葬儀・家族葬コラム

お葬式のマナー

2023.11.09

通夜前に安置室での面会はできる?マナーや注意点、焼香の作法も解説します。

ほとんどの場合、お通夜や告別式の時に故人様と初めて対面することになりますが、一部の人に限って、お通夜より前に、安置室での対面ができる場合があります。ただし、安置室は、葬儀前に故人様が一時的に安置されている場所のため、ご遺族に失礼のないようマナーを守って面会をしましょう。

今回は、安置室で故人様と対面する際の、マナーや注意点、そして対面時の流れや焼香のやり方についても解説します。

安置室とは?

お通夜や告別式を前に、故人様のご遺体を一時的に安置しておく部屋のことを安置室といいます。ご逝去後のご遺体は、病院または警察署の安置施設に数時間一時安置されたのち、斎場などに設けられている専用の安置室へと搬送・安置される流れが一般的です。また、故人様の住み慣れたご自宅を安置室代わりに利用するご遺族様もいらっしゃいます。

安置室での面会が許される人とは?

安置室での面会は、すべての方ができるというわけではありません。安置室への弔問が許されているのは、故人様のご親族や、生前特に深い関係にあった方のみです。そのため、それ以外の方は、お通夜や告別式を待って故人様と対面することになります。

安置室での面会時のマナー

さっそく、安置室での面会時に気をつけるべきマナーや注意点についてお伝えします。

必ず事前連絡をする

まず、弔問の際には事前連絡をしましょう。たとえご親族や親しい関係にある方でも、勝手に弔問に伺うのはルール違反です。安置室によっては、面会時間に制限が設けられている場合や、事前予約が必要な場合があります。また、あたりまえですがご自宅に安置されている場合は、ご遺族の都合も考慮しなくてはなりません。

安置室への弔問は、弔問してよいか確認するだけでなく、ご迷惑にならない時間帯も確認し、先方のご都合に叶う範囲内で面会に伺うようにしましょう。

喪服での弔問はマナー違反

弔問といえば喪服と考える方も多いとは思いますが、安置室へ喪服で面会に行ってしまうと、死を予想して準備していたかのように受け取られてしまうことがあります

葬儀の前に弔問する場合は、急いで駆けつけたことを伝えるためにも、黒やグレーなど暗めの色の普段着を着用していくのがマナーです。普段着といっても、カジュアルすぎない地味でシンプルなものを選びましょう。もちろんビジネススーツなどでも問題ありません。また派手なメイクや華美な服装は避け、結婚指輪以外のアクセサリーはつけずに弔問するのがマナーです。

香典は持参しない

安置室への面会時は、香典も持参しないのがマナーです。服装同様に、死を予想して準備していたと思われてしまう可能性があるためです。ただし、やむを得ない理由からお通夜にも告別式にも参列できないという場合など、時と場合によっては持参してよいこともあります。そのような場合には、事前にご遺族に承諾を得てから持参しましょう。

もし手ぶらで弔問に伺うのは気が引けるという場合は、故人様の好きだったお菓子や花などの供物を持参するとよいでしょう。

手短に済ませる(長居はしない)

突然大切な人を亡くし、できることなら気の済むまで故人様のそばにいたいというお気持ちもあると思いますが、安置室での面会に長居は禁物です。ご遺族に失礼にならないよう、なるべく手短に済ませる心構えを持って伺いましょう。

白い布は、勝手にはずさない

故人様との対面時、お顔にかけられている白い布を勝手にはずすのはマナー違反になります。必ず、ご遺族にはずしてもらうようにしましょう。

死因を尋ねない

ご遺族からお話がないのにも関わらず、こちらから死因について触れるのはマナー違反です。ご遺族のお気持ちを最優先に考えて、不必要な会話を持ちかけないよう注意しましょう。

