お葬式のマナー
2023.07.27
無宗教の葬儀について。マナーや流れを紹介
日本で執り行われる葬儀の多くは仏教に基づいた仏式ですが、最近では、無宗教のご葬儀もよく耳にするようになりました。無宗教葬は儀式やしきたりにとらわれない比較的自由度の高い葬儀として注目を集めています。
今回は無宗教の葬儀とはどのような葬儀なのか、マナーや流れ、注意点などを解説します。
無宗教葬とは
文字通り宗教にとらわれず自由な形式で執り行われる葬儀のことで、別名自由葬ともいわれます。儀礼やしきたりに縛られることがないため、お別れ会のような形式にすることも可能です。また無宗教だからといって宗教を否定しているわけではなく、特定の宗教・宗派にこだわらない葬儀という意味ですので、従来の葬儀から宗教儀式の部分を簡略化して行ったり、極端な話、さまざまな宗教の儀礼をミックスして行うことなども可能です。
無宗教葬は「形式にとらわれず、最期は故人様らしく送り出したい」「儀礼だけの堅苦しい葬儀はしたくない」「葬儀費用を抑えたい」などさまざまな理由から選ばれているご葬儀です。
無宗教葬のメリット(特徴)
無宗教の葬儀のメリットは以下の通りです。
自由度の高い葬儀にできる
前述の通り、宗教儀式などを行う必要がないため、揃えなくてはならない物品やこうすべきという形式などの決まりが一切ありません。そのため「プロの演奏家を呼んで生演奏で明るく送り出したい」、「弔辞ではなく手紙を朗読したい」、など「こうしたい」というご希望がある場合は、それを実現することができます。
故人様の遺志を反映しやすい
特定の宗教に則った形式や決まり事があるわけではないため、故人やご遺族様の意向を反映しやすいご葬儀です。たとえば葬儀の途中で故人様との想い出を集めたスライドショーを流したり、故人様の好きだった曲の生演奏を行うなど、生前故人様が葬儀について希望を仰っていた場合は、そのご希望を叶えてさしあげることができます。
宗教的なタブーを気にしなくて良い
よく仏式の葬儀ではそれぞれの教義に基づいた禁忌があります。たとえば浄土真宗やキリスト教の葬儀では「ご冥福をお祈りします」は言ってはいけない言葉とされています。また服装などのマナーにも宗教に基づく考えが反映されています。しかし無宗教葬であればご遺族様も会葬者もそのようなタブーをそこまで気にする必要はありません。
費用を抑えることができる
通常の葬儀であればお布施といって僧侶など宗教者にお渡しする費用が必要になりますが、宗教儀式を行わない無宗教葬の場合は必要ありません。そのためその分の費用を抑えることができます。
無宗教葬の注意点
葬儀会社と共通認識を持つ必要がある
無宗教葬は、形式にとらわれない自由なスタイルの葬儀ですが、その分ご遺族様側が具体的にどのような葬儀にしたいかを葬儀会社に明確に伝える必要があります。ある程度形式が決まっている葬儀であれば葬儀社に任せておけば安心という部分もありますが、無宗教葬の場合、万が一葬儀社と共通の認識をもてなかった場合、まとまりのない葬儀になってしまう可能性があるので注意が必要です。
菩提寺に入れないことを理解しておく
無宗教葬を行った場合、先祖代々受け継がれている菩提寺のお墓に入ることは難しいです。基本的に「宗教宗派不問」の霊園や納骨堂を探すことになります。このように葬儀後の納骨先が限られてしまうことも念頭に入れておきましょう。
家族や親族としっかり話し合ってから決める
無宗教葬は新しい葬儀の形です。そのため形式や伝統を重んじる親族様などから反対を受ける可能性もあります。事前によく確認をして、同意を得てからおこなうことが大切です。
無宗教葬のできる葬儀社に依頼する
葬儀社によっては無宗教葬に慣れていない葬儀社もあるため、無宗教葬を行いたい場合は、葬儀社選びから気をつけなければいけません。
さがみ典礼では無宗教の葬儀も承っています
経験豊富なスタッフがご遺族様のご希望をお伺いしたうえで、ご要望に合わせた葬儀を取り仕切らせていただきます。栃木県・茨城県西エリアで無宗教葬をお考えの方は、さがみ典礼にご相談ください。
無宗教の葬儀の流れ(式次第)
では、無宗教の葬儀は実際どのような流れで執り行われるのでしょうか。
基本的にはご遺族様のご希望に合わせて自由な流れで行うことができますが、ある程度形が決まっていた方がよいという方のために一例としてモデルケースの流れを記載しておきます。
1 参列者入場
参列者が入場します。
2 開式の言葉
司会者が開式を告げる挨拶をします。
お亡くなりになられた日時や故人のお人柄、無宗教葬であることなどを簡潔にお伝えします。
3 黙祷
仏式の葬儀であれば読経が行われますが、無宗教葬では皆さんで黙祷を行うことが多いです。
4 献奏
