葬儀・家族葬コラム
更新日:2026.10.28
仏壇じまいとは?魂抜き(閉眼供養)の流れや費用、処分方法を解説
近年、「実家を売却することになった」「親が亡くなり、仏壇の継承者がいない」「引越し先に仏壇を置くスペースがない」といった理由から、仏壇じまいを考える人が増えています。
仏壇を手放したいと思いつつも、「そのまま処分してしまってよいのだろうか…」と不安に思われる方は多いのではないでしょうか。
結論から申し上げると、仏壇じまいをした後も、ご先祖様をしっかりと供養し続ける方法はあります。
そこで今回は、「仏壇じまい」を検討している方に向けて、必要な供養や費用相場、具体的な処分方法、依頼先の選び方などをわかりやすく解説します。

仏壇じまいとは?必要になるケースと基本知識
仏壇じまいとは、仏壇を手放す際に行う、供養や処分の一連の手続きのことをいいます。
主に、引越しや親の死をきっかけにするケースのほか、「高齢になり管理が難しくなった」「墓じまいと合わせて処分をしたい」などの理由から、仏壇じまいを検討する人が増えています。
しかし、「仏壇じまい=供養をやめること」ではありません。
よりコンパクトな仏壇に買い替えたり、位牌のみを残して自宅で供養を続けたりするケースもあれば、寺院や霊園に永代供養をお願いするケースもあり、その後の供養の選択肢もさまざま残されています。
仏壇じまいで行う魂抜き(閉眼供養)とは?
魂抜き(閉眼供養)とは、仏壇や位牌などに宿っている故人や先祖の魂を抜き取り、仏の世界に送り出す宗教儀式です。魂を抜いた仏壇や位牌は、ただのモノに戻ると考えられています。
魂抜き(閉眼供養)は、仏教の多くの宗派で行われる儀式ですが、浄土真宗では故人の魂は死後すぐに極楽浄土へ往生し仏になると考えられているため、仏壇や位牌に魂が宿るという考えがありません。
そのため魂を抜く閉眼供養の代わりに、浄土真宗では、仏壇に安置されているご本尊に一時的に場所を移動していただくという意味を込め、「遷仏法要(せんぶつほうよう)」を行うことが一般的です。
ただし、閉眼供養も遷仏法要も、儀式の目的は異なりますが、実際の法要の手順や儀式の内容はほぼ同じと考えて差し支えないでしょう。
なぜ、仏壇の魂抜き(閉眼供養)が必要なの?
仏壇は、小さなお寺とも言われる宗教上大切な場所です。
また仏教の多くの宗派では、仏壇や位牌を迎え入れる際に、魂入れ(開眼供養)を行なっています。
先祖を偲ぶための大切な場所であり、故人の魂が宿ったものをそのまま処分してしまうことは、仏様やご先祖様を傷つける行為にあたると考えられています。
魂抜き(閉眼供養)は必ず行わなければいけない?
魂抜き(閉眼供養)を必ず行わなければならないという法律上の決まりはありません。ただし、仏教の多くの宗派では、区切りとして閉眼供養を行うのが一般的です。
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仏壇じまいの流れ【5つのステップ】
次に、仏壇じまいの一般的な流れについて解説します。
1.親族と相談し、仏壇じまいの方針を決める
最初に、仏壇の継承者をはじめ関係する親族に、処分の意向を確認します。
仏壇は祭祀財産のため、通常の遺産とは別に承継されます。故人が遺言で指定している人が優先的に承継者となりますが、指定がなければ「長男が継ぐ」「配偶者が引き継ぐ」など、地域のしきたりや各家庭の考えによって決まることが多いです。
後からトラブルを防ぐためにも、承継者をはじめ、関係する親族とも話し合っておくことが大切です。
2.菩提寺に相談し、閉眼供養の日程を決める
菩提寺がある場合は、住職に仏壇じまいを考えていることを伝えます。宗派に応じた儀式の内容を確認し、具体的な供養の日程も決められるとスムーズです。
また、お布施の金額に迷う場合は、目安となる金額についても合わせて確認しておくとよいでしょう。
3.仏壇の中身を整理する
仏壇には、ご本尊、位牌、遺影、過去帳、仏具などが納められています。処分するものと、引き続き保管・供養するものをわけておきましょう。
4.魂抜き(閉眼供養)などを行う
あらかじめ決めておいた日時になったら、僧侶に読経や法話などの儀式を行ってもらいます。また、参列者は僧侶による読経の合間に焼香を行います。具体的な作法は、宗派や寺院の指示に従いましょう。
5.仏壇を処分し、位牌などの供養先を決める