安置室での面会の流れ

続いて、実際に安置室へ弔問に伺った際の流れについてお伝えします。

注意するべきマナーについてもお伝えしますので、ぜひ参考にしてください。

①まず初めに、必ずお悔やみの挨拶をする

ご遺族にお会いしたら、まずお悔やみの挨拶をお伝えし、供物などがあれば手渡しします。

②ご遺族から焼香を勧められたら焼香をする

ご遺族に挨拶をしたタイミングで、もし焼香を勧められれば焼香をします。

焼香の仕方は宗旨宗派によっても変わります。詳しくは宗教別焼香のやり方の章を参考にしてください。

③故人様の枕元で一礼をする

故人様の枕元へ赴き、正座をし、手をついて一礼します。

その後、ご遺族に故人様の顔にかかっている白布を外してもらい、一礼して合掌をします。

④ご遺族に一礼をする

最後に、一歩下がってご遺族の方を向き、一礼して終了となります。

お悔やみの述べ方の注意点

安置室を弔問する際、最初にお悔やみの言葉を伝えると述べましたが、ここでは具体的にどのような言葉をかければよいかをお伝えします。

代表的なお悔やみの言葉には

「このたびはご愁傷様です」

「心よりお悔やみ申し上げます」

などがあります。

ほかにも

「残念でなりません」

「ご冥福をお祈りします」

などを用いることもありますが、最後の「ご冥福をお祈りします」は、浄土真宗や神道、キリスト教では使われないので注意が必要です。仏教用語で死後の幸福な世界を表す「冥福」は、死後の世界に対する根本的な考え方が異なる他宗教では用いないことを覚えておきましょう。浄土真宗は仏教ですが、亡くなった方は死後すぐに仏様になるという教えのため冥土の旅をするという考え方がありません。

またそもそもキリスト教の場合、お亡くなりになることは「天国へ召される喜ばしいこと」と捉えるためお悔やみの言葉は用いず、「神さまの平安がありますように」「お祈りします」などのようなお声がけをします。

宗派別 焼香のやり方

続いて面会の際に、ご遺族から焼香を勧められた場合の焼香の仕方についてお伝えします。焼香のやり方は宗派によっても異なります。線香を立てるのか寝かせるのか、何本立てるのか、抹香を額におしいただくのか、香炉にそのまま落とすのか、など宗派ごとの作法をまとめました。また、焼香が終わり線香の火を消す時は、口でフーと吹くことはせず、あいている手で仰いで消すのがマナーです。

面会の際には、あらかじめ故人の宗派を知っておくとスムーズに焼香をあげることができます。

宗教・宗派抹香線香その他
真言宗3回 
おしいただく
3本
たてる
曹同宗2回 ※1本
たてる
※抹香は、1回目は額の前におしいただき、2回目はおしいただかない。
臨済宗1回
おしいただかない
1本
たてる
浄土宗1回
ややおしいただく
1本
たてる
浄土真宗本願寺派1回
香炉に落とす
1本
寝かせる ※
※線香を寝かせるときは火のついている方を左にする。また香炉が小さい場合は2~4本に折ってから寝かせる。
浄土真宗大谷派2回
香炉に落とす
1本
寝かせる  ※
天台宗3回
おしいただく
1本または3本たてる
日蓮宗1~3回 ※
おしいただく
1~3本たてる※抹香を額におしいただく回数は宗内宗派によって違いがあります。
日蓮正宗3回
おしいただく
3本
寝かせる

※お寺によって若干作法が異なることがあります。

安置室での弔問は、ご遺族への配慮を忘れずに

いかがだったでしょうか。今回は、お通夜の前に、安置室で故人様との面会をする際のマナーや流れについてお伝えしてきました。親族や親しい方など限られた方ではありますが、事前にご遺族の許可を得た上で、安置室での面会をすることは可能ですが、その際はご遺族のお気持ちを最優先し、マナーを守って弔問するようにしましょう。服装は喪服ではない暗めのカラーの落ち着いた服装で、香典は持参しないなど、葬儀に参列する際のマナーとは異なる部分があるため、事前にマナーをチェックして弔問されることをおすすめします。

鈴木 波紀

1級葬祭ディレクター

鈴木 波紀 (スズキ ナミキ)

安心して任せていただけるよう、心を込めてお手伝いいたします。

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