無宗教葬では、故人様のお好きだった音楽を流したり、生演奏が行われたりすることがあります。演奏以外に、故人様の経歴を紹介したり、スライドなどを使って故人様との思い出を振り返る時間を設ける場合もあります。
5 弔電紹介
いただいている弔電があれば読み上げます。
6 お別れの言葉
参列者代表が、故人様への気持ちを伝える挨拶をします。
7 感謝の言葉
ご遺族代表が参列者への感謝の言葉を述べます。
8 献花
無宗教葬では焼香の必要はありませんが、場合によっては参列者お一人お一人が祭壇に花を手向ける献花を行うこともあります。
9 お別れ
親族が、出棺前に故人様との最後のお別れをします。
一般的な仏式の葬儀でも出棺前に棺にお花を入れて送り出しますが、無宗教葬でも同じように行うこともあります。その場合、ご遺族様に限らず希望される参列者がいれば一緒に行ってもらいましょう。ただし順番は遺族・親族・参列者の順に行います。
10 閉式の言葉
司会者が閉式の挨拶を行います。
無宗教葬のマナー
無宗教葬はこれまでお伝えしてきたように、一般的な葬儀に比べて守らなければならないマナーは少ないですが、まったくないというわけでもありません。葬儀である以上一定のマナーは守って参列しましょう。
無宗教葬の服装
参列する際の服装にも基本的には決まりはありません。故人の意向で自由な服装で行うこともできますが、特に何も指定がない場合は、喪に服するという意味でも喪服で参列するのが相応しいでしょう。
【男性】
黒のスーツ・白いシャツ・黒いネクタイ・黒い靴下・黒いベルト・黒い靴
【女性】
黒のワンピース/アンサンブル/スーツ・黒い薄手のストッキング・黒い靴・黒いバック
無宗教葬の香典
参列者は、お香典も通常の葬儀同様に持参します。お包みする額も一般的なお葬式と同じ相場と思って問題ありません。
【香典の相場】
ご両親 | 3万〜10万 |
義理の両親 | 3万〜5万 |
兄弟 | 3万〜5万 |
祖父母 | 1万〜5万 |
叔父叔母 | 1万〜5万 |
無宗教葬の供養の仕方
注意点の章でも少し触れた通り、無宗教葬の場合、納骨場所となるお墓はどうなるのか、戒名や四十九日法要をどうすればよいかなど、葬儀後の供養の仕方について気になる方も多いと思います。
無宗教葬の場合の読経
無宗教葬ではもちろんお経は必要ありませんが、お経だけはあげてもらいたいなどの希望があれば、僧侶をお呼びして読経してもらうことも可能です。その場合は、葬儀社に相談してみましょう。
無宗教葬の場合の四十九日法要
そもそも四十九日という考え方は仏教に基づくものなので、無宗教葬の場合は四十九日に法要を行わなくてはいけないという決まりはありません。ただ、故人を偲ぶ機会として会食などを行う場合も多いようです。
無宗教葬の場合の納骨と戒名
につけていただく戒名も必要ありません。ただし先祖代々受け継がれている菩提寺への納骨を希望される場合は戒名が必要になるため、どのような方法があるかお寺に事前に相談しておきましょう。すでに無宗教葬を取り行った後で、菩提寺に納骨したい希望がある場合、再度葬儀をやり直さなければならない可能性もあります。
また先祖代々のお墓にこだわりがない場合は、宗教宗派不問で受け入れてくれる霊園や納骨堂などを探しましょう。
さがみ典礼では、葬儀のアフターサポートとしてお墓の手配のお手伝いもさせていただいています。「宗教宗派不問のお墓を希望している」などのご相談もお気軽にお申し付けください。
無宗教葬の場合の納骨先
●永代供養
霊園などがご遺族様に変わって遺骨を管理してくれる供養方法です。宗教・宗派問わずお墓を建てる必要もないため、無宗教葬でも納骨することができます。
●海洋散骨
パウダー状にした遺骨を海に撒く供養方法です。宗教にとらわれない埋葬方法ですので、無宗教葬でも納骨することができます。
●樹木葬
樹木を墓標にして納骨する供養方法です。こちらも宗教・宗派不問で、無宗教葬でも納骨することができます。
●宗教宗派不問の墓地
多くのお寺は特定の宗教が決まっていますが、中には宗教を問わないお寺や霊園もあります。そのようなお寺や霊園を見つけられれば、無宗教葬でも納骨することができます。
●公営墓地
基本的に公営墓地は宗教不問のため無宗教葬を行った後でも問題なく納骨できます。
まとめ
無宗教葬は自由な分、ご遺族様が決めることも多くなる
ここまで無宗教の葬儀の注意点やマナー、流れなどをご紹介してきましたがいかがでしたでしょうか。無宗教葬は自由な分、ご遺族様が決めることも多くなり大変な一面もあります。また葬儀後の納骨先などには制約もでてきますので、葬儀だけでなくその後の供養のことも考えて決められることをおすすめします。また無宗教葬は一般的な葬儀以上に葬儀社との連携も必要になりますので、なんでも相談でき、実績のある葬儀社を選ぶことが大切です。
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