葬儀・家族葬コラム

法事・法要

2023.10.27

親が亡くなったら?葬儀後の手続きや実家などの相続はどうすればいい?

いつかは必ず訪れる親の死。実際にその日が訪れたら、どのような手続きが必要になるのでしょうか。

ご家族が亡くなった後にしなければならない手続きは多岐に渡ります。期限の短いものも多く、忘れてしまうと受け取れるはずの給付金を受け取れないなど不利益を被ることもあります。

「家族が亡くなり、何から手をつけたらよいかわからない」

「できれば手間を省いて効率的に手続きを進めたい」

という方のために、ご逝去直後から遺産相続までの手続きをわかりやすく解説します。

もくじ

  1. ご逝去直後にすべきこと
  2. お通夜〜初七日法要まで
  3. 市区町村役場での手続き
  4. 年金事務所での手続き
  5. 生命保険会社への申請
  6. 加入している健康保険組合への申請
  7. その他の申請手続き
  8. 相続の手続き
  9. まとめ

ご逝去直後にすべきこと

  1. 死亡診断書(死体検案書)の受取り
  2. 訃報の連絡 
  3. 葬儀社へ連絡・打ち合わせ 
  4. 死亡届の提出と火葬許可証の受取り 

死亡診断書(死体検案書)の受取り

ご家族がご逝去されたら、まず最初に病院の医師やかかりつけ医が死亡診断書を発行してくれます。(事故死や突然死の場合は警察に連絡しましょう。その場合、検察による検死ののち死体検案書が発行されます。)
この死亡診断書は、その後の手続きでも必要になるため何枚かコピーをとっておきましょう

訃報の連絡

家族や親族など、故人様と関係の深い方には、電話でお亡くなりになったことを速やかにお伝えします。その際、葬儀の日程などはまた改めてご連絡すると伝えましょう。それ以外のご友人や会社の方などには、葬儀日程と合わせて訃報の連絡をします。

葬儀社へ連絡・打ち合わせ

葬儀社を決めて葬儀の依頼をします。もしエンディングノートなどで故人様のご希望がある場合はそれを尊重し希望の葬儀社へ連絡します。特に希望がない場合は、ネットなどで葬儀社を探します。

その際、ご遺体の安置場所(ご自宅または葬儀社の安置施設など)をあらかじめ決めておくとスムーズです。連絡を受けた葬儀社がお迎えにあがったら、所定の安置場所へ搬送・安置し、葬儀の打ち合わせを行います。宗教者や火葬場の空き状況を確認した上で葬儀の日程を決め、各所へ訃報の連絡をします。

死亡届の提出と火葬許可証の受取り

医師から受け取った死亡診断書(死体検案書)の左側が「死亡届」になっているので、必要事項を記入します。役所に死亡届を提出すると火葬許可証を発行してくれるのですが、この部分は葬儀社が代行してくれることが多いので、打ち合わせの際に確認しましょう。


もしご自身での提出が必要な場合は、下記のいずれかに提出します。

  • 死亡者の本籍地の役所
  • 届出人の住所地の役所
  • 死亡した場所の所轄の役所

提出の際に、合わせて火葬許可証の申請も行いましょう。火葬許可証は火葬をする際に必要になります。

お通夜〜初七日法要まで

  • お通夜、お葬式、初七日法要の準備 
  • 火葬済証明書の取得  

お通夜

早ければご逝去の翌日の夜がお通夜になります。

葬儀・告別式・火葬・初七日法要

お通夜の翌日に葬儀・告別式が行われ、火葬場にて火葬となります。

通常であればご逝去から七日後に行われる初七日法要も、最近は葬儀当日に行われることがほとんどです。告別式の後に続けて行われる「式中初七日」と、火葬後斎場に戻って改めて行われる「繰り上げ初七日」の2パターンがあります。

火葬済証明書の取得

火葬が終わると「火葬許可証」に印が押されて戻ってきます。この押印済の火葬許可証は、お墓への納骨の際に必要になるため、大切に保管しておきましょう

葬儀代金の支払い・領収書の取得

葬儀から約1週間を目安に葬儀社から請求書が送られてきますので、代金を支払います。ここで必ず忘れていはいけないのが領収書をもらうことです。できれば明細書もあるとよいです。領収書や明細書は、後々、葬祭費補助金を取得する際や相続の手続きでも必要になることがあるため、大切に保管しておきましょう

