葬儀・家族葬コラム
更新日:2026.10.28
遺影は元気なうちに撮る|終活写真の撮り方と、家族が困らない一枚の選び方
葬儀の際に祭壇に飾られる遺影写真は、ご家族が故人の写真の中から選ぶことが一般的でした。
しかし最近は、終活の一環として、ご自身で生前に撮影しておくという方も増えています。元気なうちに撮影しておくことで、自分らしい表情や姿を残すことができます。
そこで今回は、遺影写真を生前に準備するメリットや、撮り方や選び方のコツ、家族への伝え方をわかりやすく解説します。

遺影写真を元気なうちに撮影しておくメリット
遺影写真は、ご家族が葬儀の準備で慌ただしい中、限られた時間の中で選ばなければなりません。そのため、必ずしも、本人が望む写真や遺影に相応しい写真が選ばれるとは限りません。
一方、生前にご自身で準備しておくことは、次のようなメリットがあります。
自分らしい表情や服装で撮影できる
遺影写真は、葬儀の際に祭壇に飾られるだけでなく、葬儀後も仏間に飾られるなど、ご家族の手元に残り続けるものです。
だからこそ、元気なうちに自分らしい表情や服装で撮影して、納得のいく1枚を選んでおくことが大切です。
家族が葬儀の準備で写真選びに悩まずに済む
遺影写真のデータは、葬儀の打ち合わせの際にその場で求められることが多いです。
葬儀前のご遺族は、悲しみの中、役所手続きや葬儀の準備に追われ、慌ただしい日々を過ごしています。そのため、事前に写真を用意しておくことで、ご遺族のご負担を少しでも軽減することができます。
気に入った写真を自分で選べる
ご遺族が限られた時間で選ぶよりも、生前に、自分で気に入った写真を選ぶ方が、より遺影に相応しい写真を残すことができます。
過去の写真からお気に入りの一枚を探したり、遺影用に服装を整えて撮影したりしながら、納得のいく写真を見つけておきましょう。
終活で遺影写真を撮影する方法
生前に遺影写真を撮影する方法は、いくつかあります。予算や希望に合わせて、ご自身に合った方法を選びましょう。
スマホやデジタルカメラで自分で撮影する
最近は、スマートフォンやデジタルカメラでも綺麗なポートレートが撮れるようになってきました。自撮り機能を活用するほか、三脚を使ってタイマーで撮影する方法もあります。
ご自身で撮影するため、費用もかからず、好きな時に好きな場所で撮影できる点がメリットです。
家族や友人に撮影してもらう
ご自身で撮影するのが難しければ、ご家族やご友人に協力してもらうのもよいでしょう。周囲に写真の得意な人がいれば、その方に頼むという方法もあります。
親しい人に撮影を任せることで、会話を楽しみながら、自然な表情を引き出してもらえるかもしれません。
写真館やフォトスタジオでプロに撮影してもらう
写真館やフォトスタジオでプロのカメラマンに撮影してもらう方法もあります。プロのカメラマンなら、構図や光の加減などを調整しながら、きれいな写真に仕上げてもらうことができます。
費用はかかりますが、撮影時の姿勢や表情についてアドバイスを受けられるほか、希望に応じて背景や服装にもこだわることができます。記念写真としても残せるため、特別な一枚を用意したい方におすすめです。
後悔しない遺影写真の撮り方
次に、後悔しないための遺影写真の撮り方のポイントを、詳しく解説します。
自然な笑顔や自分らしい表情を意識する
遺影写真の撮影では、自然な表情を残すことが大切です。そのためには、リラックスして撮影に臨みましょう。肩の力を抜いて、カメラを意識しすぎないようにすると、普段に近い自然な表情を引き出しやすくなります。
顔がはっきり見える明るい場所で撮影する
顔がはっきり見えるよう、充分な明るさを確保することも大切です。
明るいうちに自然光の入る部屋で撮影したり、室内の照明を活用したりするなど、場所や時間帯に合わせて工夫をしましょう。また、自然光が入る場所でも逆光になると顔が暗く映る場合があります。顔に光が当たるよう、立ち位置にも注意しましょう。
背景がシンプルな場所を選ぶ
遺影写真を撮影する際は、白い壁をバックにするなど、なるべくシンプルな背景を選ぶことをおすすめします。背景に物がごちゃごちゃしていたり、色が多かったりすると、人物の印象が薄れてしまうことがあるためです。
白や淡いパステルカラーなどを背景に選ぶと人物が引き立ちます。
正面だけでなく複数の表情や角度で撮影する
撮影する際は、正面からの写真だけでなく、何枚か角度を変えて撮ってみるとよいでしょう。表情も自然な笑顔や、軽い微笑み、落ち着いた表情など、いくつかバリエーションを試してみましょう。
複数の写真を撮影しておくことで、後から見比べながら、自分のお気に入りの1枚を選ぶことができます。
