に還りたい」「大好きだった海に撒いてほしい」という故人様のご希望を叶えるために選択されるご遺族様が大半です。
今回は、海洋散骨の費用や手順などの基本情報を解説します。
海洋散骨に必要な許可や手続き、信頼できる業者の選び方などもお伝えしますので、納骨方法で迷われている方はぜひ参考にしてください。
海洋散骨とは
海洋散骨とは、ご遺骨を海に散布することによって故人様を弔う葬送方法です。現代は、お亡くなりになられたら火葬し、骨壷に入れたご遺骨をお墓に納める方法が一般的ですが、海洋散骨は火葬を終えた後、ご遺骨を細かい粉状に粉骨した上で海に撒くことによって供養します。
納骨と散骨の違い
遺骨をどこかに納める行為を納骨といいます。一般的には先祖代々のお墓に納めることが多いですが、最近は宗教宗派に縛られない納骨堂や樹木葬なども新しい納骨先として浸透してきました。いずれもお墓や樹木などを墓標としていますが、散骨は納めるのではなく自然界へ「撒く」ため、目印となる墓標がないのが特徴です。
海洋散骨の種類
海洋散骨には、3つの種類があります。
①委託散骨
ご遺族様は船に同乗せず、散骨を業者にお任せする方法です。ある程度遺骨が集まったタイミングで一斉に散骨するため、業者としては費用を抑えることができます。
②合同散骨
複数のご遺族様が同じ船に乗り合わせて散骨を行います。
③個別散骨
1隻の船に対してご遺族様1組が乗船して散骨を行います。自分たちだけのプライベートな空間のため周りの目を気にせずに、心置きなく故人様とのお別れをすることができます。
海洋散骨の費用
次は、海洋散骨の費用相場についてです。
海洋散骨にかかる費用の内訳としては「船舶のチャーター費」、「散骨証明書の発行費用」、「遺骨の粉骨にかかる費用」、「献花用のお花や献酒用のお酒の購入費」などがあります。
それらがオプションとなっている場合もあれば、料金に含まれている場合もあり、業者によって料金プランが異なりますので、見積もりをもらったら、上記の費用のどこまでが含まれているかをよく確認しましょう。
海洋散骨の費用相場
委託散骨の場合 | 5万円程度 |
合同散骨の場合 | 10~20万円程度 |
個別散骨の場合 | 20〜30万円程度 |
海洋散骨までの手順
続いて、海洋散骨の準備段階から当日の流れについてお伝えします。
①業者を選定する
まずは海洋散骨を行っている業者を探しましょう。
もし希望する海域がある場合は、エリアから探すのも一つの方法です。
海洋散骨は新しい供養方法のため業者としては新規参入がしやすく、今は専門業者もピンからキリまであるような状況です。そのような中で信頼できる業者を見極めなくてはなりません。
失敗しない業者選びのため、以下のポイントを参考にしてください。
✔︎厚生労働省のガイドラインに則った業者かどうか
令和3年に厚生労働省が発表した散骨に関するガイドラインには「法令の遵守」「散骨を行う場所への配慮」「事前に粉骨すること」「地域住民、周辺の土地所有者、漁業者等への配慮」「自然環境への配慮」「文書による契約」「契約内容の説明や解約の申し出に応じること」「安全の確保」などが定められています。それらに則った経営を行っているかは信頼のおける業者か否かの判断基準となります。
✔︎見積書の内訳を確認する
単純に費用の安さだけで選ぶのではなく、見積もり金額に何が含まれていて何が含まれていないかを複数社見比べることが大切です。たとえば海洋散骨には粉骨が必要ですが、「粉骨の費用は含まれているか」、また「献花や献酒などの葬送儀礼費は含まれているのか」など、後から追加費用がかかって予想外の金額になってしまうことのないよう、必要なサービスが含まれているかをよく確認しましょう。
✔︎スタッフの対応は信頼できるか
担当のスタッフは、海洋散骨についての充分な知識を持っていて、こちらの疑問にもわかりやすい言葉で丁寧に答えてくれる人かどうかも、業者選びの重要なポイントです。
故人様の大事な遺骨を任せる業者ですので、ご遺族様が気持ちよくお見送りできるよう最大限にサポートしてくれる業者を選びましょう。
②必要書類を用意する
必要書類はケースによっても異なります。
✔︎葬儀後、そのまま散骨する場合
葬儀後、お墓などに納骨せず海洋散骨される場合は「埋葬許可証」が必要です。埋葬許可証とは、火葬許可証に捺印がおされたもので、火葬終了後に火葬場から発行されます。
✔︎すでに納骨した遺骨を散骨する場合
「改葬許可証」または「遺骨引渡し証明書」が必要です。
改葬許可証は、遺骨を別の場所に納骨する際に必要な書類で、各市区町村で申請することができます。ただし海洋散骨を改葬先として認めている自治体は少なく、許可が降りない可能性があります。その場合は「自宅での手元供養のため」として申請します。
もしそれも難しい場合は、墓地や納骨先の管理者に「遺骨引渡し証明書」を発行してもらいます。
海洋散骨に必要な書類は業者によっても異なる場合があります。まずは業者に必要書類を確認してから手配しましょう。
③契約を交わす
比較検討をして業者を選定したら契約をします。
契約の際は、契約内容が明記された約款が整備されているか、契約内容の充分な説明があるか、文書による契約であるかなどを確認し、納得の上でサインしましょう。
④遺骨の引き渡し
業者に事前に遺骨を引き渡します。
渡し方は業者によっても異なりますが、業者が自宅まで引き取りにくるか、ご遺族様が業者へ持ち込むか、郵送をするかのいずれかになります。
⑤粉骨をする