【葬儀代を故人の預金から支払いたい場合】 

お亡くなりになったという事実を銀行が知ると、故人の口座は凍結されてしまいます。

しかし銀行は大半の場合、遺族からの連絡によって死亡の事実を知ることになります。そのため銀行に伝える前であれば、故人の口座から葬儀費用分を引き出すことは可能です。

ただし故人の預金は相続財産になるため、必ず相続人全員にその旨を連絡し、納得の上で引き出しましょう。後々財産を着服したなどと疑われないためにも、葬儀費用の領収書を保管しておくことが大切です。 

葬儀がひと段落したら次は四十九日法要・納骨の準備に入りますが、それと並行して期限のある各種手続きも進めていくことになります。

市区町村役場年金事務所などへ、多岐にわたる申請が必要になりますので、次章では届け出先ごとに各種申請手続きについてまとめています。手続きのたびに何度も足を運ぶのは大変手間ですので、届出先が同じものはまとめて申請することをおすすめします。

市区町村役場での手続き

まず最初に故人がお住まいだった市区町村役場でできる手続きをご紹介します。

同じ役所でも手続きによって窓口が異なります。窓口がわからない場合は役所の方に聞いて教えてもらいましょう。それぞれ提出期限がありますのでなるべく期限内の提出を心がけてください。

【14日以内】健康保険の資格喪失届

亡くなった方の健康保険を返却する手続きです。

保険の種類届出場所必要書類・持ち物期限
国民健康保険国民健康保険窓口・被保険者資格喪失届

・故人の保険証

・高齢受給者証

・限度額適用認定証(対象者のみ)

・死亡を証明するもの
  戸籍謄本
  死亡届のコピーなど

・申請者の本人確認書類
  運転免許証など

・印鑑(不要な場合もあり)
死亡後14日以内
後期高齢者医療制度後期高齢者医療保険窓口

【14日以内】介護保険資格喪失届

亡くなった方が65歳以上の場合や、40歳以上、65歳未満で要介護・要支援認定を受けていた場合は介護保険の資格喪失届を出す必要があります。

保険の種類届出場所必要書類・持ち物期限
介護保険介護保険窓口・介護保険資格喪失届

・介護被保険者証

・介護保険負担限度額認定証(該当者のみ)
死亡後14日以内

【2年以内】葬祭費支給申請

亡くなった方が国民健康保険・後期高齢者医療保険に加入していた場合、遺族は葬儀費用の一部を給付金として受け取ることができます。

ご家族の状況や地域によって支給金額に差はありますが、以下の金額が支給額の目安となります。

国民健康保険・・・5万〜7万円

後期高齢者医療保険・・・3万〜7万円

届出の種類届出場所必要書類・持ち物期限
葬祭費の請求国民健康保険窓口
または後期高齢者医療保険窓口
・故人の保険証

・振り込み先銀行の通帳

・葬儀の領収書

・申請者の本人確認書類
 運転免許証など

・印鑑(不要な場合もあり)
葬儀の翌日から2年以内

【14日以内】住民票世帯主変更手続き

亡くなった方が世帯主であった場合、住民票の世帯主変更手続きを行う必要があります。死亡届の提出で住民票からは抹消されるので抹消届は不要です。正当な理由なく期限内に手続きをしなかった場合5万円以下の罰金があるとも明記されていますので、期限を過ぎないように注意しましょう。

届出の種類届出場所必要書類・持ち物期限
世帯主変更届戸籍・住民票窓口・世帯主変更届

・申請者の本人確認書類
 運転免許証など

・印鑑(不要な場合もあり)
死亡後14日以内

年金事務所での手続き

続いては年金事務所でできる手続きについてです。

【5日以内】健康保険資格喪失届

亡くなった方が会社の健康保険に加入されていた場合、資格喪失届の提出が必要です。提出期限が死亡後5日以内と早いので注意しましょう。ただし会社が退職手続きと合わせて行ってくれる場合も多いため、必ずしもご自身で手続きをする必要はありません。まずは故人の勤め先の担当者に問い合わせてみてください。

保険の種類届出場所必要書類・持ち物期限
会社の健康保険年金事務所・被保険者資格喪失届

・故人の保険証
死亡後5日以内

【10日/14日以内】年金受給停止

国民年金または厚生年金の受給者であった場合も、同じく資格喪失届の提出が必要です。こちらはご自身で手続きをする必要があります。もし怠った場合は不正受給になってしまうので注意しましょう。

※日本年金機構にマイナンバーが収録されている方は喪失届の提出を省略することができますが、未支給年金がある場合の未支給年金請求書は申請が必要です。

届出の種類届出場所必要書類・持ち物期限
国民年金受給停止年金事務所・受給権者死亡届

・故人の年金証書

・死亡の事実がわかるもの
  死亡診断書のコピー
  死体検案書のコピー
  住民票除票
  戸籍抄本 のいずれか
死亡後14日以内
厚生年金受給停止
死亡後10日以内

