お葬式のマナー
2024.02.09
神道のお葬式では僧侶や戒名はどうする?基本知識とマナーも解説
仏式のお葬式では「僧侶」が、キリスト教のお葬式では「神父」や「牧師」が儀式を司りますが、神式のお葬式では誰がその役割を果たすのでしょうか。神式の葬儀は仏式と似た部分も多いですが、根本的な考え方や、細かいマナーに違いがあります。
今回は神式のお葬式について詳しくお伝えします。
「神式では神主さんが儀式を執り行うの?」
「戒名は必要?」
などのよくある質問に対する答えはもちろん、仏式の「焼香」にあたる玉串奉奠のやり方や基本マナーまで、仏式との比較も交えながら解説していますので、これから神式の葬儀に参列予定の方や、神式の葬儀のマナーを知りたいという方も、ぜひ参考してください。
神道(しんとう)とは
神道は、日本古来に起源を辿ることができる宗教で、民間信仰の一種です。仏教や儒教など海外から宗教が伝来することで形を変えながら現在まで受け継がれてきました。神道の定義は、そもそも専門家の間でも定まっていない曖昧なものです。しかし無宗教者が多いと言われる私たち日本人が、お正月には神社に初詣に行き、何かにつけてお守りを身につけるなどの行動が自然に行われていることからも、私たちの生活に密接な宗教といえるのではないでしょうか。
教祖がいないのが特徴
神道には、仏教におけるブッダやキリスト教におけるキリスト、イスラム教におけるアッラーのような唯一神は存在しません。代わりにあらゆる森羅万象に神々が宿ると考えられており、教祖もいなければ経典もありません。
神道における葬儀とは
神道では、肉体は魂が宿る器のようなもので、その器がなくなったとしても魂は永遠にこの世に残り続けると考えられています。つまり亡くなった方の魂はこの世にとどまって、家や国、地域などそれぞれの場所の守り神になるとされているのです。そのため神道における葬儀は、亡くなった方の魂を守護神として祀るための儀式ということになり、名称自体も「神葬祭(しんそうさい)」といいます。また通夜は「通夜祭」、告別式は「葬場祭」、火葬は「火葬祭」というなど葬儀に続く神事はすべて祭とされています。
神式の葬儀で儀式を司るのは「宮司(ぐうじ)」
神道には「宮司」「権宮司(ごんぐうじ)」「禰宜(ねぎ)」「権禰宜(ごんねぎ)」などの神職がいます。よく耳にする「神主(かんぬし)」はそれら神職の俗称です。
その中でも神社の最高責任者とも言われる宮司が葬儀を進行します。ちなみに宮司の人数は全国で約1万人と少なく、仏教の僧侶に比べると神道の神職につくことは狭き門であることがわかります。
神式では、戒名はどうするの?
仏教で、死者に与えられる名前のことを「戒名(かいみょう)」といいますが、神道では「諡(おくりな)」といいます。
仏教における戒名が、仏の弟子になることを認められた証として授けられるのに対し、神道の諡は、その家の守護神となった故人様に敬意を表すために授けられます。つまり諡には生前の行いや徳を称える意味合いが含まれているのです。
また神道では、「現世(うつしよ)」から永遠に変わらない神域である「幽世(かくりよ)/常世(とこよ)」に再び帰るという考えに基づき、死のことを「帰幽(きゆう)」といいますが、諡を授けられることによって、この世で役割を終えた故人様が祖先にあたる神々のいる世界へ帰ることができるようになります。
諡はいつ授けられる?