海洋散骨をするには遺骨を粉骨する必要があるため、遺骨をお預かりしたら、業者がパウダー状に加工します。
海洋散骨当日の流れ
続いては散骨当日の流れです。
業者によって細かい手順の違いはありますが、ここでは、さがみ典礼で行っている海洋葬の流れを例にお伝えしたいと思います。
①乗船手続き
所定の場所にお集まりいただき、乗船手続きを行います。
②出港・散骨エリアへ
港を出発し、散骨エリアに到着したら、GPSにて正確な地点を記録します。
③開式の辞
海洋葬を開式します。ご希望があれば、故人様のお好きだった曲や思い出の曲などを流しながらセレモニーを行うこともできます。
④散骨
あらかじめ粉骨したご遺骨を海へと散骨します。
⑤献酒・献水・献花
散骨を終えたら海にお酒や水、花を撒きます。花は環境保護のため花びらを撒きます。花びらは、美しい彩りとなってくれるだけでなく、遺骨と一緒に撒くことで海流を可視化することができ、遺骨がどこへ流れていったかの目安にもなります。
⑥閉式の辞
黙祷をして閉式の辞を行います。
⑦帰港
すべてを終え、港へと帰ります。帰港までの所要時間は約1時間を予定しています。
以上がさがみ典礼の海洋葬の流れです。またさがみ典礼では、後日「海洋葬散骨証明書」を発行し、ご自宅へお送りしています。
海洋散骨の注意点
海洋散骨は比較的新しい供養方法ですので、人によっては抵抗を感じる方もいらっしゃいます。また、一度海に撒いた遺骨は戻りません。そのため遺族・親族間できちんと話し合った上で納得して行うことが大切です。後々、こうすればよかったという後悔が残らないよう、たとえば一部を納骨したり、手元供養に回すなどの選択肢も踏まえて検討するとよいでしょう。
海洋散骨のマナー
続いては海洋散骨を行う際のマナーについてです。
喪服は着用しない
海洋散骨は、陸地から一定の距離を離れたエリアで行いますが、出港場所は人目のある港になるため、喪服を着た人がぞろぞろと船に乗る姿に気分を害される方もいるかもしれません。そのような状況に配慮するためにも、海洋散骨に喪服で参加するのは避けましょう。
また船の上は陸地と違い突然の揺れや水はねなども考えられます。そのため靴は動きやすいスニーカーなどが望ましく、服もカジュアルな平服で参列しましょう。
自然環境に配慮して副葬品は控える
海洋散骨の際、遺骨と一緒に故人様の大切にしていたものなどを海に撒きたいと希望される方も多いと思いますが、自然環境に配慮し基本的には控えましょう。ただし、少量のお酒や花びらなどは認められることが多いです。そのため海洋散骨では、お清めや弔いの意味を込めて献酒・献水・献花がオプションとして用意されていることが多いです。
海洋散骨のよくある質問
海洋散骨は違法ではない?
厚生労働省による「墓地、埋葬等に関する法律」によると「第4条 埋葬又は焼骨の埋蔵は、墓地以外の区域に、これを行つてはならない。(原文ママ)」とあります。しかしこれは「埋葬」についての法律であり、遺骨を撒く「散骨」はこの限りではありません。また国は散骨について「墓地、埋葬等に関する法律においてこれを禁止する規定はない。」としているため、海洋散骨は法律違反にはあたりません。
ただし散骨場所の自治体の条例によって規制が設けられていることがありますので、管轄の自治体の条例は、事前に確認する必要があります。
海洋散骨は個人でもできる?
海洋散骨をするためにはルールがあります。
①遺骨を2mm以下の粉状に粉骨すること
②陸地から離れた散骨可能な海域で散骨すること
③散骨する場所を管轄する自治体の条例を遵守していること
上記の点が守られていればご自身で散骨することも理論上は可能です。
ただし、ご遺骨の粉砕は技術的にも精神的にも簡単な作業ではありません。また、散骨をするために所定の海域まで出るには船をチャーターしなくてはなりません。もちろんそのためには費用もかかります。そして何より、散骨後に「本当にこれでよかったのか」と後悔しても、遺骨はもう2度と戻ってはきません。
これらの手間や費用、リスクを踏まえ、安心・安全な散骨を行うためにも、海洋散骨は信頼できる業者に委託することをおすすめします。
海洋散骨したらお墓参りはどうすればいいの?
海洋散骨では、墓標がないため散骨後にお墓参りをすることはできません。しかし海は世界中どこにいても繋がっているため、海を見ると故人様を思い出し、前向きな気持ちになれるという方もいます。反対に手を合わせる墓標がないことで心の拠り所を失ってしまう方もいるかと思います。そのようなことを防ぐために、遺骨の半分を散骨し半分をお墓に納骨するという方法や、遺骨の一部を手元供養に回すという選択肢も検討してみるとよいでしょう。
海洋散骨したら年忌法要はどうなるの?
お墓に納骨した場合は、一周忌や三回忌など定期的に集まって法要が執り行われますが、海洋散骨の場合はそのような決まり事は特にありません。故人様をどのように供養するかはご遺族様の自由です。そのため、毎年命日に近くの海に出かけて偲んだり、ご自宅で供養を行なったり、最近は年忌法要に合わせて散骨した海域へクルーズをされる方も増えてきています。
信頼と実績の「さがみ典礼の海洋散骨」
さがみ典礼では、大切な故人様をやさしく自然に還すお手伝いをしています。
海洋散骨についてのご不明点やご不安点がありましたら、まずはお気軽にご相談ください。経験豊かなスタッフが、わかりやすくご説明いたします。
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