遺影写真の選び方 ー 家族が困らない一枚とは
遺影撮影をしたら、次は選び方です。複数の写真の中からどれを選ぶか迷ったときは、次のポイントを参考にしてください。
自分らしさが伝わる写真を選ぶ
遺影写真は、まず「どれが一番自分らしいか」を基準に選ぶことが大切です。自分が思う自分らしさと、周囲の人が感じるその人らしさは異なる場合もあります。そのため、迷ったときは、ご家族やご友人に相談してみるのもおすすめです。
顔が鮮明で、充分な画素数がある写真を選ぶ
写真を選ぶ際は、顔がはっきりと写っているかに加え、引き伸ばしても充分な画素数が保てるかも重要です。元の画素数が少ないと引き伸ばした時に顔がぼやけてしまうことがあります。
200万画素以上であれば、拡大に耐えられると言われているため、写真を選ぶ際は、画素数にも注意しましょう。
自分が気に入っている写真を優先する
自分自身の遺影写真だからこそ、自分が「気に入っていること」や「納得していること」が、何より大切な判断基準になります。
写真を一枚ずつ見比べながら、「自分がどのように写っていると心地よく感じるか」「自分らしさが伝わると感じるか」を考えてみましょう。
加工で対応できる部分と難しい部分を知っておく
遺影写真は、元の写真の状況に応じてさまざまな加工が可能です。たとえば、「背景を変える」「服装を変える」「写り込みを削除する」などは加工技術で補えることがあります。
一方、顔の一部が物で隠れている場合の復元や、極端にピントがぼけた写真の修正などは、自然な仕上がりにすることが難しい場合があります。
このように、加工で対応できる範囲には限りがあります。気に入った写真が見つかったら、画質や写り方を確認し、必要に応じて葬儀社などに加工が可能か相談してみましょう。
遺影写真はどんな服装で撮影すればよい?
次に、遺影撮影をする際の服装やメイク、髪型について解説します。
普段着やお気に入りの服でも問題ない
基本的には、普段着で問題ありません。お気に入りの服や自分らしさが伝わる服があれば、その服を着用しましょう。
メイクや髪型は普段の自分らしさを大切にする
遺影の撮影をするときは、メイクや髪型を整えておくとよいでしょう。メイクは普段の自分らしさを大切にしながら、自然に見えるように仕上げます。また、髪型は、顔にかかりすぎないように整え、表情がはっきり見えるようにしましょう。
帽子をかぶる場合は、つばの形や広さによって、顔に影ができてしまうことがあるため、写り方に注意が必要です。
明るい色や柄の服を選ぶときのポイント
服の色や柄が目立ちすぎると、顔よりも服に視線が集まってしまうことがあります。華やかな柄物を選ぶ場合は、顔立ちが引き立つデザインかどうかを意識しましょう。
背景とのバランスを考える
服装を選ぶ際は、背景との色の組み合わせにも注意しましょう。
たとえば、背景が白い壁で服も白い服だと、全体がぼんやりしてしまいます。服の色を選ぶ際は、顔写りはもちろんのこと、背景とのバランス・相乗効果を考えて選ぶとよいでしょう。
撮影した遺影写真を家族に共有・保管する方法
遺影写真が決まったら、写真やデータは、家族がすぐに見つけられる場所に保管しておきましょう。また、保管場所や使用して欲しい写真を、家族に共有しておくことも大切です。
ここでは、写真やデータを共有・保管するときのポイントを解説します。
写真データだけでなく保存先も伝えておく
家族に写真データを共有するときは、元の写真データ(マスターデータ)の保存先がどこかも合わせて伝えておきましょう。万が一、家族が写真を紛失してしまった場合でも、保存場所がわかっていれば再度取り出すことができます。
第一候補と予備の写真を用意しておく
決定した遺影写真以外に、予備の写真も数枚用意し、家族と共有しておくことをおすすめします。ご自身が気に入った写真でも、画質や顔の写り方などによっては、遺影として使用するのが難しい場合があります。
予備の写真があれば、万が一第一希望の写真が使えなくても、他の候補から選ぶことができ、ご遺族が慌てて写真を探す手間が省けます。
エンディングノートに希望や保管場所を記録する
エンディングノートを用意している場合は、遺影写真の保存先や使用して欲しい写真についての希望を記しておきましょう。口頭で共有していたとしても、何年か経てば、家族が忘れてしまう可能性があるためです。
また、エンディングノートを保管している場所も家族に伝えておくと、いざというときに見つけてもらいやすくなります。
あわせて読みたい
遺影とは?いつまで飾る?飾り方や処分方法を解説
遺影写真についてよくある質問(FAQ)
最後に、遺影写真についてよくある質問とその答えをまとめました。
Q:遺影写真は何歳くらいで撮影すればいいですか?
