葬儀・家族葬コラム

法事・法要

2023.12.21

遺骨の処分に困ったら…。適切な供養方法を法律もふまえて解説します

「お墓がない」、「墓じまいを考えている」など、ご遺骨の処分を検討する理由はざまざまあると思いますが、どのように処分すればよいかわからないという方も多いのではないでしょうか。今回は、そのような方のためにご遺骨を適切に処分・供養する方法をお伝えします。海洋散骨樹木葬などさまざまな方法がありますので、ぜひ参考にしてください。

そもそもご遺骨は処分できるの?

適切な方法で処分するのであればもちろん可能ですが、やり方によっては法律に触れてしまう場合もあります。知らなかったとしても法律違反は立派な犯罪です。そうならないためにも、できることとできないことを事前に把握しておきましょう。

死体遺棄罪に問われるケース

刑法190条では、「死体、遺骨、遺髪又は棺に納めてある物を損壊し、遺棄し、又は領得した者は、3年以下の懲役に処する」と定められています。そのため、ないとは思いますがご遺骨をゴミ箱に捨てるなどの行為をした場合は、死体遺棄罪に問われてしまいます

埋葬する場所は法律で定められている

墓地埋葬法の第4条には「埋葬又は焼骨の埋蔵は、墓地以外の区域に、これを行ってはならない。火葬は、火葬場以外の施設でこれを行ってはならない。」とあります。つまり法律で定められた墓地以外の場所、たとえばご自宅の庭などにご遺骨を埋葬することは法律違反となります

ご遺骨を処分する理由はさまざま

ご遺骨を処分しなければならない理由はさまざまです。ここではいくつかのケースをご紹介します。

そもそもお墓がない

経済的な理由や故人様の信条などから、お墓を持たないケースがあります。その場合はご遺骨を自宅に保管する手元供養という方法がありますが、住宅事情などによって処分せざるを得ない場合も考えられます。

お墓に入りきらなくなってしまった

先祖代々のお墓を持っていても、お墓の下の納骨室がいっぱいで入りきらないというケースも考えられます。その場合は、古いご遺骨を別の場所に移動させるか、新しいご遺骨の納骨先を探すかで対処する必要があり、いずれにしてもご遺骨の処分は必要になります。

「墓じまい」を考えている

「後継がいない」「お墓が遠方でお参りに行けない」などの理由から墓じまいを考えるご家庭も近年増加傾向にあります。墓じまいでは、お墓を撤去することになるため、中のご遺骨も移動先を決めなくてはなりません。納骨されているご遺骨が多数ある場合は、処分を検討せざるを得ないこともあると思います。

菩提寺から納骨を拒否されてしまった

菩提寺はあるものの、「葬儀を菩提寺以外で執り行ってしまった」、または「許可を得ずに火葬のみでお見送りをしてしまった」、などの理由から菩提寺から納骨を断られてしまうケースがあります。その場合は、葬儀をやり直すことで納骨できるようになることもありますが、経済的な理由から難しいこともあります。そのような理由からご遺骨の処分を考える方がいらっしゃいます。

納骨堂に入りきらなくなってしまった

納骨堂にご遺骨を納めている場合も、中のスペースは限られているため入りきらなくなってしまうことがあります。その場合は、粉骨して小さな骨壷に収め直すこともできますが、処分を選択する場合もあります。

故人様との関係が薄い

身寄りのない故人様の場合、ほとんど会ったことのない遠い親戚がご遺骨の引き取り人となる場合があります。中には顔も知らない方のご遺骨を引き取ることになり、お墓に納骨すべきか迷われるというケースも考えられます。

ご遺骨の処分(供養)方法は全部で5通り

上記のようにさまざまな理由からご遺骨をどうすればよいか迷われている方がいらっしゃいます。そのような場合にご遺骨を処分(供養)する方法は、大きく分けて5つあります。