【5年以内】未支給年金の請求(対象者のみ)

亡くなった方が年金を受給していた場合、まだ受け取っていない年金や、亡くなった日より後に振込みされた年金のうち、亡くなった月分までの年金については、未支給年金としてその方と生計を同じくしていた遺族が受け取ることができます。

届出の種類届出場所必要書類・持ち物期限
未支給年金請求年金事務所・未支給年金/未支払給付金請求書

・故人の年金証

・申請者の続柄が確認できる書類(戸籍謄本など)
 生計を同じくしていたことがわかる書類

・振り込み先の通帳

※別世帯の場合は「生計同一関係に関する申立書」も必要
5年以内

【5年以内】遺族年金の請求(対象者のみ)

遺族年金には「遺族基礎年金」と「遺族厚生年金」があり、いずれも年金事務所で請求手続きができます。亡くなった方が国民年金に加入していた場合は「遺族基礎年金」、厚生年金に加入していた場合は遺族厚生年金」になります。

届出の種類届出場所必要書類・持ち物期限
遺族年金の請求年金事務所・年金請求書

・故人及び申請者の年金手帳

・戸籍謄本

・世帯全員分の住民票の写し

・死亡した人の住民票の除票

・請求者の収入を確認できる書類

・子どもの収入を確認できる書類

・死亡診断書のコピー

・振込先の通帳

・印鑑(不要な場合もあり)




死亡後5年以内

【2年以内】国民年金の死亡一時金請求

国民年金を一定期間納めていた人が、老齢基礎年金・障害基礎年金のいずれも受給しないままお亡くなりになられた場合、遺族が国民年金の死亡一時金を請求することができます。ただし遺族基礎年金を受給される場合は対象外となります。

届出の種類届出場所必要書類・持ち物期限
国民年金の死亡一時金請求年金事務所・故人の年金番号がわかる書類

・申請者の続柄が確認できる書類(戸籍謄本など)

・住民票除表

・申請者の世帯全員の住民票

・振込先の通帳
死亡日の翌日から
2年以内

ここまでが、年金事務所でできる手続きです。

そしてここからは、各種サービスの解約や名義変更の手続きなど、役所や年金事務所以外の手続きについてお伝えします。

生命保険会社への申請

亡くなった方が生命保険に加入している場合は、すみやかに保険会社へ連絡しましょう。受取人が保険会社に電話で連絡を入れると、保険会社から必要書類が送られてきます。書類に必要事項を記入し返送すると保険会社が支払い可否を判断します。

届出の種類届出場所必要書類・持ち物期限
保険金の受取り加入していた生命保険会社・保険証書

・除籍謄本

・受取人の本人確認書類
 運転免許証など

・印鑑(不要な場合もあり)
死亡後3年以内

加入している健康保険組合への申請

【2年以内】埋葬料の請求

亡くなった方が健康保険に加入している場合は「埋葬料」を請求できます。

請求すると、5万円の範囲内で実際に埋葬にかかった費用が支給されます。

届出の種類届出場所必要書類・持ち物期限
埋葬料請求加入している健康保険組合・健康保険埋葬料支給請求書

・健康保険証

・死亡診断書のコピー

・葬儀費用の領収書
死亡日の翌日から2年以内

その他の申請手続き

続いてクレジットカードや光熱費、携帯電話や免許証など故人名義で利用していたサービスの使用停止や名義変更の手続きについてです。放っておくと料金が発生してしまうものもあるので注意しましょう。

クレジットカードの利用停止手続き

クレジットカードの裏面に記載されている電話番号に電話をし、利用停止手続きを行いましょう。場合によっては、確認のために戸籍謄本や死亡診断書の提出を求められることがあります。何が必要かはカード会社によって異なるため、電話口の指示に従って手続きを進めてください。

水道光熱費など公共料金の名義変更

電気・ガス・水道の名義変更または解約手続きも必要です。

公共料金の名義変更は、わざわざ出向かずともホームページ上や電話で手続きができることがほとんどです。電気・ガスは契約している会社へ、水道はお住まいの市区町村の水道局に連絡しましょう。

届出の種類届出場所必要書類・持ち物期限
水道料金管轄の水道局・旧契約者の住所・氏名

・新契約者の住所・氏名

・水道のお客様番号

・電話番号

・引き落としする銀行口座

・届出印
速やかに
電気料金加入している電力会社会社やプランによって異なる
ガス料金加入しているガス会社

携帯電話・固定電話・インターネット・NHKの解約手続き

亡くなった方がスマートフォンなどの携帯電話をお持ちでしたら、解約の手続きが必要です。また同様に固定電話やインターネット回線、NHKの契約をしている場合も、各所へ連絡して手続きを行いましょう。電話やインターネットなどは使用していなくても基本料などがかかってしまうため、速やかに申請することをおすすめします。