A:遺影写真を撮影する年齢に、明確な決まりはありません。元気なうちに、自分らしい表情や姿を写真に残しておくとよいでしょう。
年月が経つにつれて、顔立ちや髪型などの印象は変わることがあります。そのため、撮影後も必要に応じて写真を撮り直し、更新していくことをおすすめします。
終活の一環として遺影写真を準備するなら、年齢にこだわらず、思い立ったときに撮影しておくのがおすすめです。
Q:遺影写真は笑顔でもよい?
A:遺影写真は、笑顔でも問題ありません。穏やかな微笑みはもちろん、満面の笑みや歯を見せて笑っている写真を選ぶこともできます。
大切なのは、その人らしさが伝わる表情であるかどうかです。葬儀の場にふさわしいかどうかだけで判断するのではなく、自分らしい表情かどうかを基準に選ぶとよいでしょう。
Q:昔の写真やスマホで撮った写真でも使える?
A:昔の写真やスマートフォンで撮影した写真でも、遺影として使用できる場合があります。
スマートフォンで撮影した写真でも、画質や顔の写り方に問題がなければ、遺影として使用できます。ただし、画素数が充分でも、顔がぼやけていたり、顔の一部が隠れていたりすると、使用が難しい場合があります。
また、昔の写真を使用する場合は、撮影当時と晩年とで印象が大きく異なっていないかも考慮しましょう。写真の状態や仕上がりについて不安がある場合は、葬儀社に相談してみることをおすすめします。
Q:遺影写真は何年前までのものを使える?
A:遺影写真に使用できる写真の撮影時期に、明確な決まりはありません。何年前の写真であっても、本人らしさが伝わり、遺影として使用できる状態であれば、候補にすることができます。
ただし、あまりにも若い頃の写真など、参列者が知っている故人の印象と大きく異なる場合は、違和感を覚える方もいるかもしれません。できるだけ晩年の故人らしさが伝わる写真を選ぶとよいでしょう。
一方、晩年に病気などの事情で写真を撮る機会がなかった場合や、本人が元気だった頃の写真を希望していた場合などは、以前の写真を使用することも選択肢の一つです。
Q:遺影写真の撮影にかかる費用はいくら?
A:遺影写真の撮影費用は、撮影方法や利用するサービスによって異なります。
写真館やフォトスタジオでプロのカメラマンに撮影してもらう場合は、撮影料金や写真データの受け取り、プリントなどに費用がかかります。料金は施設やプランによって異なりますが、1万円〜3万円程度が目安となります。
一方、スマートフォンなどで自分で撮影する場合は、手持ちの機材を使えば撮影費用を抑えられます。写真をプリントする場合は、別途プリント代が数百円かかります。
予算や希望に応じて、自分に合った方法で遺影写真を準備しましょう。
元気なうちに自分らしい遺影写真を準備しておきましょう
遺影写真は、葬儀の際に故人を偲ぶ大切な写真です。いざ必要になったときに慌てないためにも、元気なうちに自分らしい表情の写真を撮影し、準備しておくと安心です。
撮影する際は、特別な服装や場所にこだわりすぎず、普段の自分らしさが伝わる一枚を残しましょう。また、写真を選ぶときは、顔がはっきりと写っているか、本人らしい表情かといった点も大切です。
撮影した写真は、家族が見つけられる場所に保管し、遺影に使いたい写真の希望も伝えておくと、いざというときに家族の負担を減らせます。
終活の一環として、自分らしい遺影写真を準備するとともに、家族と写真について話し合ってみてはいかがでしょうか。
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