仏壇本体は、仏壇店や専門業者、自治体の粗大ごみなどを利用して処分します。位牌やご本尊は、今後の供養方法に応じて適切に取り扱いましょう。
※ご紹介した手順は一例です。宗派や寺院、仏壇の状態などによって順序が異なる場合があります。
仏壇じまいにかかる費用の相場
ここでは、仏壇じまいにかかる費用の目安をお伝えします。
費用は依頼先や仏壇の大きさ、供養の内容などによって異なります。以下の金額は、あくまで参考値としてご確認ください。
【仏壇じまいにかかる費用の内訳】
- 閉眼供養のお布施
- 御車代・御膳料
- 仏壇本体の処分費用(お焚き上げ/粗大ゴミ)
- 運搬・搬出費用(必要に応じて)
閉眼供養のお布施
仏壇じまいに伴う閉眼供養にかかるお布施の相場は、1万円〜3万円、高くても5万円程度が目安とされています。
ただし、僧侶にお渡しするお布施は、菩提寺との関係性や宗派、地域の慣習などによっても異なります。いくらお包みすればよいか迷われる場合は、菩提寺に尋ねるとよいでしょう。
御車代・御膳料
僧侶にご自宅に出向いていただく場合、僧侶の交通費代わりとして、お布施とは別に「御車代」をお渡しするのが一般的です。また、供養後に会食を設けない場合や、僧侶が会食を辞退される場合は、別途「御膳料」をお渡しすることがあります。
御車代・御膳料の目安は、それぞれ5,000円〜1万円です。
そのため、もし僧侶に自宅に出向いていただき、会食の席を設けない場合は、次の金額が目安となります。
お布施:1〜3万円
御車代:5,000円〜1万円
御膳料:5,000円〜1万円
なお、施主が寺院に出向いて供養を行う場合は、通常、御車代は不要です。御膳料についても、会食の有無や僧侶の意向に応じて判断します。
また、御布施・御車代・御膳料は、それぞれ別の封筒に包んでお渡しするのが一般的です。
仏壇本体の処分費用(お焚き上げ/粗大ゴミ)
仏壇本体の処分費用は、仏壇の大きさや材質、依頼先などによっても異なります。
また、寺院などでお焚き上げを依頼する場合と、自治体の粗大ごみとして処分する場合では、費用に大きな差があります。
お焚き上げとは、閉眼供養後ただのモノとなった仏壇や仏具を、火で燃やすことによって浄化し、感謝を込めて天にかえす宗教儀式です。
仏壇のように大きなものをお焚き上げする場合の費用は、寺院によっても異なりますが、3万円〜10万円が目安とされています。ただし、寺院によっては仏壇のお焚き上げを引き受けていないこともあるため、事前の確認が必要です。
一方、自治体の粗大ゴミとして処分する場合は、数百円〜数千円で済む場合がほとんどです。ただし、自治体によっては仏壇を粗大ゴミとして受け入れていない場合や、処分に条件を設けている場合があるため事前に確認しましょう。
搬出・運搬費用
仏壇の大きさや設置場所、搬出経路によっては、搬出・運搬費用がかかる場合があります。
特に、大型の仏壇を2階以上から運び出す場合や、階段や通路が狭い場合などは、追加料金が発生することもあります。
仏壇じまいを専門業者に依頼する場合は、見積もりの際には、搬出・運搬費用が基本料金に含まれているかを確認しましょう。
仏壇の処分方法4選
ここでは、仏壇の処分を依頼できる4つの依頼先と、それぞれの費用の目安をお伝えします。
依頼先によっては、閉眼供養から仏壇の引き取り、お焚き上げまでをまとめて依頼できる場合があります。一方、処分のみ、供養のみを受け付けている依頼先もあります。
具体的には、「専門業者や大手仏壇店などに供養・引き取り・お焚き上げまでをまとめてお願いするケース」や、「菩提寺に閉眼供養を依頼しお焚き上げまでお願いするケース」「閉眼供養後に自治体の粗大ゴミに出すケース」などがあります。
費用だけでなく、依頼できるサービスの範囲も確認し、ご予算や希望に合った方法を選びましょう。
【仏壇処分の依頼先別費用の目安】
| 依頼先 | 費用の目安 | 備考 |
|---|---|---|
| 寺院・菩提寺 | 1〜5万円程度 | 閉眼供養をお願いできる。仏壇本体の引き取りや処分に対応しているかは寺院によって異なるため確認が必要。 |
| 仏壇店・仏具店 | 1〜8万円程度 | 大手仏壇店などでは引き取り・合同供養・お焚き上げまで一括で対応する店舗もある。仏壇を買い替える場合は割引してくれることもある。 |
| 仏壇じまい専門業者 | 2〜8万円程度 | 供養の手配から搬出、お焚き上げまでまとめて対応しているプランもあるため、何が料金に含まれているか、プラン内容の確認が必要。 |
