葬儀・家族葬コラム
更新日:2026.06.18
夏場のご安置は大丈夫?知っておきたいご遺体保全の基礎知識
「猛暑」という言葉が定着しつつある昨今、夏場の暑さは年々厳しくなっています。
そんな中でのご葬儀となると、ご遺体の安置に不安を感じる方も多いのではないでしょうか。
「腐敗が進まないか」
「異臭や虫が発生しないか」
と、心配になることもあるでしょう。
しかし、暑い夏場のご安置も、正しい知識のもとに行えば問題はありません。
今回は、ご遺体保全の基本的な方法や、状況に応じた安置先の選択肢、ドライアイスの扱い方など、夏のご安置で注意するポイントをお伝えします。

なぜ夏のご安置は注意が必要なの?
ご遺体をそのままにしておくと、時間とともに徐々に腐敗が進みます。
死後数時間ほどで死後硬直が始まり、硬直がピークに達した後、腐敗へ移行していくといわれています。また一定期間が経過すると、腐敗に伴って異臭の原因となるガスが発生することがあります。
気温や湿度が高いと腐敗のスピードも早まるため、梅雨時期から残暑期にかけては、特にデリケートなご遺体の管理が必要になります。
ご遺体保全の基本的な方法
ご遺体の状態を、できるだけ良好に管理する方法は、大きく分けて2つの方法があります。
ドライアイスによる冷却
ご遺体を衛生的に保つために行われる、最も一般的な方法です。
ご遺体のお腹、脇の下、胸、首などにドライアイスを当てて冷やすことで、ご遺体の腐敗を遅らせることができます。
ただし、ドライアイスだけでは充分とはいえません。同時に、直射日光を避け、安置場所をなるべく低温・低湿度に保つことも大切になります。
エンバーミング
長期間のご安置や、飛行機での搬送が必要な場合などに、エンバーミングという遺体保全技術を利用する場合があります。ご遺体の血液を抜き、代わりに防腐・殺菌効果のある薬剤を注入する技術です。
このエンバーミングを施すことで、数週間から1か月以上にわたりご遺体の状態を衛生的に保つことができるといわれています。
費用は、15〜25万円程度かかりますが、ドライアイスが不要となるため、ご安置が長期に及ぶ場合など条件によっては、ドライアイス代よりもエンバーミングの方が安く収まるケースも考えられます。
安置先はどこを選ぶ?
ご葬儀までの期間、ご遺体を安置しておく安置場所の選択肢は、大きく分けて「ご自宅」「葬儀社の安置室」「民間の安置専門施設」の3つになります。
まずは、それぞれのメリット・デメリットを確認しておきましょう。
ご自宅
「最期の時間を故人と一緒に過ごしたい」「最期は住み慣れた自宅に帰らせてあげたい」という場合に選ばれています。また、施設利用料がかからないため費用を抑えやすいのもメリットです。ただし、温度・湿度などの環境管理が必要になるほか、1〜2日おきに葬儀社のスタッフがドライアイスの交換に来るため対応が必要になります。
葬儀社の安置室
専用設備のため環境管理が万全です。また、ご遺体の管理もプロに任せられるためご家族の負担が少ない点がメリットです。その分、施設利用料がかかるほか、面会時間や条件に制限がある場合もあるため注意が必要です。
民間の安置専門施設
葬儀社が決まっていない場合などの、一時的な安置施設として選ばれることが多いです。
葬儀社の安置室と同じく、環境管理が万全なうえ、面会時間の自由度が高い点がメリットです。ただし施設によってサービス内容が異なるため、24時間面会可能な施設もあれば、面会時間が制限されている場合もあるため事前の確認が必要です。
葬儀までの日数も安置場所選びに影響する
安置場所を選ぶ際には、葬儀までの日数も考慮に入れる必要があります。
1〜2日程度であれば、ご自宅でも対応しやすいケースが多いですが、火葬場の混雑や諸事情によって安置日数が3日以上になる場合は、葬儀社の安置室や安置専門施設が安心です。