届出の種類届出場所必要書類・持ち物期限
携帯電話解約手続き加入している携帯電話会社の最寄りのショップに事前予約を入れて手続き・故人の携帯電話本体

・印鑑(不要な場合もあり) 

・申請者の本人確認書類
 運転免許証など

・死亡が確認できる書類
 死亡診断書のコピーなど 
速やかに
NHK解約/名義変更NHKふれあいセンターに電話連絡

フリーダイヤル:0120-151515
ナビダイヤル:0570-077-077

営業時間 
9:00ー18:00
同じ世帯に住んでいてそのまま契約を継続する場合は名義変更が必要です。

名義変更の場合はインターネットからの手続きが可能です。
https://www.nhk-cs.jp/jushinryo/NameChangeTop.do
インターネット/固定電話の解約加入しているインターネット/電話会社に電話連絡して確認モデムやルーターがレンタルの場合は立ち会いが必要なことがあります。

運転免許証返納手続き

亡くなった方が運転免許をお持ちの方でしたら返納手続きが必要です。特に期限は設けられていませんので、落ち着いたタイミングで速やかに返納しましょう。もし手続きを行わなかったとしても、更新手続きを行わなければ自動的に免許は失効します。

届出の種類届出場所必要書類・持ち物期限
運転免許証返納手続き管轄の警察署・故人の運転免許証

・死亡診断書のコピー

・故人の除籍謄本

・申請者の本人確認書類
 運転免許証など
特になし

パスポートセンターへの申請

お亡くなりになられた方のパスポートは、パスポートセンターで返納手続きを行います。なお有効期限の切れているパスポートに関しては返納不要です。

届出の種類届出場所必要書類・持ち物期限
パスポート返納手続き管轄のパスポートセンター・返納届

・故人のパスポート

・死亡診断書のコピー

・故人の除籍謄本

・申請者の本人確認書類
 運転免許証など
特になし

相続の手続き

ここまでは、市区町村や年金事務所、各種契約の解約/名義変更などの手続きについて解説してきました。続いては相続手続きのおおまかな流れをお伝えします。

遺言書の有無の確認

まずは遺言書があるかを調べます。ある場合とない場合ではその後の進め方が異なります。

遺言書がある場合・・・遺言書の内容に従って財産分与を行う

遺言書がない場合・・・相続人全員で集まって分け方を決める

遺言書の検認

遺言書が見つかった場合は、家庭裁判所で検認という手続きを踏む必要があります。

もし勝手に開封してしまうと罰金の対象となるので注意しましょう。

相続人の調査

遺言書がない場合は、故人が生まれてから亡くなるまでのすべての戸籍謄本・除籍謄本を確認し、相続人が誰かを調べる作業が必要になります。

相続財産の調査

続いては故人が所有していたすべての財産を把握する作業になります。預金通帳や不動産、借金の有無などを確認します。不動産は毎月5月頃に役所から送られてくる固定資産税の課税明細書で確認することができます。

遺産分割協議の開始

相続人全員が集まり協議します。遺産の分け方が決まったら遺産分割協議書に相続人全員が署名押印をします。

【3カ月以内】相続方法の決定(相続・放棄・限定承認)

万が一多額の借金があり相続を放棄したい場合や、遺産の中から借金を返済し、残金がある場合に受け取る限定承認を希望する場合は、相続があったことを知った日から3カ月以内に手続きをしましょう。

【4カ月以内】所得税の準確定申告

故人が事業をしていたり、2000万円以上の所得がある場合は相続人が代わりに確定申告を行い所得税を納める必要があります。一般的な確定申告の時期とは関係なく、期限は死後4カ月以内です。

相続手続き

預貯金の相続をする場合は「払い戻し手続き」、不動産や自動車、株式などの相続をする場合は「名義返還手続き」が必要になります。

まとめ

ご逝去から相続の手続きに至るまで、ご家族様がやるべき手続きを駆け足でお伝えしてきましたが、いかがでしたでしょうか。これだけたくさんの手続きを限られた時間の中で行うことになるため、なるべく効率よく進めたいものです。期限のあるものや放っておくと費用が発生してしまうものは速やかに手続きを進め、同じ場所に提出する書類は一度にまとめて済ませることで、少しでも手間を減らすことができます。

長岡 一知

1級葬祭ディレクター

長岡 一知 (ナガオカ カズトモ)

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