諡は通夜式のあとにおこなわれる遷霊祭(せんれいさい)で授けられます。遷霊祭とは、故人様の御霊を霊璽(れいじ)に移す儀式のことで、霊璽とは仏教の位牌に相当するものです。神道では、この霊璽を家に祀ることで、故人様の御霊が永遠に子孫たちを守ってくれると考えられています。
諡(おくりな)の仕組み
戒名は僧侶に頼んでつけてもらいますが、諡は決められた形式に基づいて、誰でも同じように授けられるもののため、お布施のような謝礼は不要です。
ちなみに諡は以下のような形式に基づいて授けられます。
(例)「〇〇〇〇(氏名)+■■(諡)+命(尊号)」
〇〇〇〇の部分には生前の氏名が入り、■■の部分には年齢や性別に応じた諡(おくりな)が入ります。少し紛らわしいですが、「諡」とはこの属性に応じた称号のことを指すこともあれば、氏名〜尊号までの全体を総称して諡ということもあります。
また■■に相当する部分は、たとえば70歳以上の男性が亡くなった場合には「翁」の文字が、41歳〜70歳未満の女性が亡くなった場合には、「刀自(とじ)」の文字が入るというように、年齢、性別によって細かく決められています。
神式と仏式の葬儀における違いを比較
神式と仏式の葬儀の違いは、僧侶や戒名だけではありません。葬儀全体の流れは似ているものの細かい作法が異なるため、仏式の葬儀に慣れている方が神式の葬儀に参列すると違和感を覚える部分もあると思います。
これから神式の葬儀に参列する予定がある方は、予備知識として神式と仏式の葬儀の違いを頭に入れておくと、いざというときに慌てずに対応できるのではないでしょうか。
ここでは、神式の葬儀と仏式の葬儀における作法の違いを解説します。
「玉串奉奠」が焼香の代わり
仏式の葬儀では、故人様が冥土で迷わないよう煙が道標となって導いてくれるという考えから、お香を焚いて拝む「焼香(しょうこう)」が行われますが、神式の葬儀ではそもそも線香を焚かれません。そのため焼香も行わず、代わりに玉串奉奠(たまぐしほうてん)を行います。玉串とは榊の枝に紙垂をつけたもののことで、それを神前に捧げることを玉串奉奠と言います。
【玉串奉奠のやり方】
①順番が来たら祭壇の方へ進み、ご遺族へ一礼する
②祭壇の手前で神職から玉串を受け取る
(受け取り方のマナー:右手で玉串の根本を上から持ち、葉の部分の先端を左手で下から支えるようにして受け取る)
③そのまま祭壇の前に進む
④祭壇の前まで来たら一礼する
⑤まず右手で持っている玉串の根本が自分の方に来るように回転させたら、さらに、左手で根本を持ち根本が祭壇の方へ向くように時計回りに回転させてから台に置く。
⑥正面を向いたまま2〜3歩後ろに退き2礼をしてから、音を鳴らさずに2回拍手(偲び手)をする
⑦最後に再度1礼をしたのちに退き、神職やご遺族に1礼してから席に戻る
ちなみに神社でのお参りをしたことがある方なら経験があると思いますが、神道では「2礼2拍手1礼」が基本となります。玉串奉奠は葬儀だけでなくお祝いの場でも行われますが、その場合は最後の2拍手はパンパンと音を鳴らすのが基本です。しかし葬儀の場では音を鳴らさずに2回偲び手をするのがマナーとなりますので気をつけてください。また仏教のように合掌は行わないので注意しましょう。
読経は祝詞(のりと)
仏教における読経に相当するものを祝詞(のりと)といいます。祝詞とは、祭典に奉仕する神職が神様に奏上する言葉のことです。神道では口に出すことで霊力が発揮されるという言霊信仰があり、一字一句大切に奏上されます。
神社で葬儀は行わない
仏教ではお寺が葬儀会場になることもありますが、神道で神社が葬儀会場になることはありません。神道では死を「穢れ」=避けたいもの、触れたくないものとして捉えますが、神が祀られている場所である神社に「穢れ」を持ち込みたくないという考えに基づくものです。
四十九日法要ではなく五十日祭(ごじゅうにちさい)
神道では、葬儀に続く一連の儀式は、すべて故人様を守護神として家に祀るために行われます。仏教において忌明けとなる四十九日法要が、故人様を極楽浄土へ送り出す儀式なのに対し、神道では忌明けとなる五十日祭をもって故人様を家の神棚に迎え入れることとなります。
お布施ではなく玉串料(たまぐしりょう)
神式の葬儀では、宮司さんにご奉仕していただいたお礼としてお渡しする費用のことを「玉串料」といいます。これは仏式のお布施に相当するものですが、金額的には一般的なお布施の半額程度が相場といわれています。
神道の死生観を知ることがマナーを知ることにつながります
ここまで神道の基本的な考え方や葬儀におけるマナーなどを、仏式と比較しながらお伝えしてきましたがいかがでしたでしょうか。日本では仏式に基づく葬儀がほとんどですので、神道の葬儀を執り行う際や、参列する際には慣れない言葉や作法に戸惑ってしまうこともあると思いますが、「亡くなった方は家の守護神となって子孫を見守り続ける」という神道の死生観を知ることで、儀式本来の意味も理解しやすくなるのではないでしょうか。
また葬儀の基本的な流れやマナーは、私ども葬儀社がリードさせていただきますので安心してお任せいただければと思います。
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