特に夏場は温度や湿度の管理が難しいため、長期間の安置が必要な場合は、よりリスクの少ない方を選ぶことをおすすめします。
自宅安置に向いているケース・向いていないケース
「最期は住み慣れた自宅で過ごさせてあげたい」
「できるだけ長く一緒に過ごしたい」
「費用をなるべく抑えたい」
などの理由から、自宅安置を選ぶ方も多いと思います。
しかし、どのようなご自宅でも自宅安置が可能というわけではありません。また、向き・不向きもあります。
ここでは、自宅安置に向いているケースと向いていないケースをお伝えします。
向いているケース
- 安置日数が短い
- ご遺体をスムーズに搬入出する経路が確保できる
- 安置する部屋に除湿機能つきのエアコンがある
- 直射日光の当たらない場所を確保できる
- 弔問客が多い(自宅ならスムーズに迎え入れられます)
- 何かあった時に家族が対応できる
向いていないケース
- 安置日数が長引くことがわかっている、もしくは読めない
- 安置する部屋にエアコンがない
- ご遺体の搬入出経路が確保できない(棺が入るエレベーターがないなど)
- 近所の人に知られたくない
- ご遺体のそばで数日間過ごすことを負担に感じる
夏場に自宅安置をする際に押さえておきたいポイント
夏場に自宅安置をする場合、以下のポイントを押さえておくと安心です。
安置する部屋の選び方
ある程度のスペースが確保でき、除湿機能付きのエアコンがあり、直射日光を避けられる部屋もしくは遮光カーテンのある部屋が適しています。
ドライアイスの正しい使い方と交換タイミング
ドライアイスを、寝かせたご遺体のお腹や脇の下、首や胸などに当ててご遺体を冷やします。
この時、肌に直接ドライアイスが当たると凍傷になってしまうため、必ずタオルなどで包んでから当てるようにしましょう。
また、ドライアイスは定期的な交換が必要です。交換頻度は季節や安置環境によって異なりますが、夏場は毎日交換するケースも少なくありません。
ドライアイスに関する作業は、葬儀社が対応してくれることがほとんどですが、緊急時などのために知っておくと安心です。
適度な換気も必要
ドライアイスを使っているため、適度な換気も必要になります。ドライアイスが気化する際には、高濃度の二酸化炭素が発生し、酸欠や中毒事故が起こりやすくなるためです。
温度や湿度を保ちつつ、適度に換気も行う必要があるため、そのような対応を負担に感じてしまう場合は、専門施設を検討しましょう。
温度・湿度の目安
腐敗を促進する細菌は高温多湿の環境で活性化するため、一般的には、室温18℃以下、湿度60%以下を目安に管理するとよいとされています。そのため、エアコンの温度設定を低めにした上で、除湿モードを併用することをおすすめします。
生花・お供え物の注意点
生花やお供え物は傷みやすいため、こまめに確認・交換するよう心がけましょう。葬儀社に相談すると適切なアドバイスをもらえます。
家族が「異変」に気づいたときの対処法
万が一、異臭やご遺体の色の変化などの異変を感じた場合、まずは葬儀社に連絡をして指示を仰ぎましょう。葬儀社は緊急対応に慣れているため、遠慮せずに連絡することが大切です。
安心してお見送りをするために
夏場の葬儀は、ご遺体の管理でご不安なことも多いと思いますが、正しい知識があれば、大切なご家族のご遺体を、良好に保つことができます。
ぜひこのコラムで、自宅安置の際の適切な環境や、状況にあった安置場所の選択肢、ご遺体保全の注意点などを参考にしていただけたら嬉しいです。
また、わからないことや不安なことは、どんな小さなことでも葬儀社にご相談ください。経験豊富なスタッフがお客様のご不安に寄り添いながらサポートいたします。
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