| 自治体の粗大ゴミ | 数百円〜数千円 | 費用は安価だが、申込みや指定場所までの搬出を自分で行う必要がある。供養は別途寺院などに依頼する必要がある。自治体によっては受け付けていない場合や条件付きのこともあるため確認が必要。 |
※上記はあくまで費用の目安です。仏壇の大きさや依頼先、サービス内容などによって異なります。また、閉眼供養のお布施や運搬費用などが別途必要になる場合があります。
※自治体の粗大ごみとして処分する場合も、事前に閉眼供養の要否や宗派上の作法を寺院に確認しましょう。
仏壇じまいをするときに注意したい3つのポイント
ここでは、仏壇じまいをするときに注意したい3つのポイントをお伝えします。
親族の理解を得てから進める
仏壇には、先祖代々の位牌や思い出の品が納められていることもあります。独断で処分せず、関係するご家族・親族とも相談の上で進めましょう。
仏壇の中にあるものを確認する
仏壇を処分する際は、引き出しの中の書類なども確認し、必要なものを誤って処分しないよう注意しましょう。
宗派や寺院の作法を確認する
閉眼供養の名称や作法は、宗派によって異なります。菩提寺がある場合は、処分を手配する前に相談しましょう。
仏壇じまいをした後の位牌・ご本尊・仏具はどうする?
ここでは、仏壇じまいをした後の、位牌・ご本尊・仏具の処分や保管方法について解説します。
位牌
位牌は、新しい仏壇に安置して供養を続ける方法のほか、お寺に相談して永代供養やお焚き上げを依頼する方法などがあります。今後の供養方法や家族の意向に合わせて検討しましょう。
ご本尊
ご本尊は、宗派にあった方法で取り扱う必要があります。
具体的には、新しい仏壇に移して引き続き安置する方法や、寺院に相談して返納などを行う方法があります。処分や移動を検討する際は、菩提寺に相談しましょう。
仏具
仏具は、引き続き使うものと処分するものにわけます。処分する場合は、素材ごとにわけて自治体のゴミ収集を利用する方法のほか、必要に応じてお寺や専門業者にお焚き上げを依頼する方法があります。
遺影・過去帳
遺影や過去帳は引き続き自宅保管する方法のほか、必要に応じてお寺や専門業者に相談し、供養や処分を検討する方法もあります。ご家族の意向も確認し、大切な記録や写真を誤って処分しないよう注意しましょう。
仏壇じまいに関するよくある質問(FAQ)
最後に、仏壇じまいに関するよくある質問とその答えをご紹介します。
Q:仏壇じまいで魂抜きをしないとどうなりますか?
A:宗派や寺院によって考え方が異なるため、魂抜きをしない場合の扱いを一律に断言することはできません。菩提寺にご相談のうえ、必要な儀式をご確認ください。
Q:仏壇じまいのお布施はいくら包めばよいですか?
A:金額に全国共通の決まりはありません。寺院や地域、宗派などによって異なるため、金額にご不安がある場合は直接確認するのが確実です。
Q:仏壇じまいは自分でできますか?
A:仏壇本体の処分手配は自分で行える場合があります。ただし、供養の方法は宗派などに応じて確認し、大型の仏壇は搬出時の安全にも注意する必要があります。
Q:仏壇じまいをした後も供養はできますか?
A:仏壇を手放した後も、「位牌を安置する」「小さな仏壇に替える」「お寺で供養を行う」などの方法があります。家族の状況や宗派に合わせて検討しましょう。
Q:菩提寺がない場合、魂抜きはどこに依頼すればよいですか?
A:近隣の寺院や仏壇店、供養に対応する専門業者などに相談する方法があります。宗派への対応や費用、供養と処分のどこまで対応しているかを事前に確認しておきましょう。
仏壇じまいは供養・処分の方法を確認して進めましょう
仏壇じまいは、単に仏壇を手放すだけでなく、納められている位牌やご本尊、仏具などの扱いについても考える必要があります。また、仏壇の魂抜き(閉眼供養)などの作法は、宗派によっても異なります。親族などの関係者ともよく話し合い、菩提寺がある場合は、事前に相談しましょう。
また、仏壇の処分を依頼する際は、供養や処分、搬出など、どの作業が費用に含まれているかを確認することも大切です。費用の内訳や対応内容を事前に把握し、家族が納得できる方法で仏壇じまいを進めましょう。
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