  1. 納骨堂を利用する
  2. 樹木葬で供養する
  3. 散骨する
  4. 納骨室の土に埋める
  5. 専門業者に依頼する

さっそく、それぞれに詳しくご紹介していきます。

納骨堂を利用する

霊園や墓地の管理者が供養や管理を行ってくれる納骨堂にご遺骨を納める方法です。納骨堂とは、近年「お墓の継承者がいない」、「維持管理することが難しい」などの事情によって需要を増やしている永代供養墓の一つで、ロッカー式、仏壇式、機械式などさまざまなタイプがあります。契約をすればどなたでも永続的に供養と管理が受けられるため、安心してご遺骨を預けることができます。

樹木葬で供養する

墓石の代わりに樹木を墓標とするお墓にご遺骨を納める方法です。前述の通り、勝手に適当な樹木の下にご遺骨を埋めることは法律にふれてしまうためできませんが、あらかじめ樹木葬用の墓地として許可を受けた土地であれば納骨することができます。納骨堂のように、契約をすれば管理者が代々お墓の管理と供養を行ってくれるので、継承者がいないご遺骨も安心して預けることができます。

散骨をする

ご遺骨を海や山に撒くことを散骨といい、日本では海洋散骨が主流です。散骨は法律によって規制されてはいないものの、やり方によってはトラブルに発展する場合があるため注意が必要です。

【散骨の注意点】

上記の点に気をつければ散骨は個人でもすることができます。しかし安易に個人で行うのはリスクが高いためあまりおすすめはできません。海洋散骨などを専門に行う業者に委託するのが最も安全でスムーズです。

さがみ典礼の海洋葬

さがみ典礼では、駿河湾沖合での海洋散骨を承っています。散骨場所へ向かうクルーザーチャーター料やご遺骨の粉砕処理料、献花・献酒・献水などの儀礼費などを一式含めたセット料金で、安心してご遺骨を海へ還すことができます。

納骨室の土に埋める

先祖代々のお墓はあるものの、納骨スペースが足りなくなってしまった場合、お墓の納骨室の下が土になっているタイプのお墓では、古いご遺骨をそこに埋めるという方法があります。また下が土でないお墓の場合は、古いご遺骨を粉骨して一つの骨壷にまとめてスペースを確保するという選択肢もあります。

専門業者に依頼する

専門業者にご遺骨の処分を依頼するという方法もあります。特に身寄りのないご遺骨を引き取った場合などは、依頼書に捺印をするだけで業者がすべて行ってくれるため手間がかからずスムーズです。

改葬許可証の発行について

墓じまいをする場合や、納骨室のスペースが足りないなどの理由からすでに埋葬されていたご遺骨を取り出して別の場所に移動する場合には、「改葬許可証」が必要になります。申請先はお墓のある市区町村の窓口です。改葬許可証は、墓じまいであればお墓の工事をする当日までにはなくてはならないものです。必ず事前に申請しておきましょう。また、ご遺骨1体に対して1枚の改葬許可証が必要となりますので、複数のご遺骨を移動する必要がある場合はご遺骨の数だけ許可証が必要になることを覚えておきましょう。

改葬許可証発行に必要な書類

改葬許可を取得するためには、改葬先の受入証明書墓地の埋葬証明書が必要になるため、先にご遺骨の移動先を決めておくことになります。それぞれの発行元は以下のとおりです。

受入証明書ご遺骨の新しい受け入れ先に発行してもらいます。
埋葬証明書現在のお墓の管理者に発行してもらいます。

散骨の場合の改葬許可はどうするの?

散骨の場合、改葬許可証は基本的には不要となります。ただし、自治体によっては便宜上改葬許可証を発行してくれるというところもありますので、まずはお墓のある自治体に確認してみましょう。

ご遺骨を適切に供養するために

ここまで、ご遺骨を適切に処分・供養するための方法をご紹介してきましたが、いかがでしたでしょうか。墓じまいで新たな納骨先を検討している場合は、後継がいなくても管理・供養してくれる納骨堂や樹木葬などを利用する、身寄りのないご遺骨を引き取ることになって困っているという場合は専門業者に委託するなど、ご自身のケースに合わせて適切な供養方法を選ぶようにしましょう。

長岡 一知

1級葬祭ディレクター

長岡 一知 (ナガオカ カズトモ)

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